鏡に向かって「お前は誰だ」と言い続けると人格崩壊するらしいので、その逆を試してみた

218651122_8b5d7ce3ee
photo credit: Olympus via photopin (license)

私の愛しいアップルパイへ

こんな都市伝説があります。鏡に向かって「お前は誰だ」と言い続けると人格が崩壊するって話です。自分自身がゲシュタルト崩壊して自分が誰だか分からなくなるからだそうです。

最初は月が宇宙人の操縦する宇宙船だって説くらいくだらない話だと思いました。

しかし、その後ちょいとばかし冷静になったら、なるほどこれは十分にあり得ることと考えるようになりました。「人は口に入れるものではなく、口から出てくるもので作られる」って話を私は信じてますから。

口から出る言葉にはパワーがあります。人は自分のことを自分で説得できるものです。このパワーは良い方向にも悪い方向にも使えます。

それで、ある日面白い実験を思いついたのです。人格が崩壊するのはゴメンですが、その逆ならウェルカムじゃありませんか。

結論から言ってこの実験は大成功でした。自分で自分にパワフルな言葉を語りかけることで、素晴らしいパワーを生み出せることが分かったからです。

感情や本心を慎重に抑圧すれば、自分の力を押さえつけることになる

あなたもご存知の通り、私は昔から空気を読むのが得意で、優しくて思いやりがあって、相手に合わせて話ができて、それ故に自分というものを抑え込みがちでした。

私はいつしか、自分でも気づかないくらい自然に、良い子ちゃんぶったり、打算的な駆け引きをしたり、相手を傷つけないよう感情を慎重に抑えたりするようになりました。

感情や本心が衝動的に湧き上がってきてもそこをグッとこらえて、なるべく理にかなっていることを口にするようになっていました。

しかし最近になって、これがどれほど自分自信の力を抑圧してしまっているかということに強い問題意識を感じるようになりました。

自分の感情や本心を抑えつけることは、人と真の信頼関係を結ぶことを難しくします。人を説得するときも、理にかなった話だけでは動いてくれないでしょう。人は感情に訴えかけるものに反応するものですから。

または、感情を吐き出すことを我慢すれば鬱憤が溜まってバランスが崩れるかもしれません。もしくは、感覚的、感情的なところから生まれる新しいアイデアを見逃してしまうかも。

そしてなによりも、音楽をはじめ自らの衝動を解放することが求められる芸術の分野で、この問題は大きな損失につながります。

かくして私は他人の評価に臆することなく、感情や本心を表に出す実験を欲するようになりました。

動画を使って自己説得する実験

そこで冒頭の都市伝説の話に戻ります。

普段抑圧している感情的な部分や、遠慮して口に出さないようにしている本心を包み隠さず自分にぶつけたらどうでしょうか。そして、それを毎日繰り返したらどうでしょうか。

きっと今よりずっと信念が強まって、今よりずっと爽快な気分になれるでしょう。それは少しずつ確実に私の人格を確固たるものにしてくれるに違いありません。

そういうわけで、私は毎日20分確保して、生活の中に告白の時間を作ることにしました。液晶ディスプレイに自分を写して、頭の中で叫んでいることをそのまま自分に向けて話しかけることにしたのです。しかも変化が分かるように、その一部始終はビデオとして録画することにしました。

▼それが以下のチャンネルに保存してある一連のビデオです。

▼さらにこのビデオは毎週日曜日に一週間分をもう一度見直して、最も濃密な部分だけを切り取ってまとめることにしました。

一ヶ月間の自己説得のパワー!

この実験を始めてからちょうど一ヶ月が経過しました。私の目を見てください。子供みたいにキラキラ輝いているのが分かるでしょう。

この実験を通して、私が普段いかに思い込みによって自分を束縛しているかを自覚しました。この一ヶ月で「感情や本心を抑え込んで理性的で生産的な話をするのが大人ってもんだ」とする訳の分からないブレーキが随分弱まりました。

自分の感情や本心を臆せず解放する場を持つことは、他人に振り回されずに自分の持ち味を発揮するために重要な鍵となります。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。