ミッションステートメントを作る6ステップ

▼動画版もご用意しました。ながら聴きなどこちらをご覧ください :^D

 

私の愛しいアップルパイへ

ミッションステートメントという言葉を聞いたことがあるでしょうか。「7つの習慣」でその偉大なる効果が謳われています。

ミッションステートメントとは、夢や目的を文章化したもので、人生に方向性を与える羅針盤として機能するものです。個人的な憲法と言われることもあります。

▼7つの習慣ではこんなふうに書かれています。

終わりを思い描くことから始める習慣を身につけるには、個人のミッション・ステートメントを書くのがもっとも効果的だ。ミッション・ステートメントとは、信条あるいは理念を表明したものである。個人のミッション・ステートメントには、どのような人間になりたいのか(人格)、何をしたいのか(貢献、功績)、そしてそれらの土台となる価値観と原則を書く。

by 完訳 7つの習慣 人格主義の回復 – 第二部 私的成功 – 第2の習慣 終わりを思い描くことから始める

私は2012年の1月に初めてミッションステートメントを作成し、4年近くこのミッションステートメントを更新し続けてきました。

▼現在の我がミッションステートメントは以下のとおりです。

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私は人のミッションステートメントを作成する支援をすることもありますが、ミッションステートメントにはこれといった作成方法があるわけではないので、いざ作ろうとして手が止まってしまう人も少なくありません。

そこで今日は私なりのミッションステートメントの作成方法をご紹介します。

ミッションステートメントの作り方

私のお気に入りのやり方は、過去・現在・未来についてそれぞれ思いを馳せながら、最後にすべてを統合してミッションステートメントを作り上げていく方法です。

大きく分けて6つのステップがあります。

  • 1.自分史で過去から現在までの物語を発掘する
  • 2.トリガーリストでいま感じていることを自覚する
  • 3.自分の葬式をイメージして理想の未来を想像する
  • 4.ワークの結果から自分の役割をリストアップする
  • 5.役割ごとにミッションを文章化する
  • 6.文章をWhat + Why + Howのフレームワークで考える

こうすることで、いまの一時的な感情ではなく長期的で高度な目線でミッションを考えることができるからです。

具体的なやり方を見ていきましょう。それぞれワークがあります。

1.自分史で過去から現在までの物語を発掘する

まずは過去に目線を向けます。ここで実際にやるのは「自分史」を書くことです。

生まれてから今までの自分の物語を思い出してみましょう。すべてのできごとを書く必要はありませんし、古いことから書く必要もありません。覚えていることから書いていきます。

やってみれば分かりますが、自分史は過去の客観的な事実をただ書くものにはなりません。強烈に覚えていることもあれば、すっかりどうでも良くなったこともあるでしょう。

この独自の指向性のなかに、ミッションが隠れているはずです。

▼私のプロフィールの下部には私の自分史を掲載しています。参考にしてみてください。

 

2.トリガーリストでいま感じていることを自覚する

次は現在です。自分がいまなにを感じているかを自覚するのは、なかなか難しいことです。そこで私はいま自分が感じていることを明確化するために以下のトリガーリストを使っています。

  • 最も価値のあった行動は?
  • 自分以外の誰かに貢献できたことは?
  • やり始めた工夫、思いついたアイデアは?
  • ミスしてしまったことと、打てる対策は?
  • 身の回りで問題だと思っていることと、その理由は?
  • ブログ記事、本、モノなどにグッときたことは?
  • 嬉しかったことと、その理由は?
  • 今日、誰かに感謝したことは?
  • 会った人やSNSで話したことは?
  • 今日一日を通して達成したことは?

この質問に1つ1つ答えながら、自分がいまなにを考えているか自覚していきます。それぞれの質問には複数回答してもOKです。

また、このトリガーリストは私が日記として使っているものでもあります。もし時間があれば、毎日寝る前にこのトリガーリストに回答して、数日かけてこのトリガーリストの回答を蓄積してみてください。そうすれば、より良いミッションステートメントを作る種になるでしょう。

3.自分の葬式をイメージして理想の未来を想像する

そして未来です。自分の葬式をイメージしながら理想の未来を想像していきます。

ここで考えて欲しいことは2つです。まず誰に来て欲しいのか?そして、その人になんと言って欲しいか?です。

実際に来そうな人を書くのではありません。あくまであなたが誰になんと言って欲しいかです。

4.ワークの結果から自分の役割をリストアップする

3つのワークが終わったら、仕上げに取り掛かっていきます。3つのワーク結果からミッションステートメントを書き上げていきます。

まずは、自分の役割を明確にしてリストアップしていきます。これまでの結果から、あなたの物語を構成する役割が複数みえてきたはずです。

「家族」や「社会人」といった役割をあげる人もいるでしょうし、「教師」や「芸術家」といった役割をあげる人もいるでしょう。

ポイントとしては、役割の数は7つ以下に収まるようにしましょう。7つ以上になると覚えておくのもバランスをとるのも難しくなるからです。

このようにして自分が重要だと思える役割を取捨選択し、最適な単語と過不足のない構成を見極めていきましょう

迷ったら過去のワーク結果に目を通してみてください。そのときの思いつきに頼るのではなく、過去のワーク結果に目を通しながらミッションステートメントを執筆していけば、納得のいくものになるはずです。そして、必ず「これだ!」と思える構成が見つかるはずです。

5.役割ごとにミッションを文章化する

役割のリストアップが終わったら、次は役割ごとに本当にやりたいことを文章化していきます。

役割1つ1つについて自分の本当にやりたいことをじっくりと考えながら、納得のいく文章を書きましょう。すべてが自分の思い通りになったとして、自分はなにをやりたいと思っているのか、自問自答しながら文章化します。

ここでも迷ったら過去のワーク結果に目を通すことが重要です。じれったいかもしれませんが、ここが踏ん張りどころです。

すべての役割についてやりたいことが文章化できたら、最後のワークに移ります。

6.文章をWhat + Why + Howのフレームワークで考える

最後は(5)で書いた文章をブラッシュアップします。(5)では役割ごとに自分が本当にやりたいことを文章化しました。次は、その文章をWhat」「Why」「How」の構成になるように見直します。

「What」は何をやりたいか。つまり目的です。「Why」はなぜやりたいか。つまり価値観です。「How」はどうやってやりたいか。つまり手法です。

▼このフレームワークについては以下でお話したことが参考になるはずです。

 

このフレームワークにそってミッションを考えることで、より正しい方向性を厳密に見極めることができるでしょう。単にやりたいことを書き出すより、ずっとパワフルなミッションステートメントができあがるはずです。

すべての役割について「What」「Why」「How」が明確になれば、ミッションステートメントの完成です。

ミッションステートメントを作って主体的に生きる

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photo credit: 2013 New Garden Airshow via photopin (license)

今日は私のお気に入りのミッションステートメント作成方法をご紹介しました。実際、この方法で過去何人もの人にミッションステートメントを作ってもらいました。

ミッションステートメントの作り方に正解はありませんから、もっと自分にあったやり方があればその方がもちろん良いでしょう。私のやり方が参考になれば幸いです。

ミッションステートメントを作るということは、自分がなにを再優先にすべきかを文章化することです。これは主体的に生きるための鍵になります。

Noというのが苦手な人が居たとしましょう。飲み会に誘われるとつい参加してしまって後で後悔するような人です。この方がミッションステートメントを持っていれば、惰性で飲み会に参加することを抑制できるようになるでしょう。なぜなら、惰性的な飲み会よりも優先すべきことが明確だからです。

もちろん、もっと大きなことにも活用できます。惰性で仕事に行っている人は、よりミッションに近い仕事へと転職するきっかけを得られるでしょう。仕事を決める判断基準を得たからです。

ミッションステートメントは日常生活のあらゆる判断基準として有効に機能します。これは自由への第一歩であり、まさに人生の羅針盤なのです。

ミッションステートメントをお持ちでなければ是非作ってみてください。もし既に作っていたとしても、今日紹介したやり方を参考に更新してみてください。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。