報酬を踏み倒されたのでフリーランスが報酬未払いに備えるためのポイントを7つまとめます

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私の愛しいアップルパイへ

ガッデム!蚊のように狡猾だと言われた私でもやられてしまいましたよ。ええ、報酬の踏み倒しってやつの被害にあいました。実はこれまでも、数万円の報酬踏み倒しに数回あったことがあるのですが、今回の被害額は18万円とそれなりの金額でしたので、フリーランスが新しい取引先と仕事するときの注意点を整理しておこうと思った次第です。

あなたにはこんなことに巻き込まれて欲しくありませんからね。

報酬を踏み倒されたのでフリーランスが新規取引先と仕事するときの注意点をまとめます

やはりフリーランスというのは会社という後ろ盾がないこともあり、売掛金の回収も自分で努力しなければなりません。

報酬の踏み倒しは大きく二種類あって、本人も気づいていないパターンと、明らかな詐欺行為としておこなっているパターンがあります。今回はそのどちらにも対応できるように注意すべき点をまとめます。

1.事前に名刺をもらって連絡先をおさえる

基本ではありますが、直接会う機会があるならば名刺は必ずもらいましょう。私は仕事に着手する前までに一度実際に会う機会を設けることにしています。人となりをチェックしつつ、本人の連絡先をおさえるためです。

もし直接会わずに仕事を進める場合は見積書を作るためにといって、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を聞き出します

明らかな詐欺行為として行っている場合は、仕事終了後に連絡がとれなくなるので、必ず事前に情報をもらったうえで、それぞれの連絡先に間違いや偽りがないかもできる限りチェックしておきます。

ちなみに、今回の私の被害では、相手から偽りの名刺を渡されていたことが事後に分かりました。「先月入社した新入社員で名刺作成中なので、社長の名刺を代わりにお渡しします。」という感じで、実際に存在する会社の社長の名刺を受け取りました。レアケースだとは思いますが、こんなケースもありますのでお気をつけください。。

2.会社名は取引する前に調べる

これも当たり前ではありますが、相手の会社名が分かったらネットで検索して会社の信頼性がどこまでありそうかチェックします。その会社を知っている友人がいれば、友人に聞くのも良いでしょう。

ある程度の規模であれば、個人への報酬を意図的に踏み倒して会社の社会的な信用を落とすような真似は損しかないので安心できます。ただし、小さな会社や相手が個人だった場合にはよく調べておく必要があります。

ちなみに、今回の被害でも(偽りの名刺ではありましたが)名刺に掲載されている会社はもちろん事前に調べました。しかし、その会社自体が会社として登記されたばかりだったこともあり、ほとんど情報を得られなかったのです。そこであまり疑うこともなく仕事を進めてしまいました。Oh,,,

3.報酬の交渉は記録に残るツールで

報酬の交渉はメールなど記録に残るツールでおこないましょう。また、交渉の経緯はデジタルコピーをとっておき必ず別の場所にも保管しておきます。これは後になって問題が発覚したときにデータが消えていたなんて事態を防ぐためのバックアップです。

たまにお金に関する交渉を電話でしてくる方もいるのですが、なるべく「お互い後々のトラブルを防ぐためにも、お金に関わることは記録に残したいのでメールでいただけますか?」と断るようにしています。言いづらい相手もいると思いますので、その場合は電話でまとまった内容をまとめて自分から相手に確認のメールを入れます

ちなみに、今回も報酬の交渉はすべてメールで行いデータも残っているのですが、相手に報酬を払う意思がないのでどうしようもありませんでした。ジーザス。。

4.報酬は必ず事前に提示してもらう

フリーランスになって結構多いのが報酬を事前に提示してくれないパターンです。相手によっては、お金の話をなるべく避けたいのか、報酬について言及せずに進める方も結構いらっしゃいます。これはフリーランスになったばかりの頃は「そういうものなの?」と思って結構戸惑いました。

特に、相手が無償でやってもらおうと考えている場合には、あえて報酬について言及せず曖昧にしたまま進めるパターンが多いので、自分から言い出す必要があります。

最初は自分から報酬について確認するのは守銭奴のようで気が引けるかもしれませんが、これも受けた仕事に集中するためと、後々のトラブル予防のためなので堂々と確認しましょう。

5.新規取引先の場合は前払金をもらう

新規取引先で、相手の会社が信用できるか判断できない場合は報酬を前払い金として支払ってもらうように交渉します。

もちろんそれだと取引先のリスクが高まってしまうので、報酬の半額を前払金として支払ってもらえないか交渉するのが良いでしょう。これでかなり安心感が増します。

ちなみに、今回も半額を前払いしてもらうよう交渉しました。ただ、仕事の納期が厳しかったこともあり、期限当日の「今日前払金をお支払い手続きしましたので」という相手の言葉を信用して、前払金が実際に口座に振り込まれる前に作業を行ってしまいました。

結局、支払ったというのは嘘だったわけですが、フライングスタートしてしまったのは失敗でした。ガッデム!

6.事後は請求書を出す

小さな仕事だったり相手が個人や小さなベンチャー企業だったりした場合に意外とあるのが報酬を支払い忘れていたというケースです。

特に、一通りの作業を行って相手の確認待ちだと思っていたのに、その後音沙汰がなくなり、報酬の支払いも忘れ去られるというケースは結構あります。

ですから、仕事の完了を明確にするためにも請求書を出すのが望ましいでしょう。

7.どうしようもなければ少額訴訟をおこす

報酬未払で訴訟を起こすこともできます。訴訟には時間も費用がかかって無意味だと思うかもしれませんが、60万円以下の被害であれば少額訴訟というものがあります。

少額訴訟であれば申し立てから審理までの期間は数ヶ月、裁判所での審理も1回だけでその日のうちに判決が出ます。費用も1~2万円程度と安価です。

勝訴すればすぐに報酬を支払ってもらえるかもしれませんし、それでも支払ってもらえない場合には差し押さえもできるようです(ただし、差し押さえる財産は自分で調べないといけない模様)。なので、少額訴訟の訴状を相手が受け取って、裁判を面倒くさがって報酬を支払ってくれるのが一番楽です。

ちなみに、今回は相手があちこちに借金している&貯金もない&住んでいる場所もホテルを点々としているということが事後の調査で分かり、勝訴したところで支払えるものも差し押さえるものもないのではない状況のため、少額訴訟を行う予定はありません。。

フリーランスは売掛金の回収も重要な仕事

サラリーマン時代だと給料が支払われないなんてことはありませんでしたし、考える必要もなかったのですが、フリーランスだと報酬の回収もすべて自分の責任で行わないといけません。

最初は報酬の回収方法を考えることがひどく面倒だったのですが、数年経ったいまでは報酬の回収はフリーランスにとって重要な仕事の1つであることを学びました。

今日お話した我が失敗談が役だったならなら幸いです。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。