時間に関する読み書き能力を身につける~(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる~

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私の愛しいアップルパイへ

現状を知ることは大切ですが、それをどう変えることができるかはもっと大切なことです。これまでの連載では、時間の使い方を組み立て直すために、行動の記録と分析について説明してきました。

ここからは、現状をより良い方向に変えるための対策を打つフェーズに入っていきます。まずはその取っ掛かりとして「問題をあぶり出し対策をたてる」方法について見ていきましょう。

▼連載記事一覧
(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる ←Just Now!!
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える   ←Next!!
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える
(9)STEP6.継続してチューニングする

自分に質問を投げかける

このステップでは問題を見極め、対策を打つための種を作っていきます。ポイントは2つあります。

1つ目のポイントは、1日の記録を振り返ってその時のリアルな実情をレポートしていくことです。これを元ネタとして対策を立てていきます。こうすることで自分の実体験が対策の元ネタとなりますので、(短絡的に理想を追うようなことのない)現実的な対策があぶり出せるのです。

レポートのタイミングですが、なるべくその日のうちに生の声を拾いたいので、毎日寝る前などに振り返るのがオススメです。

2つ目のポイントは”あぶり出す”という点です。

何の軸足も持たずに、単に記録を読み返すだけで問題を見極めるのは難しいでしょう。客観的な記録を眺めていても、様々な思考が入り乱れてしまうからです。何かしらの取っ掛かりが必要になるはずです。

そこで「質問形式」を採用することで、思考の対象を絞り込んでいきます。良い質問が良い回答を”あぶり出す”のです。

例えるなら綿菓子です。回転釜に入れた割り箸に、糸状の砂糖が次々に吸い付いてくるが如くです。質問という割り箸に、回答という砂糖が引き寄せられてくるわけです。

質問のテンプレートを作る

それではレポートの形式を見ていきましょう。成長面、生活面、社会面、方向性面など、様々な側面から自分に質問を投げかけて行きます。

以下は私が実際に使っている質問のテンプレートです。9つの質問で構成されています。

  • 最も価値のあった行動は?
  • やり始めた工夫、思いついたアイデアは?
  • やめるべきと思ったことと、やめる為のアクションは?
  • 読んだ本などで気になったフレーズは?
  • 嬉しかったことと、その理由は?
  • 自分以外の誰かに貢献できたことは?
  • 人に「ありがとう」と言ったことは?
  • 会った人と話したことは?
  • 今日一日を通して達成したことは?

 

これらの質問に対する回答を毎日寝る前に書き記していきます。回答が思いつかなければ無しでも構いません。

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これらの質問は、私が今まで少しずつ少しずつメンテナンスし続けてきたものです。あなたも是非こちらを参考にしながら、自分だけの最適な質問集を醸成してみてください。

実行に移す対策を決めていく

これらのレポートを毎日作る習慣を持てば、自分の行動に対する注意力がどんどん上ってきます。そうすれば対策を打つ準備は整いました。

1週間ほどレポートが溜まってきたら、それらのレポートをもう一度振り返ってみます。実際に実行に移すべき対策を決める作戦会議というわけです。

どんな視点で対策を決めていくかは、次のステップから詳しく見ていくことにしましょう。

貴下の従順なる下僕 松崎より

▼連載記事一覧
(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる ←Just Now!!
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える   ←Next!!
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える
(9)STEP6.継続してチューニングする

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著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。