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私の愛しいアップルパイへ
ハッハ、聞いたぜ。ついに夢を諦めようってのか。いいだろう。本当のことを教えてやる。
あんたの夢を言ってみな。ミュージシャンか？笑わせてくれるぜ。ろくに音感もありゃしねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。画家か？笑わせてくれるぜ。ろくにリンゴも書けやしねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。ダンサーか？笑わせてくれるぜ。ろくにスキップもできやしねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。俳優か？笑わせてくれるぜ。ろくにセリフも覚えられねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。教師か？笑わせてくれるぜ。ろくに犬も育てられねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。プログラマーか？笑わせてくれるぜ。ろくに電卓すら叩けねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。ジャーナリストか？笑わせてくれるぜ。ろくに日記も書けねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。料理人か？笑わせてくれるぜ。ろくに弁当すら作れねぇくせに。
あんたの夢を言ってみな。起業家か？笑わせてくれるぜ。ろくに自分の生活すら変えられねぇくせに。
腹が立ったか？そうだろうよ。でも事実だ。確然たる事実だ。理想は遠く、現実は厳しい。努力は報われないだろう。不条理さに泣かされるだろう。
あんたは、そんな苦難の1つ1つを乗り越えることもできず、ただ1つ1つ真正面から向き合うことしかできない。
それがいいんだよ。
あんたが何をしようが、世界はまるであんたなんて居ないみたいに回りつづけるだろう。あんたが夢に向かおうが諦めようが生きようが死のうが、みんな何ごともなく飯を食ってクソして寝るんだ。
それがいいんだよ。
足りない才能に悩むだろう。不安で眠れない夜を過ごすだろう。進むべき方向が見えず立ち止まるだろう。あがき疲れてすべてを投げ出したくなるだろう。そして夢を諦めたくなるだろう。
それがいいんだよ。
目の前にたちはだかる現実の壁に、毎日毎日魂をすり減らしながら突進していくことしかできない。辛く苦しくとも、泥臭く少しずつ前進していくことしかできない。それがいいんだよ。
現実は厳しく、夢は叶わない！それがいいんだよ！
貴下の従順なる下僕 松崎より