私の愛しいアップルパイへ
気になりませんか?
私がなぜあんなに仲良しだったNozbeから離れて、Toodledoへ移行したのか。
いいでしょう。それでは包み隠さず教えましょう。その理由を!
その前に、「昨日?そんな過去の事は覚えちゃいないよ」なんていうあなたは第一弾から読んでみましょう。
さて、この先を説明するにあたって、一つ考えて貰いたいのです。
私がなぜ前回の記事で2つのツールを「タワーリング・インフェルノ」に例えたのか。
Nozbeか?Toodledoか?
先に結論を言っておきましょう。私は決してこの2つのツールに優劣をつけようとは思っていないのです。
これは劣っているとされた方の利用者に配慮する為の言葉ではありませんし、安易に適材適所だと言っている訳でもありません。
私は確信しています。2つのツールはどちらも、最高レベルのタスク管理をこなすだけの力があるという事をです。
そういった意味では私がこの2つのツールを「タワーリング・インフェルノ」に例えたのは真に正しかったでしょう!
“スティーヴ・マックイーン”と”ポール・ニューマン”のどちらが優れているかなど、誰が決められると言うのでしょうか。
(そして実際スタッフロールでどちらの名前を先に出すかで議論にもなった!)
この話題のより詳しい説明は次回以降にする事でしょう。
Toodledoでできる事
さあさあ、それでは私が2つのツールを使ってみてわかった事として、まずはToodledoでできる事をご紹介しましょう。これは同時にNozbeではできない事でもあります。
◇尊い3階層の構造
タスクを階層構造で表現する時、Nozbeは“プロジェクト”と”タスク”の2階層で表現する事になります。
しかし、Toodledoならどうでしょう?さらにもう1階層多い3階層での表現が可能です。“フォルダ”、”タスク”、”サブタスク”の3階層です。
私はGTD的な“プロジェクト(=複数の行動)”と”タスク(=次の行動)”のさらに一つ上に、より自分の目的・目標に近い視点でのプロジェクトを設けています。私はこれを“プログラム(=重点的に取り組む分野)”と読んでいます。
このプログラムは、EvernoteやGoogle Docs等の他のツールと名称を同期させ、それぞれのデータを紐付けているものでもあります。
その為、”プログラム”、”プロジェクト”、”タスク”を表現するには3階層というのは非常に尊い存在でした。
◇リストの並べ替え
Nozbeはリストの中のタスクを並べ替える事ができません。手動で並べ替える事なら可能ですが、プロジェクト名順やコンテキスト順でソートする事はできないのです。
これはToodleであればかなり柔軟性を持った並べ替えが可能です。並べ替えのキーは種類が豊富で、かつ最大で3つまで指定できます。
タスクを並べかえる事ができるという事は、タスクに取り掛かる順番を決められる事でもあります。一日の予定を立てたい私としてはこの機能は魅力的でした。
◇カレンダー機能のパフォーマンス
上述の並べ替え機能によって、Toodledoでは一日のタスクと取り掛かる順番を定義できます。Nozbeにはそれがありませんが、やろうとするなら出来なくもありません。
それがカレンダー機能です。Nozbeの最も優れた機能の内の一つは、Googleカレンダーとの連携がほとんど完璧だという事です。Toodledoとは比較になりません。
Nozbeの反映はほぼリアルタイムでGoogleカレンダーに反映され、しかも逆方向もほぼリアルタイムで連携されます。
これを使えば、一日の予定をほぼ問題なく立てる事が出来ます。次の行動はNozbeで、一日の予定はGoogleカレンダーで管理するのです。
しかし、この“ほぼ”というのがクセモノです。使い込んでいくと微妙なタイムラグが気になり始めます。また、細かい単位で頻繁にデータを更新すると、更新した情報をロストする等の不整合を生じる事があります。タスクを削除した際など、まったく同期されない事もまれにあります。
確かにNozbeのGoogleカレンダー連携は“ほぼ”完璧です。日単位や数時間単位の管理であれば何の問題も無いでしょう。
しかしこの機能は、私の“毎朝15分で一日の予定を分単位で立てられる事”という要件を満たす事はできませんでした。
◇複合検索ができない
Toodledoの検索機能は非常に豊富です。フォルダ、コンテキスト、タグ、優先度、時間、スター、開始日時、期限などの属性を複合的に検索し、ビューとして保存できます。この検索機能では、AND条件もOR条件も利用可能で、かつ入れ子にする事も可能です。
対して、Nozbeの検索機能は非常にシンプルです。見方によってはそれは貧弱です。Nozbeの検索条件は常に単一です。プロジェクトのいずれかコンテキストのいずれか日付か、どれか一つでしか検索する事はできません。
「このプロジェクトに属するタスクで、期限が今週中でかつコンテキストは”Home”のもの」。
あなたは検索したくないですか?
◇タスクのコピーは?
タスクのコピーはもちろん必要でしょう?驚くべき事にNozbeではこれができません。
例えば今日私がウィスキーを軽く飲む為に近くのバーに向かい、その後近くの銀行で金をおろし、友人の家に移動して少し話し込んだ後、自宅に帰ったとしましょう。
この時私は愚直にも「馬に乗って移動する」というタスクを4つ手動で登録し、それぞれにプロジェクトを指定し、コンテキストを指定し、スターを付けてやらねばならないのです。
◇開始日と期限
残念ながらNozbeには日付を一つしか割り当てる事ができません。少なくとも私はタスク管理には二つの日付が必要であると考えます。それは開始日と期限です。開始日はいつ着手するかを計画するもの。期限は対外的に責任を負ったデッドラインです。
Nozbeではこのどちらか片方しか指定できません。私は開始日を選択しました。
これは一日のスケジュールを管理するためには必須だったからです。それでは期限はどうしたか?私の場合はGoogleカレンダーに期限用のカレンダーを作成し、Nozbeとは別に期限を管理していました。
しかしToodledoは!?
◇リピート機能の限界
これはNozbeユーザなら誰もが納得するはずです。この機能は決して出来が良い物ではありません。
対して、Toodledoのリピート機能は大変優秀です。ここまで優秀なリピート機能はそうはお目にかかれません。「毎週土曜日」「毎月第三月曜日」「二週に一回」「月水金」「3ヶ月に1度」などなど、種類も組み合わせも豊富です。また、タスクが完了してからカウントする事も、タスクの期限からカウントする事も可能です。
それに比べるとNozbeは貧弱と言わざるを得ません(”平日”を指定できるのは評価できる!)。リピート期間のカウントや、リピートされて次の行動が再生成されるタイミングなど、きっとカルチャーショックを受ける事でしょう。
タスク管理ツールにどこまで求めるか?
今回はToodledoがいかに高機能であるかを紹介してきました。いかにTodledoが細かい部分まで考えられて作られているかご理解頂けた事でしょう。この多機能性、多様性こそToodledoの強みです。
さて、この記事を読んでToodledoのサイトに行き、Proユーザに申し込もうとしているあなた。ちぃとばかし落ち着いて下さい。それは次回の記事を読んでからでも遅く無いでしょう。
機能面でNozbeが劣るのはある種当然です。Nozbeは決して多機能性や多様性が売りではないからです。
毎日何度も何時間もNozbeと向き合い、自分用に最適化し、サーバがスローダウンする程使い込んできた私がNozbeを一言で表すならこうです。
日本人の耳によく馴染む五七五調のリズムで表現しましょう。
Nozbeは、良くも悪くも GTD
この言葉こそNozbeの本質を良く表しています。ツールにはそれぞれ本分があり、役割があり、担当範囲があるという事です。
これを知ってこそ初めてそのツールを使いこなせます。
さて、次回はNozbeの逆襲です。
貴下の従順なる下僕 松崎より