私の愛しいアップルパイへ
Sweeeeeetな新曲が完成しました。タイトルは「rolyaT」です。
この1年間、我が人生哲学を根本から見直しつつ少しずつ積み上げていった一曲で、私はいまたいへん感慨深い気持ちでいます。
今日はこの新しい我が子についてあなたへお話しせずにはいられません。
新曲「rokyaT」を公開しました!
その名のとおり、以前私が作った「Taylor」を鏡の反対側から覗き込んだような一曲となっています。
ボーカルはここ三作品で共作しているHirokiに引き続き担当していただいております。
お焦りにならないでください。我が子「rolyaT」は以下より無料でお聴きいただくことができます。リッスン!
(静かになる)
楽曲は現在YouTubeにて無料視聴可能ですが、各種音楽配信サービスでも近々配信が始まるでしょう。
Datafication Music for Datafication People
この楽曲はただ音を積み重ねていっただけでなく、楽曲を支えるイデオロギーの構築にたいへんな労力をかけたソングとなりました。
現代の音楽の向かう先は何であろうかと、ああでもこうでもないと私のデリケートな脳髄をかき回しながら、1音1音積み重ねていきました。
はじめは遅々として作業が進まなかったのですけれど、そのうち暗闇に赤く灯った小さなろうそくのように朧げながら核のようなものが見え始め、1年かけていよいよその輪郭がはっきりと見えてきた次第でございます。
多くの作品からインスピレーションを得ました。それらすべてを挙げて各々についてあなたと論議したいところではありますが、そのような暇のないことが悔やまれます。
そのうちの最たるものだけを挙げるなら、オルダス・ハクスリーの「素晴らしき新世界」、ユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」、マーク・トゥエインの「人間とは何か」の三作品に帰結するでしょう。
その共通点はといいますと、つまるところここ数十年のうちに世界を席巻することになった新しい宗教、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の言うところの『Dataism』ということになります。
最終的に私たちは私たちの新しいドグマとして『Datafication Music for Datafication People』という一節を案出し、それを北極星として制作を続けました。
それから、かつてThrobbing Gristleがやったように、このようなドグマをただ作品の発想の出発点としてではなく”音楽的に”表現するにはいかにすればいいかということを実験してきた次第でございます。
加えて、そこに3年ほど滞在しているドイツ・ベルリンで受けた音楽的なインスピレーションが合わさって、本作を構成しております。
そういうわけですから、本作は私の音楽家人生のなかですばらしい転機になった作品として後々思い出されるような一作になったのではないかと考えております。
かつてレオナール・フジタは自らの転機となった作品を評して「私の最初の会心の作。でんぐり返しをうちて喜びたる作品」と言い残しましたが、まさにそのような一作になったであろうと確信しています。
かくして、旅の終わりに温かい毛布で包まれたときのような深い満足感に包まれて、いまこうしてあなたに手紙をしたためています。
貴下の従順なる下僕 松崎より