労働条件か?情熱か?真逆の就職活動をそれぞれ経験した今思うこと

カテゴリ: 仕事を楽しむ

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photo credit: Alex E. Proimos via photopin cc

私の愛しいアップルパイへ

これまでの人生で就職活動と言えるようなことを2度経験しました。最初は学校の卒業に合わせて行ったもので、2回目は1社目の退職時に行った就職活動です。

面白いことに、どちらも全く逆と言えるようなアプローチの活動になりました。

全く逆のアプローチで行った2回の就職活動

1.労働条件を重視した就職活動

最初の就職活動は20歳になったばかりの頃で、当時通っていた専門学校を卒業する年でした。つまり新卒採用です。

新卒向けの求人情報サイトと、専門学校に届いていた求人情報を読みあさりました。そのとき最も重視したのは労働条件と合格の難易度でした。

過酷な労働環境で働くのは嫌でしたし、だからといって倍率の高い一流企業ばかり受けて過酷な就職活動を行うのもウンザリでした。現実的に内定を貰えそうな会社を片っ端から調べて、手当たり次第応募するようなやり方でした。

結局、通っていた専門学校から推薦を貰えた企業を選び、その中でも最も労働条件の良い企業へ就職しました。誰もが知っている金融グループ傘下のシステム会社で、給与は平均的、福利厚生も揃っていて、システム会社にしては残業も少なそうな会社でした。

当時の私は、それなりの労働条件が揃った会社から内定を貰え、自分の就職活動は成功だと信じていました。安定を手に入れたと喜びました。

2.湧き上がる情熱を重視した就職活動

転機が訪れたのはそのシステム会社に就職して6年目に入った頃でした。仕事にも慣れて、これからの生き方を考える余裕が出てきたんでしょう。そして気付いたんです。私は小学生の頃から音楽の魅力に取り憑かれていて、ずっとその道に入りたいと願っていたことにです。

このままエレベーターで定年退職まで運んでもらうか?湧き上がる情熱に従って水に文字を書くような道に入るか?結局、6年半でそのシステム会社を辞めることに決めました。どうしても作曲を生活の軸にした生き方にシフトしたくなったからです。

会社を辞める半年前、あるイベント参加したときに、偶然ある会社の社長さんと出会いました。音楽業界を根っこからひっくり返すためのWebサービスを開発している会社の社長さんでした。

色々と情報を集めてみて、実にエキサイティングな会社だと分かりました。彼らは、才能ある個人が音楽で生活の基盤を築けるようにするためのビジネスモデルを掲げ、それに合ったWebサービスを開発していました。

それは私のヴィジョンと非常に近く、現実的で、自分の人生の貴重な時間を捧げるのに相応しいと断言できるほどやりがいのある仕事だと思えました。

ですから、会社を辞めてすぐ社長に直接メールしました。私の湧き上がる情熱を書き綴り、どうにか手伝わせて貰えないかと直接伝えました。この時点で労働条件はまったく不明でしたが、さほど気になりませんでした。給与がいくらで、残業はどのくらいあって、勤務形態がどうかは二の次だったのです。

そして今、私はこの会社で働いています。前の会社の方が労働条件は良かったですが、それとは違う取り替えのきかないものを手に入れたと満足しています。

真逆の就職活動をそれぞれ経験した今思うこと

どちらが良いと言うつもりはありません。環境によっては前者を取らざるを得ないこともあるでしょうし、私のように後者に生きがいを感じる人もいるでしょう。この経験から私が得た答えは2つです。

第一に、どちらか一方ではなく、これら2つの状態を両方とも満たすことが出来たときこそ最高の状態だということです。キラキラと輝く理想と湧き上がる情熱を共有することができ、尚且つ満足できる労働条件下にあったとき、それが天職と言えるものになるのではないでしょうか。

そして第二に、1つ目の方法で入った会社の延長線上に、2つ目を実現しようとするのは非常に困難だということです。空中に花を咲かせるより難しいかも知れません。自分の生活を労働条件に合わせることは出来るでしょうが、自分の理想と情熱を無理やり会社に合わせることは出来ないからです。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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