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私の愛しいアップルパイへ
“変化”
それは世の中の常であり、この世の面白いところでも、難しいところでもあります。
特に働き方に関しては、偉大なる我らが父や母や種々の先人たちが説く“時代”や”常識”も、古臭さが目につくようになってきました。
そんな中で私たちは今、この愛すべき日本という国をどうやって行き抜くべきなのでしょうか。
日本がこのような経済的に厳しい状況に陥り、若者の未来に希望が感じられない世の中になったことをいつまでも嘆いていても仕方がない。それよりもなすべきことは、このような厳しい世の中でもしたたかに生き残り、自ら新しい「希望」を作り出すことである。
P.4
そう力強く説くのが今日ここで紹介する「僕は君たちに武器を配りたい」という本です。
今日はこの本から私の胸を強く打った箇所を紹介しましょう。
コモディティ化された人材を超克せよ!
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市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、消費者にとってみればどのメーカーのどの商品を買っても大差がない状態。それを「コモディティ化」と呼ぶ
P.31
まず私たちが直面している問題について説明しましょう。その中心にあるのが「コモディティ化」です。
上述した「コモディティ化」という概念は、単に部品の話にとどまりません。本当に恐ろしい問題は、産業の発達とグローバル化の流れによって、現代は人材すらが「コモディティ化」されつつあるという点です。
これまでの「人材マーケット」では、資格やTOEICの点数といった、客観的に数値で測定できる指標が重視されてきた。
だがそうした数値は、極端にいえば工業製品のスペックと何も変わりがない。同じ数値であれば、企業側は安く使える方を採用するに決まっている。P.34
そして、個性を失った人材は価格競争に巻き込まれていきます。個性が無ければ人と人とを差別化するのは”安さ”しかなくなってしまうからです。そうなれば私たちは工場労働者の如く働き続けることになります。
そこで、この価格競争に立ち向かい「コモディティ」から抜け出すためには、その人特有の「スペシャリティ」を手に入れる必要が出てきます。
この「スペシャリティ」を発揮するための方法が、本書で書かれている4つの武器となります。
これからの資本主義を生き抜く4つの武器とは?
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6つの働き方と4つの武器
つまり儲かる漁師を分類すると、次の6つのタイプを説明することができるだろう。
1.商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
2.自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
3.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
4.まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
5.自分が企業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)
6.投資家として市場に参加している人(インベスター=投資家)p.112
本書では「スペシャリティ」のある人間として生き残るために、6つの働き方を提示した上で、その内4つが「スペシャリティ」を得る武器になると説いています。
上述した6つの働き方の内、最初の2つとなる「トレーダー」と「エキスパート」はコモディティ化の波に抗えず、今後生き残っていくのが難しくなるとしています。
つまり、上記3~6に該当する「マーケター」「イノベーター」「リーダー」「インベスター」がこれからの武器になるのです。
4つの武器を状況に応じて使い分けろ!
ひとつ注意すべきなのは、「マーケター」「イノベーター」「リーダー」「インベスター」の4つの働き方から、いずれか1つを選択せよという話ではないという点です。
私たちには、4つの武器を状況に応じて使い分けていく働き方が求められているのです。
あなたは、商品にストーリーを乗せて新たな顧客を見い出す「マーケター」でありながら、複数の技術を組み合わせて新しい商品を創る「イノベーター」でもあるのです。さらに、理想を掲げてチームメンバーを率いる「リーダー」でありながら、これからトレンドになる市場を見極める「インベスター」でもあるのです。
資本主義を「スペシャリティ」で突破せよ!
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自分の信じる道が「正しい」と確信できるのであれば、「出る杭」になることを厭うべきではない。本書で述べてきたように、人生ではリスクをとらないことこそが、大きなリスクとなるのである。
P.289
本書には、人の寿命より企業の寿命の方が短くなりつつある現代で、蚊のように狡猾に生き抜くための戦略が示されています。それは、上記で紹介した4つの武器を最大限駆使する方法です。
これからの資本主義において、「スペシャリティ」のある人間を目指すあなたには必携の書となるでしょう。
貴下の従順なる下僕 松崎より