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私の愛しいアップルパイへ
画面中央に現れたボタンをカーソルで追って、狙いを定めて左クリック。今度は画面右上のボタンにじっくり狙いを定めて左クリック。
マウスをこのような使い方しかしていないとしたなら、あなたはマウスの秘めたる可能性の10%も使ってないことになります。
マウスのクリックとカーソルの軌跡の組み合わせで、様々な操作を実行できる「マウスジェスチャー」を使えば、もっとマウスの可能性を引き出すことができるでしょう。
Windowsは標準ではマウスジェスチャーに対応していないため、使うには専用のソフトウェアが必要です。「かざぐるマウス」などの有名ソフトもありますが、私が愛用しているのは「MouseGestureL.ahk」というフリーソフトです。
「MouseGestureL.ahk」とは?
MouseGestureL.ahkとは「AutoHotkey_L」という別のフリーソフトと連携して動作する「マウスジェスチャー」に特化したフリーソフトです。
マウスをクリックしながらカーソルで特定の軌跡を描くことで、様々な操作が実行できます。
※「AutoHotkey」については以下の記事でも取り上げているので参考にしてみて下さい。
▼例えば、私の場合は右クリックをしながら「↓→」とカーソルを動かすと、今見てるウィンドウを閉じることができます
他にも、右クリックをしながら「←」にカーソルを動かすと「戻る」、右クリックをしながら「→」にカーソルを動かすと「進む」などが実行されるようになっています。
こうすれば、わざわざショートカットキーのボタンの位置を確認したり、画面上のクリックすべきボタンの位置を確認したりすることなく、マウスを動かすだけで操作ができるので、Windowsの操作が格段にスピードアップします。
「MouseGestureL.ahk」の便利な使用感
いくつかある代表的な「マウスジェスチャー」ソフトの中でも私が「MouseGestureL.ahk」を愛用しているのは、以下のような理由からです。
1.マウスジェスチャーだけに特化していてシンプル(でも柔軟)
2.どの画面、どのアプリケーションでも機能する
3.インストール不要で、どこでも使える
4.高度なスクリプトに対応している
1つ1つ見てみましょう。
1.マウスジェスチャーだけに特化していてシンプル(でも柔軟)
いろいろな機能が実装されているソフトウェアは便利ですが、やりたいことが定まっている場合には邪魔になることもあります。
「MouseGestureL.ahk」はマウスジェスチャーに特化していて、その機能はいたってシンプルですし、動作も軽快です。
▼以下は「MouseGestureL.ahk」の設定画面です
画面が簡素なので最初はとっつきづらいかも知れませんが、馴れるとそのシンプルさに好感がもてます。しかも設定できる内容は多彩で柔軟です。
▼ジェスチャーの定義には左クリックや右クリックだけでなく、中央ボタンやホイールと組み合わせることも可能です。また、方向は上下左右の4方向か、斜めを用いた8方向を用いることもできます
2.どの画面、どのアプリケーションでも機能する
マウスジェスチャーソフトをいくつか見てみると、特定の画面や特定のアプリケーションでしか動作しないということがあります。
例えばWebブラウザだけでしか動作しないですとか、エクスプローラーでしか動作しないですとか、WordやExcelなどの特定のアプリケーションでしか動作しない、などです。
「MouseGestureL.ahk」は条件定義という設定によって、マウスジェスチャーをどの画面、どのアプリケーションで有効にするかこと細かに設定できます。
逆に、特定のアプリケーションや特定の画面ではマウスジェスチャーを有効にしないといったことも可能です。例えば、ゲーム中はマウスジェスチャーを有効にしないといった場合に有効です。
3.インストール不要で、どこでも使える
「MouseGestureL.ahk」は「AutoHotkey_L」という別のフリーソフトを使って動作します。この「AutoHotkey_L」はインストールせずに使うことができるソフトなので「MouseGestureL.ahk」も特定のソフトをインストールせずに動作します。
ですから、DropboxやGoogleドライブなどのオンラインストレージを用いたり、USBメモリなどに入れて持ち歩けば、パソコンを選ばず、どこでもすぐに自分の設定で「MouseGestureL.ahk」を使えるというわけです。
▼私はDropboxを使って、自宅のデスクトップパソコンでも外出時に使うノートパソコンでも同じ設定の「MouseGestureL.ahk」が使えるようになっています
正式に64bit対応もしていますし、私はWindows 8でも使っていますが、問題なく動作しています。
4.高度なスクリプト言語に対応している
先述した「AutoHotkey_L」は元々高度なスクリプトエンジンとして開発されたソフトウェアです。
「MouseGestureL.ahk」はこれを使って動作するので、ジェスチャー定義にも対応する操作内容にも、かなり高度な処理を記述できるようになっています。
ちょっとしたプログラミングを要する場合もありますが、ジェスチャー定義に「ボタンを押したときと放したときに動作を発動」や「ボタンを押している間繰り返し発動」、「トリプルクリック以上への割り当て」などができます。
操作内容についても「ウィンドウを閉じる」のような単一の操作ではなく、「全てのウィンドウを最小化して、特定のアプリケーションを開いて、画面を最大化して、スクロールバーを一番下に下げる」のような複数の処理の組み合わせを実行することもできます。
ここら辺のカスタマイズは本当に多彩なので、詳細はソフトに付属しているマニュアルを読んでみて下さい。
マウスの潜在能力を開放せよ
あなたのマウスは単に左クリックをしたり、時にはダブルクリックをしてみたり、鼠のようにちょこまか走らせたりするためだけのものではありません。
「MouseGestureL.ahk」によって高度なマウスジェスチャーを使えれば、Windowsの操作感は別次元のものとなるでしょう。
使ったことがないという方は是非体験してみて下さい。そして、マウスの潜在能力を開放するのです。
▼導入は以下の記事を参考にしてみてください。
貴下の従順なる下僕 松崎より