私の愛しいアップルパイへ
一度読んでから、人生の節目で何度となく読み返すようになった本に出会ったことがあるでしょう。自分にとって重要な人生哲学の一部となった本です。この愛すべきブログで何度も取り上げている「仕事は楽しいかね?」は、まさに私にとってそんな一冊です。
▼以下にこの本の要約記事を書きましたのでお知らせします。
計画の作成を真っ向から否定する
この本との出会いは私にとって実に衝撃的でエキサイティングでした。最初に私が衝撃を受けたのは、長期の目標をたてて、それに向かって計画を作ることを真っ向から否定していることでした。私はこれらを仕事をするうえであたりまえのプロセスだと思い込んでいたため頭がクラクラしました。
過去の事実や知識や市場調査を根拠に整然とした計画をたててもうまくいかないことのほうが多いことを誰もが理解しているのに、計画信奉者は後をたちません。
なぜ計画がうまく機能しないのか?それは、現実は作られた計画のように整然としたものではないからです。現実は我々が目標を達成するまで静かに待っていてくれないからです。現実は私たちが考えるよりも規則だっておらず、むしろ規則から外れたところで重要な教訓を得られるのが常だからです。
本書は計画を作成するときに私たちが見落としている論理の落とし穴に気づかせてくれます。「計画を捨てろだなんて思考停止だ!」という声が聴こえてくるような気がします。しかし、なにも考えるのを止めろと言っているわけではありません。
では、計画の他になにをよりどころにすればいいのでしょうか?良い質問です。
遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る
本書の主張を端的に説明すればこうなります。「計画より偶然をよりどころにしろ」です。冗談みたいな主張です。しかし、本書では偶然の偉大なパワーについて説得力をもって解説してくれます。
ポスト・イットを例にあげるまでもなく、世の中の偉大な仕事の数多くが、偶然の産物であることはもうご存知でしょう。実験や試行錯誤をとおして、思いもしないような、予想以上の成果にたどり着くことです。
実は成功のために必要なのは、整然とした計画をたててそれを愚直に実行していくことではなく、遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守ることなのです。
なぜ、同じようなテクニックやセンスや才能がある人々のなかでも、大成功する人もいれば、夢破れて失意のなか去っていく人もいるのでしょうか。本書に言わせれば、偶然の力を侮っていたからだということになります。だからやるべきは、まぐれ当たりの専門家になることなのです。
私の大好きな本書のなかの一節にこんな言葉があります。
必要は発明の母かもしれない。
だけど、偶然は発明の父なんだ。
第6章
いつも鉛筆を舐めながら完璧な計画をたてているのに一向にうまくいかなくてウンザリしていないでしょうか?マンネリ化した生活にウンザリしていないでしょうか?もしそうなら、本書を読むことをおすすめします。明日から働くのが楽しみで仕方なくなりますよ。
貴下の従順なる下僕 松崎より