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私の愛しいアップルパイへ
「このままではいけない!もっと重要なことに時間を割けるよう生活の質を上げねば!」
かつて私はそう叫んで立ち上がりました。それから生産性を巡る冒険がはじまりました。私が最初に取り組んだのは「生産性がバカ高い人はどのようにメモを活用しているのか?」でした。私は静物画を描く画家のように、身の回りにいる生産性がバカ高い人を冷静に観察しはじめました。
まずもって驚いたのは、生産性がバカ高い人は私が考えているよりもずっと(ときには異常と思えるほど)「メモすること」に重きを置いていることでした。今日は彼らがどのような考えのもとでメモをとっていたのか、私が学んだことを5つにまとめてお話しましょう。
- 1.情報を横断検索する
- 2.無意識の選択の無駄に気づく
- 3.頭のメモリを解放する
- 4.作業手順書にする
- 5.振り返りに活用する
生産性がバカ高い人はどのようにメモを活用しているのか?
それまで私がままについて考えていたのは、「メモしていれば記憶の定着がよくなって思考の質が底上げされそう」とか「記憶しきれない情報の保管庫」程度の認識でした。
ですから、その時に後で役立つと思えたことだけをメモするに留めていました。しかし、生産性がバカ高い人のメモはそれとは大きく異なるものでした。
気になったことがあったらまずメモする。お腹が空いて来たら時間をメモする。イラっとしたことがあったらそれをメモする。コーヒーを飲んだらその本数をメモする。ランチに行った店をメモする。レシートを貰ったらその内容を写真でメモする。なかにはトイレに行った回数をメモしている人もいました。
挙げればキリがありませんがメモの最小単位が明らかに私と違っていたのです。なぜそんな一見無駄だと思えるようなメモばかりとっているのか?それは大きく5つのポイントがありました。
- 1.情報を横断検索する
- 2.無意識の選択の無駄に気づく
- 3.頭のメモリを解放する
- 4.作業手順書にする
- 5.振り返りに活用する
1つ1つ見ていきましょう。
情報を横断検索する
私が参考にした生産性がバカ高い人は、メモをほとんどすべてデジタル化していました。スマホなどを使ってデジタルツールにメモすることもあれば、レシートなどのアナログ情報をスキャンしてデジタルに変換していることもありました。
ここまでデジタルツールが普及した現代では、ほとんど容量を気にせずにメモを一箇所に保存することが可能になりました。スマホの登場によってメモする時間もほとんどかかりません。つまり、いつ使うか分からない情報をメモして保存するコストが無視できるほど小さくなったのです。
1つのデジタルツールにすべての情報をまとめておけば、後ですべての情報を横断して検索することができます。生産性がバカ高い人は自分にまつわる情報を集めては、Google検索では決してヒットしない自分だけのデータベースを独自に構築しているのです。
いつ活用できるか分からない小さな閃きや、プライベートで訪れた店の情報などをいつでも横断検索できるようにしておき、他のプロジェクトに活かせるようにしておくのです。こうすることで、単に情報の検索を効率化するだけでなく、アイデアの質を底上げしているのです。
無意識の選択の無駄に気づく
私たちはかなりの行動を習慣的にこなしています。つまり、私たちはかなりのことを無意識のうちに選択しているのです。その中には良いものもあれば悪いものもあります。
生産性がバカ高い人はこのことを熟知しています。そして、無意識の選択の質を上げることが、生産性を上げる鍵であることをよく知っています。
無意識の選択を自覚するにはどうすればいいか?それはメモすることです。例えば、無意識の間食をメモするようにすれば間食の量は減ります。これはダイエットに役立ちます。同じように、無意識で行っている作業中の脱線をメモすれば、無意識の脱線が減ります。これは集中力アップにつながります。
メモを通して惰性的で質の低い選択を炙り出しているのです。無意識の選択に自覚的になれば、それを改善することはさほど難しくありません。
頭のメモリを解放する
なぜ生産性がバカ高い人は「そんなことまでメモするの?」と思えるような小さなことまでメモするのか?
そもそも彼らには記憶しきれない情報だけを記録しようなどという発想がありません。彼らは頭の中に気になることが1つ増えれば、それだけ仕事に集中することができなくなることを知っているからです。
記憶に頼るってことは、資料が散らばって仕事するスペースがない机の上で作業するに等しい行為です。1つ1つは小さなことでも、気になることが積み重なるとそれだけ今集中すべき仕事に集中することは難しくなります。
ですから、簡単に記憶できる情報もすべてメモしておいて、頭のメモリを使わないようにするのです。記憶しておかなきゃならないことが1つ減れば、その分スッキリした気分で仕事と向き合えます。
記憶しておけるかは関係ありません。頭のメモリを解放することが重要なのです。
作業手順書にする
生産性がバカ高い人は、ほとんどすべての仕事が2回以上発生すると確信しています。「特別、今回だけお願い!」と言われて振られた仕事も、いずれもう一度同じお願いがやってくると確信しています。
ですから「今回だけ」と言われた仕事も、誰に言われるでもなく自分がやった仕事の工程を事細かにメモしています。誰に見せるでもなく、他人が見ても分かるように作業ログをメモしています。
そのメモが将来、今の記憶がなくなって他人同然となってしまった未来の自分を助けてくれる作業手順書になることを知っているからです。そして、生産性がバカ高い人は今もすでに過去の自分に助けられています。同じように過去の自分が作っておいた作業手順書がいくつもあるからです。
ほとんどの人はあらかじめ定例作業と謳われたものや、重要度の高い作業だけでしか作業ログを残そうとしないものです。
作業手順書を元に行った作業は2回3回と回数を重ねれば重ねるほど、その手順書のクオリティーはどんどん上がっています。結果的に、回数を重ねるたびに作業が効率化され、効率化されて生まれた余裕が新しい仕事に割り当てられるのです。
振り返りに活用する
会社や上司から業務日誌を書けと言われることがあるでしょう。そのためにいやいや業務日誌を毎日/毎週提出しているという話はよく聞きます。
生産性がバカ高い人は会社や上司に言われなくとも、業務日誌を自分のために書いています。自分のメモを振り返って、いま抱えている問題や過去にミスしたこと、もっと効果性を高められそうな仕事について内省を繰り返しています。
メモをした時点では見えなかったことも、1日分や1週間分のメモを並べて高い視点で眺めてみると新しい発見があるのです。
昼に飲んだコーヒーが後でどんな影響を与えたのか、ある人に言った発言が後でどんな影響を与えたのか、メモを時系列で眺めてはこういった反省を行なっています。メモを積み重ね、木だけでなく、森を見えるようにしているのです。
そして、この自分のための業務日誌がまた自分専用のデータベースに蓄積されていき、新たな生産性の種になっていくのです。
生産性がバカ高い人はメモ活用の幅が広い
このように生産性がバカ高い人はメモを活用するための幅がとても広いです。ですから、一見して無駄だと思えるようなメモも残しておき、後できちんと活用しています。
通常なら記憶できない分を記録でカバーするという考えをしてしまいがちなのですが、生産性がバカ高い人は発想が逆なのです。まず記録をして、それを活かそうとしています。
生産性を高めるために、ぜひもう一度自分のメモに対する考え方を見直してみてはどうでしょうか。最後にもう一度5つのポイントを貼っておきましょう。
- 1.情報を横断検索する
- 2.無意識の選択の無駄に気づく
- 3.頭のメモリを解放する
- 4.作業手順書にする
- 5.振り返りに活用する
貴下の従順なる下僕 松崎より