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私の愛しいアップルパイへ
ご存知の通りナチュラル・ボーン・ドリーマーズである私の居場所はいつだって「夢」と「希望」と「未来」です。この性分は私自身も大変気に入っているのですが、アキレス腱があるのも事実です。
それは、過去を振り返ることを怠りがちな点です。昨日などという昔のことに時間をかけるのはもったいないし、馬鹿げているとすら感じていました。日記を書くのは大嫌いでしたし、写真を撮ることすら嫌でした。ましてや行動ログなんてもってのほかという状態です。
この欠点を問題視できるようになったのが2年ほど前。大きな成長を望むにはじっくりと過去を紐解いていくことこそ重要なのではないかとようやく気づいたからです。それから少しずつ今この瞬間を記録に残す習慣を定着させ始めました。
最初はモチベーションを維持するのも難しく挫折もしましたが、今では1分単位で正確に行動ログを残し続けて1年以上になります。過去1~2年くらいだったら、何月何日の何時何分に何をしていたか正確に言い当てることができます。写真もこまめに撮るようになりましたし、日記も毎日欠かさず書くようになりました。
行動ログを1分単位で正確に残せるようになった3つの理由
私は、記録を思い出として後から楽しく見返すということにさほど価値を感じない人間です。ですから、以前は日記を書いたり写真を撮ったり、ログをとったりすることの価値について、いまいちピンとこない人間でした。
それが、こと細かに記録を残そうと思えるようになり、実践できるようになったのは、記録を残すことで大きなリターンを得られることを知ったからです。
理由は大きく3つあります。
1.記録する瞬間、自分の行動に対する注意力が高まる
2.記録を俯瞰的に眺めれば、新たな気づきが生まれる
3.過去の自分が極上のアイデアソースになる
1つ1つ見て行きましょう。
1.記録する瞬間、自分の行動に対する注意力が高まる
まずもってお伝えしておきたいのは、自分の行動を記録に残そうと思い、実践し始めた瞬間から、すぐに効果が表れるということです。記録を残すことの効果は極めて不明瞭だとあなたが思っていたとしたなら、それは勘違いです。
自分の行動を記録に残そうと思った瞬間、自分の行動に対する注意力が上がります。そして、無意識のうちにとっていた望ましくない行動(記録に残したくないような行動)に対して意識的になり、徐々に抑制できるようになります。
半分眠りながら自分の食べたものを全て正確に記録するということはできないのです。それをやろうとしたら目が覚めてしまうでしょう。
この自覚が大事なのです。食べることに意識的になれば、無意識のうちに食べていたようなものは、食べなくなっていきます。
それは食べても食べなくてもよかったようなものだからです。
私が最初にこの効果を体感したのは昼寝をしなくなったことです。「今から昼寝をする」と記録する瞬間、本当に今寝るべきかどうかを判断するようになったからです。
2.記録を俯瞰的に眺めれば、新たな発見が生まれる
もう1つ、私が記録にこだわり続ける理由は、記録がある程度溜まってきたときにだけ見えてくる発見があることです。
それは、複数のデータを1週間や1ヶ月俯瞰的に見たときにだけ気がつける閃きであり、実行中には決して気づくことのないものです。
例えば私なら、睡眠時間は6.48時間が良いですとか、起床してから45分後くらいから集中力が一番高くなるですとか、16:00くらいにもう一度集中力の波が来るですとか、入浴には38分かかってストレッチには12分かかるですとか、一日の予定は2回に分けてたてた方が良い、などです。
時間の使い方に関するリアルなデータを持っていると、時間の使い方を洗練させる発見が次々に見つかります。しかもこの発見は自分の過去のデータに基いているため、現実的に使えるものになるのです。
3.過去の自分が極上のアイデアソースになる
過去の自分と再開することで新しいアイデアが生まれることはよくあります。その時はどんな意味を持つか分からなかったものや、意味を持つかどうかすらあやしい出来事が、数日後、数十日後に思い返してみると思いがけないアイデアにつながります。
特に日記の中には今の自分についての本質的な問題が隠れていたりして、何度も助けられました。
記録を残して「過去の自分」と再開できれば、新しくてきらびやかなアイデアが尽きせざる噴水のごとく湧き出てきます。「過去の自分」を閉じ込めておき、いつでも参照できるようにしておけば、それが極上のアイデアソースになるのです。
記録が未来を切り拓く武器になる
記録をしたいと思って記録する人はいないでしょう。私が記録を大切にし、過去を振り返れるようになったのは、「夢」と「希望」と「未来」に活きるものだと理解したからです。
なかなか記録が定着しないと嘆いている人は、記録のために記録している可能性があります。今日お伝えしたとおり、過去の記録は良質な未来を形作る上で欠かせない要素なのです。それを忘れなければ、記録に残しておかないなんて勿体無いと思えてきます。
貴下の従順なる下僕 松崎より