ジョージ・オーウェルの代表作「1984」。これを読んで最初に疑問に思うのは、ビッグ・ブラザーとイングソックはその後どうなったのか?支配は永久に続いたのか?でしょう。実はこれは作中に明確な回答が書かれています。少々分かりづらいので解説しましょう。ネタバレ注意です。 Read More »
美学
美しいのは作品ではなく態度である
芸術において初心者が最も陥りやすい問題の1つは、美しいのは「作品」か?「態度」か?という問題でしょう。もちろん後者が、つまり「態度」こそが美しさの本質なわけですが、このあたりの詳しい解説を整理しておきましょう。事前知識なしに作品にのみ触れたときの第一印象を正として、作品を評価しようとする虚妄は根強いですから。 Read More »
いま誰もがアートに関する教養を身につけるべき3つの理由
改めてアートに関する教養を身につけるべき3つの理由についてお話ししましょう。第一に、死生観と価値観のレベルを上げて人生に自由をもたらす力。第二に、他人の死生観と価値観を知ることができること。第三に、答えなき問いに答えを出す力が鍛えられること。アートというのはただ余暇を充実させるためのものではないのです。 Read More »
芸術を深く理解するにはまず感性と主観を捨てる〜木村泰司さんに学ぶ西洋美術史〜
芸術を知るにはまず「主観」と「感性」を捨てることです。芸術は常にその時々の歴史の流れを踏まえた文化的な価値観の表明であり、芸術は観たり聴いたりするよりもまず「読む」のです。その第一歩として、木村泰司さんの書く美術史は知識のない人でもすんなり入れる良書ばかりなのでオススメです。 Read More »
5000年の音楽史が20分で分かるまとめ (2) 中世の音楽〜バロック音楽
20分で5000年の音楽史を知りたい貪欲なるあなたの連載も第2話となりました。今回は13世紀〜17世紀、中世からバロック音楽へと入っていきます。この時代はいわゆる「クラシック」と呼ばれる時代の基礎が完成する音楽史においても極めて重要な時期です。あの大バッハとヘンデルも登場します。 Read More »
5000年の音楽史が20分で分かるまとめ (1) 古代の音楽〜初期キリスト教音楽
芸術は歴史と切っても切り離せません。音楽をもっと楽しむためには音楽史に関する知識が必要不可欠です。とはいえ、音楽史に精通するためには膨大な時間が必要となります。そこで、5000年に渡る音楽史の全体像をたった20分で理解できる連載を始めます。今回は初期〜12世紀にかけたの初期の音楽についてまとめます。 Read More »
視覚芸術および音楽における芸術家と工芸家の違いと、ますます工芸化する音楽について
絵画や彫刻などの視覚芸術と音楽をはじめとする聴覚芸術において、芸術家と工芸家との対立には長い歴史があります。また、芸術家と工芸家を混同し、人々が作品を正当に評価することができず大変残念なことになるケースもしばしば見受けられます。今日は芸術家の成り立ちから、芸術家と工芸家の違いまでを探っていきましょう。 Read More »
美術史がギリシャ美術から始まるのは現代の美の規範(=クラシック)だから
美術史についての文献を漁るとだいたい最初に一番多くのページが割かれるのがギリシャ美術です。それだけギリシャの美術は重要なのです。というのも、ギリシャ美術は視覚芸術においても聴覚芸術においても現代へと通ずる美の規範が確立された時期だからです。ようは芸術全体のクラシックなのです。 Read More »
なぜミュージカルや映画や劇などの物語作品に音楽が必要なのか?
絵と音の表現が中心で、そのうえ文字の表現が大きく制限される劇や映画やミュージカルにおいては、音楽を活用しない手はありません。このことを劇作家のベルトルト・ブレヒトや哲学者のアルトゥル・ショーペンハウアーの言葉を紐解きながら整理していきます。 Read More »
人はなぜ笑うのか?いつ笑うのか?笑いのメカニズムとは?ユーモアの役割とは?
「笑い」という現象がなぜ起こるのか?どのような時に人は笑うのか?笑いのメカニズムとはなんなのか?ユーモアの役割とは?といったことについて、19世紀のドイツの哲学者であるアルトゥル・ショーペンハウアーの「意志と表象としての世界」を紐解きながら整理していきます。 Read More »
音楽より先にはまったのは映画だったな
小学校の高学年に音楽家になるという夢を持ちました。よく思い出してみると、それよりも前、小学校にあがるころに魅了されたのが映画でした。いまでも映画はよく観ますが、なぜ先に出会っていたであろう音楽ではなく映画の方があの頃あんなにも響いたのか?そしてなぜいまは音楽なのか?についてお話します。 Read More »
美しいという言葉の定義は意義深いと同義である
今まで読んだ美術書のなかでも美しいの定義について特に頭に粘りついているのは「美しいとは、意義深いということである」という一節でした。これほど美しいという言葉を簡潔に言い換えた一節はその後お目にかかったことがありません。この言葉を紐解きながら「美しい」という言葉の定義について整理します。 Read More »
芸術が五感のなかでも視覚と聴覚のうえでしか成り立たない2つの理由
芸術作品というものは主に視覚と聴覚を使って鑑賞します。触覚の芸術、味覚の芸術、嗅覚の芸術はありません。その理由の1つは、芸術は観者と一定の距離感を求めるということでしょう。そしてもう1つの理由は、芸術は数学的な法則を求めるということです。 Read More »
芸術的な感性を発揮するための1つの前提条件
芸術的な作品を創造するか、それらを鑑賞するときに必要となる条件について説明します。それは「自分が生と死の問題から解放されていること」です。芸術の創造者として、もしくは鑑賞者として、これとどのように向き合っていくかを解説します。 Read More »
音楽が模造しているのはなにか?
音楽が模造しているものはなにか?という問いは実に本質的な問題です。音楽だけは唯一、表現の具体的な対象が「存在しない」芸術なのです。では、音楽はなにを模造しているのか?ショーペンハウアーの美学を参考にしながら解説します。 Read More »
我が音楽で表現しているのは人間の持つ信念の偉大さについてである
私が音楽を通して表現しようとしていることは、どのような人間であれ人が持つ意志・信念・情熱には無限の価値が眠っているということです。これをわざわざ音楽を通じて表現しようとしているってことは、これは通常の生活においては失われやすいということを示しています。詳細に説明していきます。 Read More »
私が醜いものを最高に美しいと感じる理由
私が「美しい」に近い言葉だと考えているのは「合理的」ではなく「意義深い」です。表現の本質に人生のいうものの意義深さを感じたときに、美しいという感情が湧くからです。美しいことが意義深いことであるとすれば、醜いものが美しいということが成り立ちます。 Read More »