私の愛しいアップルパイへ
今から2年ほど前のことです。
あなたと出会う直前ですが、その頃の私と言えばひどい人間でした。
一言でいうなら無気力人間です。私が?信じられないでしょう?でも真実です。人に歴史ありです。
無気力から生まれた悪癖
やりたいことが無かった訳ではありません。ただ気力が無かったんです。私がたった一人で浅ましくも理想の世界を追い求めたところで、いったい何になるのか?そう考えるとどうしても動く気になれなかったんです。
いつからか休日は食って寝る生活になりました。朝10時頃に起きたらインターネットをだらだら見て、昼過ぎにランチをとったら眠くなってそこから昼寝です。昼寝と言っても夕方まで3時間〜5時間くらい寝る昼寝です。ガッデム、、、
起きたら夜で、またインターネットをだらだら見たり映画を見たりして、そのうちディナーをとったらまた眠くなるんですよ。その頃の私にとって休日は砂の味がしました。ときには、なんなら早く月曜日になってくれとすら思うほどでした。
おお、jMatsuzaki、惨めなjMatsuzakiよ、、、
悪癖との対峙
しかし、悲しみも永遠ではありません。いつしかこのままではいけないと思うようになりました。眠れる獅子が起きるときが来たのです。
最初に改善しなければならなかったのは休日の長い昼寝でした。ただ、このころには休日の昼寝はほとんど癖のようになっていました。5年ほど吸っていたタバコはすんなり辞められたのに、昼に襲ってくる悪魔的な睡魔にはどうしても抗うことができずにいました。
せっかく気力が戻ってきたのに行動が伴いません。
おお、jMatsuzaki、哀れなjMatsuzakiよ
決定打となった一手
それでも世界は慈愛に満ちています。色々試しているうちに決定的な一手に出会いました。
ある日、私は惰眠を貪っている愚かな自分を可視化してやろうと思ったのです。休日の何割を睡眠に使っているか。そしてなんと無駄な休日を送っているか、言い訳できないくらい明確に書き出してやろうと思ったのです。
これから昼寝するであろう愚かな未来の自分に対して無言の抗議文を送ろうと考えたわけです。
具体的に何をやったかですか?先に言っておきますが、私が神経質なのは認めます。つまり、一日で自分がどんな行動をとったかをこと細かにメモし始めたのです。それをあとで集計すれば何にどんな時間を使っていたかが正確に分かります。
ここまでやれば今までのように「なんとなく一杯寝ちゃったのぅ」では済まないでしょう。未来の自分だって少しは応えるに違いありません。
それからどうなったと思いますか?最初の睡魔に襲われたとき、私はテーブルの角にある金色の万年筆を持って「昼寝」と書こうとしました。そうしたら、信じられないことに書けなかったのです。頭が拒否したんです。「昼寝」だなんて!「これからみすみす時間を無駄にします」だなんて?!
私の中に残っていた最後の誠実さだったのかも知れません。私は人知れずマンションの片隅で震えました。これは忘れられない小さな成功体験となりました。
貴下の従順なる下僕 松崎より