無計画に脱サラしたら襲ってきた7つの不安を突破できたときの話〜(1)不安と対峙するまで〜

カテゴリ: フリーランス

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photo credit: julien ( l’ours ) via photopin cc

私の愛しいアップルパイへ

右手に諦めきれない夢と左手に根拠なき自信を持って、脱サラしたあの日からもう2年が経ちます。

この愛すべきブログで脱サラを宣言したときには「無理でしょ!」「見切り発車だ!」「大丈夫なの?」「お笑いだわ!」「あわれjMatsuzaki!」という独特な意見もいただきました。確かにこちらでも書いたとおり、3ヶ月目で貯金が完全に尽きたりとそれなりに紆余曲折はありました。

「それで、2年経って脱サラに成功できたの?」ですか。なるほど、あなたらしい。実に良い質問です。

答えましょう。断言しますが、私はみごと脱サラに成功しました。なぜ断言できるかって?よろしい、ではアフタヌーンティーを用意しなさい。この2年間の出来事を一から詳しくお話していきましょう。

脱サラした直後の状況

脱サラを決めたときは正直「どうにでもなるだろう」と思っていました。いずれ会社を辞めるのであれば早いほうが良いとも思っていたので、収入のあてもないうちに会社を辞めることにしました。人間ひとり生きていくくらいそう難しくないとふんでいたからです。

退職金は30万円くらいもらって、貯金は退職金を入れて80〜90万円くらいでした。失業保険は申請するのをやめました。申請に時間をかけるくらいなら自分の新しい仕事をはやく始めて、そちらに時間を割きたかったからです。後々ひどく後悔しましたけど。

とにかく、脱サラした直後は、執筆や講演などの新しい仕事に全力をかけて、忙しい日々を過ごしました。しかし、一向に十分な収入につながっていかないことに焦るようになるまで、3ヶ月もあれば十分でした。

最初の3ヶ月で眠りが浅くなり、飯が喉を通らなくなる

会社を辞めてからの3ヶ月が最初の試練のときでした。

まず今までなんとも思わなかった家賃の振り込みが恐ろしいイベントとなりました。国民健康保険と国民年金の振込依頼書は視界に入るだけで憎しみを感じるようになりました。ちょっとずつ貯金が減っていくという当たり前の現実は、想像以上の勢いで私の足を絡めとってきました。

次に孤独に耐えきれなくなりました。一食にいくらかけるかに悩み、飲み会に行くか行かないかを貯金残高で決める生活を続けるうちに、孤独がすこしずつ苦痛になっていきました。このとき自由を好む私のお気に入りだった一人暮らしは悪影響だったのです。一人でいるときは頭のなかを得体の知れない不安が自由に駆け巡るようになったからです。

大見得きったのに生活が苦しいなんて相談が誰にもできなかった私は、3ヶ月が経って驚くくらい疲れはてました。私はこう見えて繊細なのです。眠りは浅くなり、何を食べても美味しいと思えなくなりました。唯一笑えたことといえば、人は不安になると本当に飯が喉を通らなくなるんだと分かったことくらいでした。

霧か霞かに包まれたような、どうにかしないといけないのに、どうしたらいいか分からないという歯がゆい状況に情熱の炎など湧いてこず、逆にすっかり気が滅入ってしまいました。

これが最初の3ヶ月の状況でした。

師匠とトンカツを食べながら不安を洗い出した日

そんな私の状況を知ってか知らずか、ある日突然に我が師からランチのお誘いメールが届きました。「師」なんて呼んだら師はきっと「吾輩は弟子なんぞとった覚えは無いぞ小僧!」と怒られてしまうでしょうから紹介は省きますが、とにかく彼と一対一でじっくり話す機会はほとんど無かったので驚きました。

ランチの当日、師はすべてお見通しのように私にこう言いました。

「ガッハッハ!随分と調子が良さそうじゃねぇか小僧!いいか、そのシケたツラの正体を教えてやる。それはな、貴様がいま仲良くダンスしてる不安そのものじゃあねぇぞ。問題なのはな、貴様の態度だ!いいか小僧、その紙っきれにいま一番不安に思っていることを10個書き出してみろ!俺は気が短けぇからな、そう長くは待たんぞ。」

私は焦ってノートを開いて、自分がいま一番不安に思っていたことを書き出しはじめました。いまの自分に不安なんて無限にあると思っていました。それが、1つか2つ書き出してみてすぐに筆が止まりました。具体的な単語が出てこないのです。それから、自分でも驚くくらい筆が進みませんでした。師はニヤリとして言いました。

「ハッハ!分かったか小僧!それが貴様の動きを鈍らせている正体よ!不安は問題じゃあない!不安をどう克服するかも問題じゃあない!一番の問題はな、不安を明確にしようとしないところにある!いいか、不安ってのはな、目を背けたらもっと恐ろしくなるものぞ!目を背ければ背けるほどにな!」

私はハッとして、それからウンウンと悩みながら不安を10個、どうにか書き出しました。そんな私を見て師はまた言いました。

「フンッ!いいか小僧!その10個の不安を胸に刻み込めい!小難しいことは考えんでいい。とにかく、その10個の不安を突破することに集中しろ!それが、今の貴様のゴールよ!」

10個の不安を書きだしたその日、それだけでも随分と気が楽になったのを覚えています。

不安と真正面から対峙して目標に切り替える

私は自宅に帰ってから、師の言うとおり不安から目を背けないようにと10個の不安を1つ1つ付箋に書き写し、いつでも見えるように壁に張り出しました。それが以下の画像です。

失礼しました。これはその5日後くらいにあったハロウィンのときの画像でした。正しくはこちらの画像です。一番上に10枚並んでいる正方形の付箋が10の不安を転記したもので、そのしたに並んでいるものは不安を突破するためのアイデアを書き足したものです。

あれから約2年が経ちました。勘の良いあなたなら、私が冒頭で脱サラに成功したと断言した理由はもうお分かりでしょう。2年後のいま師とともに洗いだした10の不安をすべて並べてみて、不安をすべて突破できたのだと分かったからです。

10の不安はランチの場で焦って書きだしたものですから、重複などを整理してこの10の不安を以下7つの不安に再整理しました。それが以下です。

  • 1.無償で請け負った仕事が育たなかったらどうしよう?
  • 2.出版などお金になる企画が通らなかったらどうしよう?
  • 3.ブログの愛読者が増えなかったらどうしよう?
  • 4.人が私の商品にお金を払ってくれなかったらどうしよう?
  • 5.生活できるだけのお金も稼げなかったらどうしよう?
  • 6.大好きなことに割く時間がとれなくなったらどうしよう?
  • 7.個人事業主を続けられなくなったらどうしよう?

これから、この7つの不安について、私が いかにして不安を突破できたのかを連載で1つ1つ説明していきます。もう良い時間ですから、今日はここまでとしましょう。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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