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私の愛しいアップルパイへ
私が脱サラ直後にかかえていた不安は先ほどお話したとおり7つありました。
次は第四の不安である「人が私の商品にお金を払ってくれなかったらどうしよう?」を私がいかにして突破したかに入っていきましょう。
- 1.無償で請け負った仕事が育たなかったらどうしよう?
- 2.出版などお金になる企画が通らなかったらどうしよう?
- 3.ブログの愛読者が増えなかったらどうしよう?
- 4.人が私の商品にお金を払ってくれなかったらどうしよう?
- 5.生活できるだけのお金も稼げなかったらどうしよう?
- 6.大好きなことに割く時間がとれなくなったらどうしよう?
- 7.個人事業主を続けられなくなったらどうしよう?
サラリーマンの後遺症「お金を稼ぐのが怖い病」
6年半サラリーマンを続けてから脱サラした私は、すぐに1つの後遺症に悩まされることになりました。「お金を稼ぐのが怖い病」です。
最初は自分でも何を言っているかわかりませんでした。「お金を稼ぐのが怖い」だなんて。普通は「お金を稼ぐのは嬉しい」か「お金を失うのは怖い」じゃありませんか。でも私の場合は違いました。「お金を稼ぐのが怖い」。ガッデム!
考えてみれば、私はそれまで一度たりともお金を稼ぐことに直接責任を請け負ったことが無かったのです。自分がどれだけの価値を生んで、どれだけの金額を受け取るべきなのか。高校生の頃にレストランでバイトしていたときも、サラリーマン生活を続けていたときも、会社によってこの責任から巧妙に守られていました。
それまでの私は、自分の仕事の価値なんて真面目に考えたことはなく、ただ自分の時間を切り売りするようにして働いていたのです。「さぁ、何をして欲しいか言ってくれ!さもなくば早く帰らせてくれ!」って。それで、いざ自分の名前でお金を稼ぐことになったら得体のしれない恐怖に襲われたのです。
講演でも執筆でもなんでも、私はいくら受け取っても良いのか、本当に金額に見合った働きができたのか、確信が持てず苦悩しました。まさに「お金を稼ぐのが怖い病」です。
あなたにとって私の価値は何円なのか?
それから「お金を稼ぐのが怖い病」を治療するための戦いが始まりました。着々と貯金が減っていく焦りもあり、実に歯がゆい日々でした。
最初は、いままで自分が蚊の様に狡猾に”お金を稼ぐ恐怖”から逃げ回って来たことを自覚するたび嫌になりました。サラリーマン時代に限らず脱サラ直後も、チームを作ることでお金を稼ぐことに対する責任を分散しようとしたり、非営利目的という心地良い言い訳に逃げこんだり、「限られた時間と労力の中でベストを尽くした」と問題をすり替えたりすることで、実に巧妙に問題から逃げまわってきたのです。
私は責任を回避しようとするのではなく、あなたにいくらの価値を提供しているかという問題と真摯に向き合わなければならなかったのです。それが「お金を稼ぐのが怖い病」を治療するための突破口でした。
価格に悩むより、お金に変えられない価値を提供する
「商品の値段なんて、自分がどれだけお金が欲しいかから逆算して直感的に決めれば良い」などと嘯く本を何冊も読みましたが、私は一向に納得できませんでした。
私はマンションの片隅で、真っ白い壁に付箋を貼りながら自問自答しました。「私の値段はいくらなのか?」
1時間講演したら8,000円なのか、5,000円なのか、はたまた4,200円なのか。それは聴衆の数によって左右されるのか。他に近いことをやっている人の値付けを真似すべきなのか。考えれば考えるほどズブズブと沼に嵌り込む気がしました。こんな問題で足踏みしている私は愚か者なのかも?と焦ることもありました。
壁が付箋でいっぱいになった頃、ついに納得のいく答えが見え始めました。それはこうです。
「私の値段などは大した問題でなく、最も重要なのは私がお金に変えられない何かを提供していることである」
問題の本質は価格ではなく、お金に変えられない価値を提供すること。それが「お金を稼ぐのが怖い病」を治療する最良の道であると結論づけました。当時、ようやく出口が見え始めて心底ホッとしたのを覚えています。
自分の価値は自分の心に聴け!
では、私が提供できる「お金に変えられない価値」とは何なのか?答えが眠る場所は直感的に分かっていました。この手の問題は書籍や旅行やセミナーなど、外部を探しに行っても無駄です。答えは自分の内部を深堀りする以外にありません。
私はいくつかの方法で自分自身の探求を始めましたが、答えにたどり着くまでに長い時間は必要ありませんでした。なぜなら、なんとも感慨深いことに、答えはすべてこの愛すべきブログに記されていたからです。この愛すべきブログに記された夢見るリアリストの軌跡の1つ1つが、私の内に宿るお金に変えることのできない何かを照らしていました。
ここで見つけた私の答えを説明して今日の話を終わりにしましょう。
私があなたに提供するお金に変えられない価値とは「自分の大好きなことに没頭する道」です。人は誰でもこの瞬間にだけ、自分の実力を100%発揮することができ、それによって幸福と心の平安と成功を同時に得られると私は確信しているからです。それは、幼い頃からの自分の夢を安易に放り投げて、失意の中で生き続けてきた私だからこそ深く理解できることでした。
では、これをどうやって伝えるのか?これも答えに辿り着くまでに長い時間は必要ありませんでした。私は、人を動かすには説得するより模範になることの方が効果的だと分かっていたからです。私自身が自分の大好きなことに没頭することで、私自身が諦めきれない夢へと向かう最後の悪あがきを見せることで、あなたもまた動き出してくれるでしょう。それはあなたにとってお金に変えられないものになると確信しています。
心の中で煮えたぎるこの情熱のマグマに集中しはじめた私は、もうお金を稼ぐことやその値段について悩むことはありませんでした。
結論をまとめます。
第四の不安:人が私の商品にお金を払ってくれなかったらどうしよう?
第四の不安の突破口
- 人にどれだけの価値を提供できるかという問題から逃げず真摯に向き合う
- 問題の本質は値段ではなく、お金に変えられない何かを提供することである
- 自分の価値は自分の内部を深堀りする以外にない
- 人を動かすには必死に説得しようとするより、自ら模範になることで価値を提供する
かくして第四の不安は私の前に崩れ去ったのです。
貴下の従順なる下僕 松崎より