脱サラしてフリーランスになると決めたら最初にやるべき5つのこと

私の愛しいアップルパイへ

2012年にサラリーマンを辞め、フリーランスになってから6年が経ちます。現在は法人化も行い、最高のメンバーとチームを組み、事業の大きな柱も固まってきました。が、最初はお金が稼げず貯金が尽きて実家に戻るなど紆余曲折ありました。

あなたにはそんな回り道をして欲しくありませんから、私がいま振り返ってフリーランスになると決めたら最初にやるべきだったなと感じていることを整理します。内緒ですよ。

脱サラしてフリーランスになると決めたら最初にやるべき5つのこと

1.ロールモデルを探す

まずもって最初にオススメしたいのは、ロールモデルを探すことです。これは自分の理想としている働き方を現実的な方法で実現している人を探すことです。

すでに実際に理想を実現している人がいれば、その人のやり方を直接見て学べます。これは本を読んだり理想を描いたり市場を分析したりするよりずっと多くの知恵を授けてくれるでしょう。

実際、私はロールモデルとした方を観察しながら、どのようなビジネスモデルなのか、どのように一日を生活しているのか、キャッシュポイントはどこか、どのような価値観を持っているのか蚊のように狡猾に観察していました。これによって得た知見が現在の事業の基本的な構想になっています。

ロールモデルとする方はできれば直接会って話せる方が理想です。そのためにコンタクトをとってみたり、その方のサービスを受けながら少しずつ距離を縮めていくのも良いでしょう。これはフリーランスにとって最高の投資の1つとなるはずです。

2.自分の才能や価値観を深掘りする

フリーランスのよくある失敗パターンはトレンドを追って市場にマッチしたサービスを出そうとすることです。AIが流行っているから機械学習について学ぶ、Instagramは儲かるらしいからInstagramでインフルエンサーを目指すなどのやり方は最悪です。

同じくよくある失敗パターンは現在のフリーランスの実態について調べて自分の働き方の参考にすることです。例えばサービスの価格を相場に合わせるとか、フリーランスの平均的な時給をもとにサービスを設計するとかいったやり方は最悪です。

まさに私は最初にトレンドやフリーランスの実態などの情報に踊らされて失敗しました。ようやく軌道に乗り始めたのは、壁一面に数えきれない付箋を貼りながら自分が何を考え何を望んでいるかについて冷静に考え始めたときからでした。

フリーランスに求められるのは、自分のサービスの価値を外部に求めるのではなく、内部から掘り起こすことです。そのためにやるべきは市場やターゲットや競合の分析などよりも先に、自分の才能や価値観についてよく知っておくことです。

フリーランスにとっての最高の知識とは「自分についての知識」です。自分は何が好きなのか。何をやっているときに時間を忘れるのか。どんな価値観を重要視しているのか。間違いなく才能と呼べるものはなんなのか。

こういった自分の知識を深めて自分だけの唯一無二の職業を作りましょう。これに比べれば現在のトレンドやフリーランスの実態など外部の情報はさほど重要ではありません。

3.夢や興味を共有できるコミュニティに所属する

フリーランスというと自分一人で自由に働くことをイメージする人が多いかもしれません。また、自分一人で世渡りするのは自立できてるように見えてかっこよく見えるかも知れません。

しかし、私の知るうまく言っているフリーランスは口を揃えて「いかに自分一人では無力かを痛感し、いかに良いチームを築けるかこそが鍵だ」と言っています。私もそう痛感しています。

実際私は最初こそ自分だけで仕事が完結できる自由さや柔軟さに憧れていました。しかし、本当の意味で自由かつ柔軟になれたのは一緒に事業を行う信頼できるメンバー」が広がってからでした。

いきなり信頼できるチームを築くのは大変かもしれませんが、自分の夢や理想を応援してくれるような、気のあうコミュニティに属しておくことをオススメします。フリーランスは会社のように契約でつながる人間関係がありません。その代わりに興味でつながる人間関係が重要になってくるのです。

4.ビジネスモデルの知識を増やす

フリーランスになって大きな失敗の元になるのは、貯金でリスクヘッジしようとすることです。一定の貯金をして仕事がなくなっても半年〜一年生きられることで安心感を得ようとするのです。

しかし、フリーランスになって自らの事業で生計を立てようとしたときに、この考えは大きな足かせになります。基本的にフリーランスで利益を上げるために必要なのは、利益を再投資することだからです。

得た利益を再投資しようとせず、お金を循環させようとしなかった場合、事業を育てるのはえらく困難かつ非効率になります。再投資が苦手で貯金に回そうとしたら、結果的にジリ貧になって行くでしょう。ですから貯金ではなく、キャッシュフローを考えることが大切です。

そのために重要なのは「何を売るか」だけではなく「どう売るか」についての知識、つまりビジネスモデルの引き出しを増やしておくことが重要です。

私自身、独立してすぐはビジネスモデルに関する引き出しが貧弱で「物を売る」くらいしかやり方しか知りませんでした。その間は利益を上げるために我武者羅に働くしかなくジリ貧の生活でした。

その後、ロールモデルの方を参考にしつつビジネスモデルの知識を増やし、どこをキャッシュポイントにしてどこに再投資するかの流れを整えていきました。現代はテクノロジーが発展し、個人でも多くの選択肢が取れるようになってきました。あなたがどんなことを仕事にするのであれば、最適なビジネスモデルを選択すれば食いっぱぐれることはないはずです。

安易に「自分の好きなものはなかなか売れない…」などと思わず、効果的に売る方法は必ずあるはずですからクリエイティブな解決策を模索し続けましょう。

5.とりあえず何か1つ売ってみる

多くの人にとってフリーランスになって最初のハードルとなるのはお金を稼ぐ恐怖です。特にサラリーマンから独立した人は本当の意味で自分の名前で稼ぐ経験がないために、自らのサービスに値付けができずになかなかお金を稼げない状況に陥ることも少なくありません。

多くの人は小さな頃から、借金で人生を棒に降った人の話や、お金の貸し借りによって人間関係が壊れた話を聞いて、お金に対するネガティブなイメージを形成しています。「お金は怖い」「お金を稼ぐのは危険だ」「お金はトラブルの元」といった観念が無意識のうちに刷り込まれており、これがフリーランスになってから大きな足かせになるのです。

かくいう私も独立した直後に、自分のサービスにどれほどの金額をつければいいのかという答えなき問いに悩み、身動きが取れずに苦しみました。詐欺だと言われたらどうしよう、守銭奴だと思われたらどうしよう、お金を受け取って人間関係が悪化したらどうしよう。こういった不安と向き合うのに時間がかかりました。

これを突破しようと思ったら自分の商品に値付けをして売る経験を何回も経験することです。そうすることで慣れていくしかありません。

まずは安い金額でもいいです。ワンコインのサービスなどを作って売ってみましょう。その場合、お金を受け取る訓練でもありますから、無料で提供することは辞めましょう。商品やサービスを売る経験を積み重ねてお金に関するネガティブなイメージを払拭していくこと。これはフリーランスになって最初に取り組むべきことの1つです。

自分の無限の可能性を解放しよう!

フリーランスの失敗ルートの1つは「正解を探すこと」だと思っています。「正解」などというものは言うなれば空中楼閣とか金持ちが建てた最後の豪邸のようなもので、そんなものを探そうとすれば冬の嵐のなかに飛び込むような現実の厳しさにさらされることになるでしょう。

正解を探すのではなく、ただ自分の道を進んで行くだけです。それは時に失敗と言われているルートを通る必要もあります。

最悪なのは、正解を探すあまり失敗しない方法ばかり追ってしまい、挙句には縮こまってしまって身動きが取れなくなることです。こうなってしまってはうまくいくはずがありません。これは私が最初に陥った失敗でした。

▼私が独立してフリーランスになるうえで抱えていた不安を突破した方法については以下の連載に凝縮しておりますので、こちらも参考にしてみてください。きっとあなたになら弦楽器の伴奏の上で自由に飛び回るフルートの音色のように甘美に響くことでしょう。

無計画に脱サラしたら襲ってきた7つの不安を突破できたときの話〜(1)不安と対峙するまで〜

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。