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私の愛しいアップルパイへ
私が脱サラ直後にかかえていた不安は先ほどお話したとおり7つありました。
今日はついに最後の不安である「個人事業主を続けられなくなったらどうしよう?」を私がいかにして突破したかに入っていきましょう。
- 1.無償で請け負った仕事が育たなかったらどうしよう?
- 2.出版などお金になる企画が通らなかったらどうしよう?
- 3.ブログの愛読者が増えなかったらどうしよう?
- 4.人が私の商品にお金を払ってくれなかったらどうしよう?
- 5.生活できるだけのお金も稼げなかったらどうしよう?
- 6.大好きなことに割く時間がとれなくなったらどうしよう?
- 7.個人事業主を続けられなくなったらどうしよう?
一度脱サラしてから会社に戻るのは負けなのか
私のことを蛇のように抜け目ない人間だと思っているあなたは驚くかもしれませんが、脱サラした直後の私の頭の中には「会社は不自由で、フリーランスは自由」という安直な図式ができていました。
私がサラリーマン生活に不自由さを感じていた理由は主に2つありました。
- 会社に収入が依存しており、生活を握られている状態である
- 自分の信念や情熱に沿わなくても、会社に与えられた仕事をこなさなければならない
そのため、もしもう一度会社に属することになるとしたら、それは個人事業主として立ち行かなくなったときのみであると決めていました。大見得切って会社を辞めたので、出戻るようなことは避けたいなんて虚栄心も少しはありました。
脱サラしてから働くことについて学んで成長していくうちに、この考え方は徐々に変化していくことになります。
チームがなければ大きな成果は得られない
私は自力でどうにか頑張るんだとトラックの如く突進して、成功と失敗を繰り返す中で2つのことを痛烈に実感しました。
1つは、自分ひとりでは仕事量的にも時間的にもすぐに限界がきてしまうこと。
もう1つは、他人は自分が思っているよりもずっと優れており、ほとんどのことは自分でやるより他人のほうがうまくできるということです。
私は様々な仕事を進めれば進めるほど、チームの力がいかに偉大であるか思い知らされました。
当初は「一人で出来ることは極力一人でやろう」と考えていましたが、少しずつ「他人に任せられることは進んで他人にお願いしよう」という方針に切り替わっていました。
高次の一貫性があれば働き方なんてなんでも良い
「フリーランスになるのは良いことなのか?」
私は不満のうちに過ごした会社員時代と、自分の小ささを自覚した脱サラ時代の2つを経験して、どんな働き方をするかはさほど重要なことではないことに気づきました。
組織に属するのか、フリーランスになるのかをはじめ、給料や待遇や福利厚生、人事制度なんていう表面的なことは、私が思っていたよりも実にちっぽけな要素でした。
それよりもずっと大切なのは、「自分はいま意義のある人生を歩いているんだ」と確信できる高いレベルでの一貫性です。
どんな仕事をいくつ抱えていようが、この点で一貫性を保てていることが魂の第一配列になります。サラリーマンだろうが炭鉱夫だろうが物乞いだろうが一緒です。
理想とする世界へ向けて、諦めきれない夢に向けて、毎日一歩一歩でも着実に進んでいるという自覚は、情熱の炎に火をつけてくれ、人生に素晴らしいパワーを与えてくれます。
それに比べればフリーランスかどうかなんて、なんとちっぽけな悩みでしょうか!
生活が安定するにつれて積極的にチーム化を進めていった
もはや個人事業主を続けることにこだわりがなくなった私は、仕事が安定していくにつれて積極的にチーム化を進めるようになりました。
イカした紳士が居れば共同で仕事をしたり、支援を申し出てくれた貴婦人には仕事の一部をお願いしたり、逆に支援したいと思えるカウボーイには力を貸すようになりました。
自らの理想に沿うのであれば、会社に属することも厭わなくなりました。実際、仕事が軌道に乗ってきたのを見計らって「ワールドスケープ」という最高にクレイジーな会社と一緒に仕事をはじめました。
彼らの「実力あるアーティストが公正に、経済的に評価される世界を作る」というミッションに共鳴し、時代遅れとなった音楽業界に喝を入れることに意義を感じたからです。今では個人の活動と並行して、この会社でCTO(最高技術責任者)をつとめています。
気づいたときには、フリーランスかどうかなんてこだわりはまったく無くなっていました。
結論をまとめます。
第七の不安:個人事業主を続けられなくなったらどうしよう?
第七の不安の突破口
- 会社は不自由で、フリーランスは自由という極論から抜け出す
- 自分ひとりで頑張ろうとするより、チームの偉大な力を活用する
- 表面的な労働環境より、意義深い仕事であることを優先する
- 他人と依存関係を持つことを恐れず、積極的にチーム化してみる
かくして第七の不安は私の前に崩れ去ったのです。
貴下の従順なる下僕 松崎より