jMatsuzakiの次なるチャレンジについて~(5)一万時間の法則

カテゴリ: 一万時間の法則

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私の愛しいアップルパイへ

▼これからの戦略を練るうえでどこにフォーカスを当てるべきかについては、以下でお話したとおりです。

「今はこれをやっていて当たり前なのだ」「かけがえのない今日を無駄にするな」。このような危機感を良い原動力として音楽活動に紐付けるにはどうすればいいのか?必要なことと好きなことを一致するにはどうすればいいのか?

このとき、考えを巡らすなかでふと思い出したのは「一万時間の法則」でした。

天才を創り出す一万時間の法則

一万時間の法則とは、マルコム・グラッドウェル氏が著書「Outliers」(邦題:天才!成功する人々の法則)で提唱した法則です。詳細は以下の記事をお読みいただければと思いますが、複数の分野の超一流を調べた結果、その分野に一万時間を捧げたかどうかが成功の重要な要素になっていたという法則です。

本書は天才に必要なのは生まれつきの才能ではなく、予測しがたい様々な好機であり、誰にでもその扉は開かられているということを主張した本です。本書の鍵となる概念が「一万時間の法則」です。

情熱を燃やす分野で孤独に努力を重ね、あるとき時代がそれを必要としたときにはすでに彼らは一万時間の法則をクリアしている。結果、逆境が好機に変わり、桁外れの存在になるってわけです。

本書は(邦題がダサかったので)買ってからざっと読んだだけの本だったのですが、この機会にじっくりと舐め回すように読み返しました。この本の本当に面白いところは、自分が志す分野で一万時間の法則が本当に正しく機能するのかは誰にもわからないということです。

ですから、こう考えることにしました。

「ふぅん。君が何を言いたいかわかったよマルコム。一万時間の法則が正しいかどうかは別としても、面白いことが待っていることは違いないし、可能性の扉が目の前に開かれてるのならやってみない手はないって言いたいんだろ?いいだろう。君の一万時間の法則を鵜呑みにして、それが本当に正しいか自分の身を持って確認してみることにしよう!一万時間の法則を知っている人は何人もいたけど、実際にやってみたって人は一人もいなかったしね!」

夢と希望と未来しか目に入らない私らしい発想だったと思います。

一万時間の法則自体が桁外れの結果である

喜びもつかの間、大理石像の如く冷徹になって考えれば誰でもわかりますが、この一万時間の法則ってやつは何かを言っているようでいて実は何も言っていない法則でもあります。

桁外れの結果を出すために途方もない努力が必要なのは、一万時間の法則を持ち出すまでもなくわかっていることです。ある分野に一万時間捧げると桁外れの結果につながるというよりは、そもそも一万時間も1つの分野に没頭できること自体が桁外れの結果でしょう。一万時間ってのは毎日3時間で10年かかる計算ですから。

どうやって一万時間もの膨大な時間を捧げる環境を作り出したのか?一万時間のなかでどのような訓練を積み重ねたのか?といった重要な問いが宙ぶらりんになっています。

▼これは一万時間の法則に対して様々な批判が出ているとおりです。

桁外れの結果を出すためにはどうすればいいのか?そうだ一万時間の法則を試してみよう!しかし、そもそも一万時間も1つのことに没頭するにはどうすればいいのか?一万時間もなにに注ぎ込めばいいのか?というか、それ自体が桁外れの結果じゃないか!?ってな具合です。

一万時間の法則は明らかに何らかの危機感が機能していなければ達成できない数字ですから、結局はスタート時点に戻ってしまいます。モーツァルトは明らかに父であるレオポルトのプレッシャーにやられてましたし、ビートルズのハンブルグ巡業もお金をもらってやる仕事という体でなければあれほどの時間は割けなかったでしょう。

「一万時間」ってのはあくまで分かりやすい指標としてのみうまく機能するでしょう。

一万時間の法則を実現するための方法

一万時間の法則を知っていたかどうかは別として、結果的にこの法則を達成した人は数え切れないほど居るはずですから、誰かが達成できたのなら私にもできるはずです。

そういうわけで、一万時間も1つの分野に時間を捧げられるほどの使命感と危機感を醸成するにはどうすればいいのか?という方向で戦略を固めていくことにしました。この時期、ヴィジョンが少し具体化して随分気分がスッキリしたのを覚えています。

ここからはさらに「一万時間の法則」がレンガの壁の突破口として重要なキーワードになってきます。「一万時間の法則」を広めたのはマルコム・グラッドウェル氏ですが、その実験の根拠となった実験を行った心理学者のアンダース・エリクソン教授が一万時間の法則の中身についてさらに詳しく論じているからです。

明日からはこの連載のタイトルにもなっているチャレンジの中身について少しずつお話していきましょう。

貴下の従順なる下僕 松崎より

▼ネクストッ!

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