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私の愛しいアップルパイへ
1986年3月11日に生まれた私めjMatsuzakiは、本日34歳になりました。ありがとうございます。ありがとうございます。そんなに祝ってもらえるとは思いませんでした。今日こうしてあなたと対話しながら誕生日を迎えられることを心から嬉しく思います。
24歳になろうと34歳になろうと44歳になろうと、私って人間は口を開けば夢、希望、未来ってなものですから、今日も相変わらず夢についてお話ししようと思います。
思い返してみると、今から10年前、24歳の誕生日というのはまったく冴えないものでした。音楽家になるという夢や目標がありながら、不本意ながらシステムエンジニアとして順調にキャリアを築いてしまった私は、夢へと向かう行動を起こすことができず、そのことに対する自己嫌悪の積み重ねによって夢や目標について考えること自体が嫌に感じる始末でした。
私はいつか決定的な日がやってくるはずだという無根拠で都合の良い妄想に溺れ、その期待が裏切られ続けている現状に鬱屈としていました。
かような生活から抜け出すにあたって、決定的な出来事になったのはなんだったのでしょうか。それはほんの些細な発見でした。発見というより諦念に近いものだったかも知れません。
それは、信念と行動の関係についてです。
私は長らく、確固たる信念が確固たる行動を引き起こすとばかり考えていました。確固たる信念がライアン二等兵を助け出したのだし、確固たる信念がワイアット・アープに勝利をもたらしたのではありませんか!
確固たる信念が行動を促進するのであり、もし行動が自然に生まれないのであれば、信念が弱いのだとばかり考えていました。ですから私は確固たる信念を形成するために、ゴードン・ゲッコーに学び、バーンズ軍曹に学んだのでした。
私は10年前にこの信念の取り扱いについて疑ってみることにしました。それはほんの些細な、しかし決定的な出来事であり、宇宙の第一運動にもなるものでした。
確固たる信念が行動を生むのではなく、行動が確固たる信念を形成すると考えることにしたのです。
まずは嫌々でも、ビクつきながらでも手をつけてみる。それを明日もやってみる。それを日課にしてみる。そのプロセスの中で自分に対して抱いているイメージが変わっていく。気づいたら、自分はそれをやる人間であるという信念が形成される。こういった具合です。
当時、これはちょっとした思いつきであり、ちょっとした実験でした。しかし、この実験が全てを変えてしまいました。
一年以上起動していなかった作曲マシンを立ち上げてみる。夢をブログで宣言してみる。生活に規律を生むため早起きをしてみる。尊敬できる人に会いに行ってみる。いつか読もうと思っていたた本を読み始めてみる。
無論、私はワイアット・アープにも、ゴードン・ゲッコーにも、バーンズ軍曹にもほど遠い存在でした。内心では「空が落ちてくる!」と怖がるチキン・リトルのように行動していました。
依然として将来に対する不安と恐怖があり、自己嫌悪があり、過去を後悔してクヨクヨしていました。信念なんぞあろうはずもありませんでしたが、一点、それまでとは大きく異なる点がありました。確固たる信念が行動を生むのではなく、行動が確固たる信念を形成すると仮定していたことです。
バットマンも言ってました。心は見えない。行動こそが人間の価値を決めるのだって。
この諦念ともとれるちょっとした発想の転換は、その後の人生の全てを変えてしまいました。
そして不思議なことにこの10年のうちに、いつしかこれ自体が私の主要な仕事の1つになっていました。人があるがままに望む自分自身になるべく、怖がりながらでも行動してみる手助けをすることです。
それが私がいま提供しているタスク管理であり、時間管理であり、オンラインコミュニティなのです。
10年経って、不本意な選択ではなく自ら未来を選択したのだとあなたの前で胸を張って語れることを心底誇りに思います。
これからもお互いダイハードな夢想家として、共に歩んでいきましょう。
金色の太陽の光が差し込むベルリンの自室にて。
貴下の従順なる下僕 松崎より