目標設定に併せてこの5つのことを決めると推進力が段違いになる

カテゴリ: 目標を達成する

私の愛しいアップルパイへ

なにを隠そう私という人間こそ、理想を立てては挫折を繰り返して、いつしか目標を立てること自体が嫌になる類の人間でした。

とはいえ、そこで諦めないのが私の良いところです。今は四半期に一回これから3ヶ月の目標を設定し、そこに向かってトラックの如く突進していくというサイクルを回しています。

これが最初は手探りでなかなかうまくいかなかったり、目標を設定したものの形だけのものになっていつしかすっかり忘れてしまったりといったことの繰り返しでした。

最近になってようやくこういった中期目標をうまく機能させるやり方が見えてきたのであなたにもシェアしようってわけです。ポイントは目標をただ設定するだけでなく、以下5つのポイントについても併せて決めておくことでした。

今日はこれについて詳しく解説していきましょう。何故そんなことをしてくれるのかって?それは私が紳士だからですよ。

目標設定に併せてこの5つのことを決めると推進力が段違いになる

集中することを3つ以下に絞る

最初にやるべきは目標とし集中する対象を3つ以下に絞り込むことです。最初は人間の短期記憶の限界と言われる7つと考えたこともあったのですが、これでは数が多すぎてうまく機能しなかったのです。結局、常に最優先事項として集中できる数は3つ以下ということで落ち着きました。

最初は目標として設定したい項目を数の制限なく全て書き出します。私はマインドマップを使って好きにアイデア出しします。

その後、向こう3ヶ月で目標とする対象を3つ以下になるまで絞り込みます。また、できる限り3つの目標は相互に関連しているような、近い対象であればあるほど効果的です。というのも目標を設定するのが有効なのは、集中してエネルギーを注ぎ込む対象を極限まで絞り込むことで、一点突破できるからです。ここで欲張って多くの幅広い目標を立てようとしないのが重要です。

3ヶ月という期間に落ち着いたのは、まとまったリソースを投入してある程度の結果を出せるだけの期間でありつつ、「これじゃなかったかな?」という疑念が湧き上がっても3ヶ月後には方針転換できるため柔軟ですし、その分無駄な不安に絡めとられず気楽に取り組めるからです。一貫性と柔軟性のバランスです。

なお、目標は「売上を10%上げる」とか「昇格する」とか「合計50km走る」とか、必ずしも数値目標である必要はありません。「新規サービスを最大限成長させる」とか「ランニングの習慣を作る」といったものでも良いでしょう。というのも、数値目標は明確に決められるとパワフルなのは間違いないですが、数字というのは良くも悪くも人の行動に強く影響を与え、容易に道を踏み外させるからです。

目標にふさわしい数値というのは決して自明ではありません。実際のところ、時間かけて検証する必要があるものです。中期的な目標を立てる段階において数値化された目標を特定するのは困難であることがほとんどで、また、正しい情報を持たず適当に数値化された目標を決めてしまうと後で後悔する羽目に陥ります。

安易に定量化しようとして「幸せになるために年収1億稼ぐ」などと設定すれば、「こんなはずではなかった!」と叫ぶことになります。

しかし、数値を特定しなければゴールが不明確になり、目標に対する推進力が落ちるのではないか?と賢いあなたなら当然考えるでしょう。そこで、数値目標を立てずとも目標に集中的に取り組めるように続いて以下のことを決めていきます。

日常的に付き合う人を絞る

続いては3ヶ月間の目標に向かって集中すべく、日常的に付き合う人を絞り込みます。

目標を設定し、そのために行動を加速させるために大切なのは集中することです。その上で、誰と付き合うかは何よりも大事な要素です。なぜなら、人を選ぶということは、結局のところあなたが何に集中するかを規定しているからです。

転職が目標なのに社内の人と付き合ってばかりいては目標達成は難しくなるでしょう。逆に、昇格が目標なのに地元の友人と遊んでばかりいては目標達成は難しくなります。

無論、選んだ人としかやり取りしてはいけないというわけではありません。ときにまったく新しい繋がりから目標達成に向けた新しい選択肢が舞い込んでくることもあることです。

ここでは目標に直結する人を”日常的に”付き合う人として意識して絞り込むことです。そのために定期的なミーティングや会合のいくつかを減らして、代わりにそれらの人と行う定期的なミーティングを増やしてもいいかもしれません。実際的な対人関係だけでなく、SNSと距離を置いたり、使い方を変えたりするのも有効でしょう。

代償として払うことを3つ選ぶ

3つ以下の集中する目標を選んだら、代償として払うことも3つ決めておきます。これも付き合う人を絞るのと目的は同じです。最優先事項に集中するために、最優先でないことを減らします。これは気の進まないことかもしれませんが、その分パワフルに機能します。何かに集中するということは、同時に何に集中しないかを決めることと同義だからです。

時間には限りがあります。そして、今まで形成されてきた習慣によって、私たちは毎日1分1秒残らずきっちり消費しきっています。

成功哲学の父、ナポレオン・ヒルもこう言っています。

達成したいと望むものを得るために、あなたはその代わりに何を”差し出す”のか決めること。この世界には、代償を必要としない報酬など存在しない。

巨富を築く13の条件 p.23

いま無駄だと思って続けていることなどないでしょう。その中から代償を選ぶのは難しい決断です。つい甘えて、今回は1つでいいかなどと楽な道に逃げ込みたくなります。ですから、そういった安易な決断に流れないよう3つのことを代償にすると決めています。

目標に向かって集中するということは、そのために他のリソースを割り当てること指します。そのリソースはあなた自身から捻出する必要があります。何を減らすか決めることができなければ、最終的には目標のための時間と行動と意思力が減らされることになります。

何かをやめることには、素晴らしい力が眠っています。スタンフォードの自分を変える教室によれば、意志力には「望む力」「やる力」に並んで「やらない力」があります。目標設定に関しては「望む力」と「やる力」ばかりフォーカスされがちですが、「やらない力」のパワーもあわせて活用するわけです。

代償として払うことは、自分のエネルギーを消費していることやそれが予想されることを選びます。なかでも分かりやすいのは多くの時間を費やしていることでしょう。時間の使い方の記録が取れているなら、それを眺めながら決めると良いでしょう。

私はTaskChute Cloudで仕事とプライベートの両面においてどのプロジェクトにどれだけの時間を費やしているかを1分単位で記録しているので、その中で時間を多く使っているにも関わらず、目標からは遠いものを止めることになります。

定量的に現実を直視する

目標は理想を描くことになりますが、同時に現実を直視しながら進めることは大事です。特に、現実を表す数字を定量的に計測し、チェックすることは理想へと向かう行動を後押ししてくれます。

目標に向かうには必ず何らかの問題が立ち塞がってきます。問題というやつは目を背け否認しているときにもっとも害悪に機能するものです。

目標が楽観的な空想に過ぎないものである場合、それは現実を良くするどころかむしろ悪化させてしまうことすらあります。

ガブリエル・エッティンゲン博士の研究によれば、ダイエット後の痩せた姿を思い描いていた人よりも、ネガティブなイメージを思い描いていた人の方がずっとうまくダイエットに成功できたそうです。

目標達成に向けて行動するときには、ストックデールの逆説と呼ばれる態度が相応しいでしょう。

ストックデ ールの逆説

どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。

そして同時に

それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。

「ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則」 第四章 最後には必ず勝つ by ジム・コリンズ

私は毎日のTaskChute Cloudの行動ログに加えて、目標達成に直接関係する数字と、目標達成を促進してくれる土台となる数字を毎日定量的に測定し、記録しています。

▼それは以下のようなマトリクスとして毎日参照することで、目標達成に向けてのボトルネックを定量的に可視化できるように努めています。

※クリックで拡大

時間ではなくエネルギーを管理する

目標を達成できなかった理由の筆頭といえば「時間がなかった」でしょう。目標へ向かうためには時間が必要で、気合を入れて事細かに時間を管理しようとするのはよく陥る間違いです。目標に向かうために必要なのは、大抵の場合は時間ではなくエネルギーなのですから。

時間がいくらあっても、目標に向かうやる気が足りなければ有効に使うことはできません。ほんの少しの時間しかなくても、十分なエネルギーが貯蓄されていれば、短い時間で驚くほどの集中力をもって多くのことを実現できます。

目標を現実化するのは、1日や2日で終わることではありません。数ヶ月〜数年かけて取り組んでいくものです。そのような長期間、目標に向けて自分自身を使うには時間の量ではなく、十分なエネルギー量を維持できなければとても難しいでしょう。

連休や夏休みを前にして、今回は休日を100%有意義に使おう!と決意したものの、終わってみたら「いったい何をやっていたんだろう?」と思う経験は誰しもがあるのではないでしょうか?

ジム・レーヤー氏の「メンタル・タフネス」にはこれが誠に見事に解説されています。

人は何をするにも──同僚とつきあうにも、大事な決断を下すにも、家族と過ごすにも──エネルギーを必要とする。当たり前のことのようだが、それでも私たちはしばしば、エネルギーの大切さを忘れてしまう。適切な質、適切な量、適切な強さのエネルギーを適切に注がないと、何をするにしても中途半端になってしまう。

何かを考える、感じる、行動する──すべてはエネルギーに影響を与える。人の人生を決めるのは、結局はこの世でどれだけの時間を生きたかではなく、与えられた時間のなかでどれだけのエネルギーを注ぎ込めたかということだろう。

成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス 第1章 フル・エンゲージメントとは何か

本書によれば、人間のエネルギーは「肉体」「情動」「頭脳」「精神」という大きく4つの側面によって構成されています(これはジョージ・シーハンや7つの習慣のスティーブン・R・コヴィー博士をはじめとした、数々の書籍や研究とも一致する分類です)。エネルギーというものは使い過ぎても使わな過ぎても減衰してしまいます

つまり、「肉体」「情動」「頭脳」「精神」のすべてにおいて消費と回復のバランスを取り続けることが、時間ではなくエネルギーを管理することになります。具体的なやり方は上述した「メンタル・タフネス」に詳しく書かれているので、こちらをご一読いただくことを強くお勧めします。

目標達成に向けて全力を尽くす至上の喜び

ここまで聞いて、目標達成に向けて集中することがひどくストイックで苦しい取り組みのように感じたなら、それは誤解というものです。

自らの理想を実現すべく、目標に集中し、没頭し、全神経を注ぐこと。これほどの喜びと幸福をもたらしてくれるものは他にありません。

かつてジョージ・バーナード・ショーはこう言いました。

人生における真の喜びとは、自らが偉大と認める目的のために、自分自身を使うことである

この短い一節には、この世の素晴らしい真実が凝縮されています。

私自身、このような目標達成に向けてのプロセスを(たとえ辛く苦しいときはあったとしても )自分の体にひたすら鞭をうち続ける苦役の連続などと感じたことはありません。むしろ明確な目標に向けて没頭することが、幸福の源になっています。

ぜひ今日お話ししたことが、重荷を背負って「イー、アー!」と鳴くだけのラクダになるためではなく、理想を求めて勇敢に立ち上がった獅子としての生き方を体現するために役立ったなら幸甚であります。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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