私の愛しいアップルパイへ
Zettelkastenではフォルダ分けを使わず、ノート同士をリンクしてネットワークを作ります。インターネット上のコンテンツが自然にそうなっているように、フォルダ分けによって階層化するのではなく、リンクによるネットワーク型のデータベースを構築する形です。
この時に問題になるのは抽象的なレベルで複数のノートを束ねて構造化したり、ノート群に特定の文脈を与えたい時ではないでしょうか。例えば、一冊の本の中で得た気づきを記したノート群は、本のタイトルに合わせてまとめておきたくなるでしょう。
まったく素晴らしい質問です。さすがあなただ。私はその質問を待ちわびていたのです。
ノートはフォルダではなく構造ノートで分類する
従来はこういった時のためにフォルダを活用するものですが、Zettelkastenのような有機的に成長する柔軟な知識のデータベースを構築したいのなら推奨されません。なぜならフォルダは排他的であり、ノートを固定化されたサイロ型の構造に閉じ込めてしまうため、ノートの再利用を阻害してしまうからです。
ではどうすれば良いかというと特殊なノートの種類である「構造ノート」(独:StructureZettel、英:Structure Notes)を作ることによって解決します。
構造ノートはいわば他のAtomic notesへのリンク集です。ブログでいえばまとめ記事といえます。
特定の目的や文脈をコンセプトとしたノートを作成し、そこに関連するノートのリンクを貼っていきます。その際にリンクを貼る順番を意識して並べたり、リンクの意図を言葉で補足することによってノートを構造化します。
フォルダとタグと構造ノートの違い
これならフォルダとは違ってノートは複数の構造ノートに所属することができます。また、タグとも違ってノート群にもっと意図的に説明的な構造をもたらすことができます。
賢いあなたならもうお分かりのとおり、構造ノートは少し特殊な性質を持っているものの、見方によってはAtomic notesに他なりません。ノートの書き方もAtomic notesを書くときと基本的に注意点は変わりません。
しかし、構造ノートはZettelkastenは他のノートシステムと一線を画す最重要な概念であり、ノート群を本当に第二の脳として永続的に活用できるようにするための鍵でもあります。
Atomic notesと構造ノートの組み合わせによって、フォルダによる階層分けという融通のきかない膠着した構造からついに解放され、1枚のノートをシンプルに保つと同時に、柔軟にノートを再利用しながら、深い知恵を表現できるようになるのです。
構造ノートは本の索引のように書いても良いですし、本の目次のように書いても良いです。用途に応じて柔軟にわかりやすい形式を選択できるのも構造ノートの良さです。
▼最後に一例として、私の構造ノートの1つを掲載しておきましょう。私はブロガーらしくブログ記事のように構造ノートをまとめるのが好きです。(愛用しているアプリはObsidian)
貴下の従順なる下僕 松崎より