時間に関する読み書き能力を身につける~(8)STEP5.時間の使い方を組み替える~

Time

私の愛しいアップルパイへ

今回も前回同様にレポートをもとに実際に行動を変えていくフェーズとなります。

前回の記事では「時間の使い方を入れ替える」と題して、「やるべきこと」と「やってしまったこと」をいかにして「やりたいこと」に転換するかについて説明しました。

今回のステップでは少し視点を変え、行動の分類はそのままに実行順序を見直す方法を解説します。これは時間の使い方を組み立てなおす上で非常に重要な意味を持っています。

「やりたいこと」を中心に行動の実行順序を組み替えれば、自然と「やりたいこと」に割ける時間も増えてくるからです。

▼連載記事一覧
(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える ←Just Now!!
(9)STEP6.継続してチューニングする ←Next!! 

何から手をつけるかが大きな流れを作っている

時間の使い方を考える上で、”何から手をつけるか”は大きな鍵を握っています。

何から手をつけるかを決めるその瞬間は些細なことに感じるかも知れません。しかし一歩引いて生活を俯瞰的に見たとき、その小さな決断が人生に大きな流れを作っていることが分かります。

最初は何から手をつけても変わらないように見えるかも知れません。やることは一定なのだから結果は変わらない、と。

しかし、いま大理石像の如く冷徹にこの記事を読んでいるあなたなら、その考えは間違っていると容易に分かるでしょう。私たちは一生をかけても、とても全てやり切れないほどの仕事を抱えているからです。

仕事にも家庭にも健康にも社会にも数多くの責任を負っています。何かを選択するということは、他の何かを切り捨てることと同義なのです。

そんな中、何も考えもなく行動を選択していると、”期限のある仕事”と”自分以外の誰かに関係のある仕事”を優先しがちになってしまうでしょう。長期的に見て大きな価値のあるあなた個人の”やりたいこと”は、どんどん埋もれて行ってしまうのです。

「やりたいこと」を優先すれば、「やるべきこと」や「やってしまったこと」の時間は減るでしょう。逆に、「やるべきこと」や「やってしまったこと」を優先すれば、「やりたいこと」の時間は減ってしまうでしょう。

どの順番で行動するかに注意を払うことは、時間の使い方を考えるうえで決定的な差を生むのです。

時間の使い方を組み替える3つのポイント

このステップでは、日々の行動パターンから最も自然で無理なく「やりたいこと」に集中できる時間を模索していきます。

どんな風に修正していくかは、「STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる」で作成した日々のレポートがネタになります。

これを「STEP4.時間の使い方を入れ替える 」と同様に1週間分くらいを目安に振り返り、「NextAction」を決めていくんです。

特に注意して欲しいポイントが3つありますので、参考として下さい。

1.重要度の高いものから着手する

このステップの鉄則は至ってシンプルです。

「重要度の高いものから着手する」

重要かどうかは、長期的に見て価値がある「やりたいこと」かどうかです。これがこの世界を牛耳る法則です。この鉄則をどこまで守り抜けるかで大きく成果が変わってきます。

もちろん、やむを得えない事情があって緊急事項の「やるべきこと」を優先しないといけないこともあるでしょう。

しかし、セオリーは”重要度の高いものから着手する”です。これを理解し、心掛けるだけでも大きく変わるはずです。

一日のはじまりも、週のはじまりも、最初に何から手をつけるかどうかは、重要かどうか、やりたいかどうかです。行動を重要度で並べ替えて、上から順に着手する。これが自然に実践できればGreeeeeat!

例えば、かつての私がそうだったように、“会社に行くよりも先に、会社に行くより大事なことに着手する”ことを毎日徹底するだけでも、大きな変化を得られる人は多いでしょう。

2.息継ぎのタイミングを考える

また、息継ぎのタイミングを考えることも大切です。長い時間ずっと集中し続けることはできません。どこかで息抜きが必要になるのです。

より長く高い生産性を維持するためには、その方法とタイミングを見極めることが重要になってきます。「スピードハックス 仕事術」にはこんな一節があります。

肺活量の多い人であれば、たとえば25メートルのプールを息継ぎなしに泳ぎ切ることもできるでしょう。でも、途中で息継ぎをした方がより楽に、そして長く泳ぎ続けることができるはずです。

仕事においても同様です。昼夜を問わず一定のスピードで働き続けることができる機械とは違い、私たち人間は、適度なタイミングで”息継ぎ”をしながら、すなわち休憩を取りながらの方が、仕事のスピードを維持しやすくなるのです。

スピードハックス 仕事術」P.213

1日の中で定期的に息継ぎを入れるのも大切でしょうし、1週間のうちに休憩の日を設けるのも良いかも知れません。

あなたにとって何が最適かは、日々のレポートを俯瞰的に見ることでしか分からないことです。

3.”いつかやりたいこと”に着手する隙間を作る

「やりたいこと」の中でも“いつかやりたいこと”は大抵の場合いつまで経っても放っておきがちになるので、特に注意が必要です。

多くの”いつかやりたいこと”は人からの指示がないので、どんなに重要なことでも埋もれがちになってしまうからです。

個人の活動で、かつ期限感のない”いつかやりたいこと”については、それに着手するための隙間時間を決めておくと良いでしょう。

そして、たとえ30分でも毎日欠かさず手をつけるようにすることで、結果は大きく変わってくるでしょう。

私にとって音楽の制作はまさにそういうものでした。これをどんなに忙しくとも、朝起きて最初30分は必ず音楽の制作に時間を割く様にしたことで、状況は大きく改善しました。

いきなり大きな変化を望んではいけない

行動習慣を変えるのは困難です。でも決して不可能なことではありません。

レポートから「Next Action」をあぶり出し、「(5)STEP2.現状を分析して自覚する」で作成した円グラフを確認しながら進めてください。

このグラフの素晴らしい点は、何から手をつけるかが、どれだけ時間の使い方に影響を与えるか目に見える点です。

次回はついに最後のステップとして、「継続してチューニングする」について見ていきます。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える ←Just Now!!
(9)STEP6.継続してチューニングする ←Next!! 

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