時間に関する読み書き能力を身につける~(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える~

Time

私の愛しいアップルパイへ

これまで、日々の記録から問題をあぶり出すためのレポートを作成する方法について解説してきました。ここからはレポートをもとに実際に行動を変えていくフェーズに入ります。

意識を変えるのは簡単かも知れませんが、行動を変えるのは困難です。体のうちに脈々と流れる行動習慣を変えるのは、空中に花を咲かせるより難しいかも知れません。ここは間違いなく大きな山場になるでしょう。

しかし、乗り越えれば大きな変化を実感できるはずです。ラクダが獅子に変わったかのような大きな変化です。

▼連載記事一覧
(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える ←Just Now!!
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える  ←Next!!
(9)STEP6.継続してチューニングする

日々のレポートが軸になる

どんな風に時間の使い方を変えるか、それは「STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる」で作成した日々のレポートがネタになります。

レポートが1週間分くらい溜まったら良い頃合いです。1週間は多くの人にとって習慣のサイクルが一周する単位だからです。

7枚のレポートを眺め、メスを入れる場所を大理石像の如く冷徹に見極めていきます。最優先で取り組むべき課題、そして現実的に実行可能な対策を見極めるのです。そして「Next Action」を決定します。

「Next Action」。大好きな言葉です。この世で最も素晴らしい言葉のうちの1つです。なぜなら、世界は行動に報いるからです。

時間の使い方を入れ替える3つのポイント

このステップの目的は「やるべきこと」と「やってしまったこと」を「やりたいこと」に入れ替えることです。

「やるべきこと」と「やってしまったこと」を効率化するか止めるかして、空いた時間を「やりたいこと」に充てる。もしくは、やることは変えずに「やるべきこと」と「やってしまったこと」を「やりたいこと」に転換することになります。

image

もう少し具体的にポイントを見ていきましょう。主要な対策の立て方は大きく3つあります。

1.「やってしまったこと」を入れ替える

まず着手すべきは「やってしまったこと」を止めることです。最初のうちはこれが一番大きな成果を上げることになるでしょう。様々な暇つぶしや雑談、待ち時間など、止めても支障のないものは止めてしまいましょう。

私は最初、土日についやってしまっていた昼寝を止めたことで大きな変化を得ました。

止めることが大きなストレスに繋がる場合は、”転換する”のも大きな成果を生みます。例えば、愚痴の言いあいだった飲み会の時間を、人脈作りの会に”転換する”ことが出来れば、ストレスなく「やりたいこと」に入れ替えられるはずです。

時間の使い方に磨きがかかれば、この分類はほぼ0%に近づけることができるでしょう。

2.「やるべきこと」を入れ替える

「やるべきこと」が効率化されれば、空き時間を「やりたいこと」に入れ替えることができます。また「やるべきこと」だと思ってやっていたことは実はやる必要のないことだったということも良くあります。場合によってはお金を払ってでも外部に委託するというのも手です。「やるべきこと」を減らすのは、効果の出やすい対策です。

しかし、これらのやり方には限界があるのも確かです。どんな人も、生活の中に一定数の「やるべきこと」があるものだからです。

そんなときは、「やるべきこと」は「やりたいこと」に転換することに突破口があります。トイレや入浴、通勤中に読書が出来れば、貴重なインプットの時間に転換できたことになります。昼食もランチミーティングという形にできれば、「やるべきこと」は「やりたいこと」に転換されるのです。

高度な取り組みが必要になるかも知れませんが、アイデアは無限です。ぜひ色々なアイデアを模索してみてください。

3.想定外のトラブルを予防する

もう1つ抑えて頂きたいポイントは、想定外のトラブルを予防する策を打つことです。想定外の問題や危機という「やるべきこと」が増えると、作業は非効率になりやすいですし、体力的にも精神的にも疲弊してしまいます。そうなると「やりたいこと」に集中するのは困難です。

多くのトラブルは事前に予防策を打てるはずです。緊急入院という問題は健康診断という予防策によって防げることも多いのです。

このように予防的に時間を使うやり方を会得できれば、より自由かつ柔軟に時間の使い方を組み立て直すことができるでしょう。

いきなり大きな変化を望んではいけない

「Next Action」が決まったら、それらをあなたの手帳やタスク管理システムに登録して、実際に行動に移してみましょう。その成果は「STEP2.現状を分析して自覚する」で作った円グラフの推移を見ることでいつでも確認できます。

そのときの注意ですが、行動を入れ替えるときはいきなり大きな変化を望んではいけません。一時的な成果を求めて、対症療法的なやり方をしようとすれば、いずれ必ずツケが回ってくるでしょう。

最初はうまくいかないかも知れません。ですから、毎日のレポートをベースに、自然で無理のない対策を地道に積み重ねていく必要があるのです。冬の次に春が来るように、自然な対策をです。

次回はもう1つの重要な変化である「時間の使い方を組み替える」やり方について見ていきます。

貴下の従順なる下僕 松崎より

▼連載記事一覧
(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える ←Just Now!!
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える  ←Next!!
(9)STEP6.継続してチューニングする

タスク管理マニアが高じてWebで「タスクシュート時間術」を実践できる「TaskChute Cloud」を自らの手で開発してリリースしました。 タスクシュート時間術の考案者である大橋さんから開発許可を得た公式ツールです。

▼これでタスクシュートに死角がなくなった!ご利用はこちらからどうぞ。

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。