私の愛しいアップルパイへ
前回の連載でお話した「時間の使い方を組み立て直す6つのSTEP」について、これから1つ1つやり方を解説していきます。今日はその最初のステップとして「STEP1.現状を記録しデータ化する」について見ていきましょう。
▼連載記事一覧
(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する ←Just Now!!
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する ←Next!!
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える
(9)STEP6.継続してチューニングする
記録するということ
時間の使い方を変化させるには、現状の時間の使い方を知らなければならないでしょう。現状を知らずに理想に辿り着くのは、空中に花を咲かせるより困難です。
ですから最初のステップは記録をとることになることになります。時間の使い方を組み立て直すためのデータ収集フェーズというわけです。
ただ、多くの人はこのステップを実践するだけで素晴らしい効果を体感できることでしょう。自分の行動を記録することで、自分の行動を客観的に見つめ直すことになるからです。それによって時間の使い方に関する注意力が上がるからです。
記録がもたらすパワフルな効果については「記録するだけでうまくいく」という本で詳しく解説されています。以下は食事に関して言及された部分ですが、「時間の使い方」に関してもまったく同じことが言えます。
半分眠りながら自分の食べたものを全て正確に記録するということはできないのです。それをやろうとしたら目が覚めてしまうでしょう。
この自覚が大事なのです。食べることに意識的になれば、無意識のうちに食べていたようなものは、食べなくなっていきます。
それは食べても食べなくてもよかったようなものだからです。P.102
記録していく内容
必ず記録しておいて欲しい内容は4つあります。「やったこと」「開始時間」「終了時間」「実績時間」の4つです。これであなたが何にどれだけの時間を割いているかが分かります。これらを以下の表のように記していけばOKです。
5分単位、10分単位で記録しても良いですが、出来ることなら1分単位で正確に記録していくことをオススメします。変な迷いが生じませんし、何より信頼のおけるデータでなければ、このあとのステップで立てる対策の効果が半減してしまうからです。
記録に活用できるツール
ここからは行動の記録に活用できるツールを紹介していきます。アナログでも記録は可能ですが、できることならデジタルツールに記録していく方が良いでしょう。アナログですと、次のステップでデータを集計するときにデジタルツールにデータを書き写す二度手間が発生してしまうからです。
ここではオススメのデジタルツールを3つ紹介しますので、気に入ったものを使ってみてください。もちろん他にお気に入りのツールがあるならそちらを使っていただいて結構です。
1.表計算ソフト
上記4項目の記録だけであれば、特別記録に特化したツールを使わずとも表計算ソフトで十分でしょう。Windowsであれば「Excel」がありますし、無料のオフィスソフトである「OpenOffice」を使うのも良いでしょう。「Googleドキュメント」ならプラットフォームに依存せずにWebブラウザ上で表計算ができます。
表計算ソフトの良いところは、自分の好きな通りに列を追加したり、グラフを作成できたりするところです。行動記録に特化した専用のツールを使うと、できることはツールに実装されている機能に制限されてしまうので、そうはいきません。
2.TaskChute
私が今使っているのは「TaskChute2」というツールです。TaskChute2はExcel上で動作するソフトウェアで、行動の記録だけでなくタスク管理も可能にする高機能なソフトウェアです。
最初はとっつき辛いかも知れませんが、うまく使いこなすことができれば記録以上のことができるでしょう。以下は実際に私が使っているTaskChute2の画面です。
記録することになれてきたらこのTaskChute2に挑戦してみるのも良いでしょう。また、「TaskChute2」は有料のソフトウェアですが、上記のリンク内に無償版の「TaskChute1」も提供されているので、まず試してみたいという方はそちらを使ってみてください。
3.Toggl
プラットフォームに依存せず、いつでもどこでもツールにアクセスしたいという場合には専用のクラウドサービスを使うのが良いでしょう。私はTaskChute2を使い始める前は「Toggl」というWebサービスを使っていました。
このサービスは行動の記録に特化したWebサービスで、データのエクスポートやグラフ化にも対応している優れたツールです。
また、Webブラウザからのアクセスだけでなく、iPhoneアプリやデスクトップ向けのアプリケーションなど提供されているので、様々な場所やデバイスで記録をとる必要があるとには重宝します。
タスク管理と組み合わせればさらに効果的!
行動の記録はタスク管理と非常に密接な関係にあります。同じコインの表と裏のようなものです。
この連載では掘り下げませんが、タスク管理によって事前に計画をたて、たてた計画に実行結果を記録していくようなスタイルが確立できれば、さらに高度な時間管理へと旅立てることでしょう。
この方法については以下の書籍でかなり詳しく解説されていますので、興味があれば読んでみて下さい。
次回はSTEP2として、蓄積されたデータを分析する方法を解説していきます。
貴下の従順なる下僕 松崎より
▼連載記事一覧
(1)プロローグ
(2)時間の使い方を組み立て直す6STEP
(3)STEP1.現状を記録しデータ化する ←Just Now!!
(4)不吉なため欠番
(5)STEP2.現状を分析して自覚する ←Next!!
(6)STEP3.問題をあぶり出し対策をたてる
(7)STEP4.時間の使い方を入れ替える
(8)STEP5.時間の使い方を組み替える
(9)STEP6.継続してチューニングする