私の愛しいアップルパイへ
私が初めて仕事を任された伝書鳩のように意気揚々とフィリップ・ジンバルド博士の「時間的展望」に関するTED講演の解説を行ったのはあなたもご存知の通りです。
私が高揚感とともにこのような記事を投稿したのは、第一この考え方が私の確固たる行動指針を指し示すミッション・ステートメントを作る上で素晴らしいヒントになると思ったからでした。
今日は先の記事の実践編として、適切なバランスのとれた時間的展望に基づいてミッション・ステートメントを考えつるコツ乃至は適切なバランスのとれた時間的展望を実践するコツについてお話しします。
過去・現在・未来の適切な時間的展望に基づいてミッション・ステートメントを作る
ミッション・ステートメントは自身の日々の行動指針となる最重要文書です。この文章のクオリティを高めることは日常の、ひいては人生の質を高めることと同義です。
バランスのとれた時間的展望に基づけばミッション・ステートメントの質を上げることができ、そして上質なミッション・ステートメントはバランスのとれた時間的展望を生活に取り入れるために役立つでしょう。
どうすればいいのか?良い質問です。
自分史から過去志向 – ポジティブ・フォーカス型を引き出す
ミッション・ステートメントを作り時にオススメのワークの1つが「自分史」です。これは生まれてから今までの出来事を時系列で並べたものです。
これは客観的な出来事を時系列で並べた履歴書のようなものではありません。自分史とは、過去への意味づけをし直すことです。
いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。われわれは自分の経験によるショック−いわゆるトラウマ−に苦しむのではなく、経験の中から自分にかなうものを見つけ出す。自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである
「嫌われる勇気」 第一夜 トラウマを否定せよ
つまり自分史は過去志向 – ネガティブ・フォーカス型ではなく過去志向 – ポジティブ・フォーカス型を引き出すための儀式といえます。過去志向 – ポジティブ・フォーカス型を引き出した上でミッション・ステートメントを作ることができれば、より濃密なものになるでしょう。
我がプロフィールページの中ほどに自分史を公開しておりますので、こちらもご参考にどうぞ。
日記から現在志向 – 快楽型を引き出す
ミッション・ステートメント作成中もしくは作成前は日記を書く習慣を作るのがオススメです。日記がなかなか続かないという場合でも、ミッション・ステートメント作成期間中だけでも書くようにすると良いです。せめて1週間は日記を書いて見てほしいところです。
というのも、日記は現在志向 – 快楽型を引き出すために有効に機能するからです。
ミッション・ステートメントはどうしても未来志向に偏向しがちになります。しかし、ジンバルド博士の言う通り、未来志向に偏りすぎると家族と友人との時間、楽しみや道楽の時間、趣味や睡眠、つまり健康が犠牲となり、仕事と達成と支配のために生きることになるからです。
日記を通して現在志向 – 快楽型を引き出すことができれば、片目を瞑って書いたようなミッション・ステートメントではなく、自分の本来の望み全てを引き出すことができます。
日記を通して現在志向 – 快楽型を引き出すことができれば、自分自身、場所、人々、官能を探索するエネルギーをミッション・ステートメントに吹き込むことができます。
日記の書き方に迷っているなら4行日記がオススメです。
葬式のイメージから未来志向を引き出す
7つの習慣でも紹介されているワークに「自分の葬式をイメージする」というものがあります。これは「終わりを描くことから始める」習慣の実践方法の1つです。
自らの葬式において、つまり人生の終わりにおいて誰にきて欲しいのか、そして何を言って欲しいのかをイメージすることから価値観を掘り下げるワークです。
これは「未来志向:ライフ・ゴール型」の時間的展望を引き出すのに有効に機能するでしょう。
ただし、葬式または死についてネガティブなイメージを抱いているならこのワークは相応しくないでしょう。未来に関するネガティブなイメージを引き出してしまっては意味がないので、その場合は別の方法もあります。
それは“すべてが思い通りになったとして“実現したい夢と冒険のリストを書き出してみることです。まずは100くらいを目安に出してみるといいでしょう。
バランスのとれた時間的展望を習得する
ジンバルド博士が言うには、重要なのは状況に応じて時間的展望をシフトしていく精神的な柔軟さを習得することだと言います。バランスのとれた時間的展望に基づいたミッション・ステートメントはそのための素晴らしい第一歩になるでしょう。
ちなみに、私の現在のミッション・ステートメントは以下の記事に掲載されている通りです。
なお、私が提唱している7階層式タスク管理システムはそのバランスのとれた時間的展望に基づいたミッションステートメントを基準に生活するために役立つでしょうから併せて紹介しておきます。
貴下の従順なる下僕 松崎より