Google KeepとかOneNoteとか使ったけどまだまだEvernoteだな

notepad-1383797_1280

私の愛しいアップルパイへ

メモ同期サービスってそんなに高度な機能は求められないけどニーズが多いので、大手企業による競合サービスもだいぶ出揃ってきた感があります。

そんななかEvernoteの単純な値上げニュースを見て、あなたも「おや、そろそろ脱Evernoteを検討する頃合いじゃない?」と思ったことでしょう。

特にEvernoteの競合としてよく名のあがるGoogle KeepやMicrosoft OneNoteは機能改善を進めていますし、ここらで心機一転新しいサービスに乗り換えるのも賢い選択かもしれません。そう思って他のサービスも触ってみたのですが、やはり当面はEvernote以外の選択肢はなさそうです。

Google KeepとかOneNoteとか使ったけどやっぱまだEvernoteだな

Google KeepやMicrosoft OneNoteとの詳細な比較は別途まとめるつもりですが、今日はEvernoteが他社のメモ同期サービスと比較してまだまだ優勢だなと感じる点に絞ってお話します。

ちなみに、Evernoteはプレミアム版(すべての機能が使えるプラン)じゃないと魅力が半減するので、ここではプレミアム版を前提として話しています。プレミアム版の価格についても軽く触れます。

1.外部サービスとの連携が柔軟すぎる

とにかく現時点でEvernoteが抜きん出ているのが外部サービスとの連携です。Evernoteはメモ同期サービスとしての参入もはやく、はやい段階でAPI(第三者のサービスやアプリがそのサービスと連携するために使うパーツ群)を公開していたので、この積み重ねが効いています。

iPhoneアプリでも他のWebサービスでも、Evernoteとの連携を実装しているサービスがわんさかあります。これは手間をかけずにメモを保存するために特に役立っているEvernoteの優位性です。

単純にひらめいたアイデアをテキストベースでメモするだけならいいのですが、後で必要になりそうな情報をまとめて保存しておく書庫として使うなら、Evernoteのこの優位性は捨てられません。

他のサービスも有名どころのサービスと連携しているものは多いですが、Evernoteと比べるとだいぶ見劣りします。

2.対応ファイルが多く、検索機能もとても賢い

Evernoteはメモとして保存できるファイルの種類が多様です。というより、おそらくほとんどのファイルをメモとして保存できます

ZipファイルやOfficeファイル、Webサイト(html)、音声ファイル、PDFファイル、動画ファイルなど、なんでもメモとして保存できてしまうのがEvernoteの良いところです。後で使いそうだなと思ったら気軽にEvernoteに放り込んでおけるのでストレスフリー!

またテキストエディタが意外とリッチで、フォントサイズを変えたりフォントカラーを変えたりテーブルを作ったりチェックボックスを挿入したりと簡易的なWordっぽいテキストメモが作れます。

保存したメモの検索機能もとても賢く、画像内の文字も検索対象にしてくれたり、添付したOfficeファイルやPDFファイルの中身まで検索対象にしてくれたりします。適当にファイルを放り込んでおいて、必要なときに思いついたキーワードで検索すればファイルを引っ張ってこれるため実に利便性が高いです。

Google Keepをはじめ他のサービスでは、メモとして保存できるファイルが限定されていることも多いです。これだと、ひらめきメモの保存先としては使えても、あらゆる資料のアーカイブ先としては使えません。

3.数万ノートでも実用に耐えうる

いま私のEvernoteには数万ノートが保存されていますが、さほどストレスなく使えています。もちろんEvernoteの評価としてよく言われているとおり、動作がもたついたりすることもあるのですが、数万ノート保存されていることを考えると充分がんばっているなと。

他のサービスでは試せていないのですが、はたして様々な種類のファイル形式で保存された数万のノートを保存して、実用に耐えられるサービスってあるのでしょうか。

4.他サービスと比較して価格もあまり変わらないのでは?

今回の価格改定について、Evernote プレミアム版の価格が高くなったと嘆かれていますが、課金ポイントが違うだけで実際にかかるコストは他のサービスとあまり変わらないのではと思います。

Microsoft OneNoteだとメモの保存先であるOneDriveは5GBまでは無料ですが、容量を50GB追加するたびに170円/月かかります。Google Keepも保存先のGoogleドライブは15 GBまで無料ですが、100 GBにするには$1.99/月、1 TBなら$9.99/月かかります。ちなみにEvernoteは月間アップロード容量に制限がありますが、累計の保存容量に制限はありません。

メモ同期サービスってのはユーザー数に合わせてファイルを保存するストレージを拡張していく必要があるので、サービスを完全に無料にするのは難しいのでしょう。Evernoteに限らず、高機能なメモ同期サービスを完全に無料で提供するのは現実的ではないということです。

今回の改定でEvernote無料プランの利便性が著しく下がったのは間違いないですが、もともと無料プランだとメール転送が使えなかったり、ファイル内検索が使えなかったり、月間アップロード容量が少なかったりとイマイチなので、僭越ながら申し上げさせていただくならば無料プランの利便性が著しく下がったことに目くじらを立てるほど使い込んでいるならプレミアム版にしちゃったほうがいいです。

年間5,000円ちょっとという飲み会1回分程度の価格でEvernoteの全機能を使えるなら充分ペイできますから。

Evernoteのイマイチなところ

もちろんEvernoteだってアラン・ドロンのように万能で完璧なサービスというわけではありません。Evernoteの最もイマイチな点を2つあげましょう。

1.アプリの動作が遅くて悶々とする

Evernoteに対する不評の最たるものがこれでしょう。ソフトウェアやアプリの動作が遅いってことです。

ノート数に依存するとは思いますが、数万ノートある私のアカウントでは特にiPhoneアプリのもたつきがひどく、胃がピクピクすることもあります。ただ、もちろん他のサービスでもノートの増加に比例してアプリのパフォーマンスは落ちていくので、一概にEvernoteが特別劣っているとはいえないでしょう。

これは今後の改善に期待したいところです。

2.機能改善のペースが遅くて悶々とする

最近よく言われているEvernoteの不評がこれでしょう。本質的な機能改善がなされておらず、迷走しているのではないかということです。

確かにEvernoteはあまりに手を広げすぎており、ただいま方向転換の真っ最中という感じです。ここ数年、Evernoteのメモを同期する本質的な機能において飛び上がるほど嬉しい機能追加がされた記憶はほとんどありません。これではユーザーの不満が溜まるのも無理はないという感じです。実際私もイライラしています。

ここ最近の頻繁な人事異動もEvernoteの将来に対して不安を覚えさせます。Evernoteには重要な資料が多数保存されていますので、Evernoteが突然サービス終了したり、買収されて方向性が急に変わったりしたら困ります。

ただ、公式の発表としては今後はEvernoteの中核となる機能の改善に注力していくということなので、これからの動きに期待したいところです。

当面はEvernoteの牙城は崩れなさそうだ

単なるひらめきメモの同期サービスとしてではなく、Evernoteのキャッチコピーのとおり「第二の脳」といえるほどのサービスを期待しているならEvernote以外のサービスはまだまだ貧弱という印象です。

もちろん他のサービスも今後機能改善が進んでいくのを期待していますが、当面はEvernoteからの移行は難しそうです。

▼私がEvernoteでどんな情報をどうやって保存しているかについては以下の記事で詳しく解説していますので、ご参考にどうぞ。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。