私が作曲時の「ノリ気じゃないし」「時間がないし」をいかに克服したか

Luca Giordano 「サムソンとライオン」 (1695~1696)

Luca Giordano 「サムソンとライオン」 (1695~1696)

私の愛しいアップルパイへ

 作曲だろうが何だろうが、公正な手段を使っていかに効果的に、いかに効率的に
やるべき事をこなすかというのは永遠の命題です。

そんな中でも、”与えられた時間の全てを濃密に過ごす”という事こそが
我々にとって最も重要な目的の内の一つだと言えるでしょう。

言わずもがな、時間こそ我々に与えられた一番重要な資産であるからです。
時は金なんかとは比較にならない価値を持っています。

「時は金なり」なんて諺が広く知れ渡っているのは銀行員の陰謀に違いありません。

◇「それでも私は怠ける」

私という人間は実に不可解です。

作曲がどんなに好きでも、どんなにやらないといけなくても、
人生をかなぐり捨てる覚悟があっても、
イマイチやる気が出なかったり、なんだか時間が無い気がしたりして
遅々として作業が進まない時があります。そしてちゃっかり昼寝したりする訳です。

今まで部屋を掃除してみたり、タバコを吸ってみたり止めてみたり、朝型に変えてみたり
GTDを実践してみたり、作曲に使う製品を変えてみたり、製作プロセスを変えてみたり

時間を我が物とする為にここにはとても書ききれないあらゆる手段を試してみましたが、
さほど効果はありませんでした。別の効果が出たものは、今も継続していますが、
この問題を根本から解決するものはありませんでした。

私の様に純朴で紳士で情熱的で野心的な人間でも、やる気が出ない時は出ないし、眠いときは眠い訳です。

◇「”まさに今”を記録する」

 そこで、ここ最近一ヶ月程ある事を試してみたら見事にビンゴ!
まさにBREAK ON THROUGH TO THE OTHER SIDE!!
地球の反対側でHELLO,I LOVE YOUな感じです!!!

何をしたかと言いますと、誰にでも出来るたった一つの習慣を始めただけです。
もったいぶるつもりはありません。“今”を記録し始めたのです。

内容もタイミングも実にシンプルです。ルールはたったの三つ。

  1. 作業の切れ目で
  2. 「”まさに今”何していたか」と
  3. 「”まさに今”何に着手するか」を1行で書く

拍子抜けするほどにコレだけですが、効果は抜群でした。
以下に例を書いてみましょう。

hh時mm分   起床。ウォーキング準備 開始
hh時mm分   ウォーキング準備 完了。ウォーキング 開始
hh時mm分   ウォーキング完了。作曲開始
hh時mm分   作曲終了。昼食準備 開始

こんな感じです。まったくもってシンプルでしょう。

複雑な秩序はちょっとした事で崩れてしまいますがシンプルであることは何よりも強固なのです。
私はそれをベトナムで学びました。

「記録が選択となり誓約となる」

 なんとなく始めたこんな事でなぜ長年の悩みが解決したのか。
最初はなんとも不思議でしたが、最近なんとなく理由がわかってきました。
恐らくこの方法が効果的なのは以下の2点によるものかと思います。
  1. 次の行動を理性的に選択する様になる
  2. 書き出すことで誓約の効果がある

今を記録しているだけ様に見えますが、実はこれからを選択している訳です。
やってみればわかりますが、あまり安易に「これからダラダラする」なんて書けないものです。

書き出す媒体はいつでもどこででも書けるものであれば何でもかまいません。

この手法は常に進化しているので、今は他にも色々なエッセンスを加えていますが、
基本原則は上記の三ルールを守る事だけです。

ちなみに私は電子のテキストファイルに書き出してます。
きっと私は今頃こう書いている所でしょう。
「23:40  ブログ投稿完了。就寝準備 開始」と

貴下の従順なる下僕 松崎より

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。