プログラミングを未経験者がこれから習得するならiPhoneアプリ開発から入るのがベストな選択

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私の愛しいアップルパイへ

IT技術がいかに自分の力で自律的に働くうえで有効に機能するかについては、かつて市民ケーンのオーソン・ウェルズのごとく勇敢に語った通りです。

すると貪欲なるあなたは私にこう聞くでしょう。「では、どうやって?」と。良い質問です。「では、どうやって?」はこの世で最高の質問のうちの1つです。

それでは、IT技術、特にプログラミングをまったくの未経験者がこれから習得するために有効だと考える方法をお教えしましょう。それは、iPhoneアプリを作ってみることです。

プログラミングを未経験者がこれから習得するならiPhoneアプリ開発から入るのがベストな選択ではないか?

JavaやCなど、もっと汎用的な言語か、Webで使える汎用性の高い言語から入ったほうがいいと言われそうですが、それでもなお私がプログラミングを未経験者がこれから学ぶにはiPhoneアプリ開発がベストだと考える理由を解説していきます。

ちなみに私が最も得とするのはWebなのですが、未経験者に一押しするのはiPhoneアプリ開発です。

プログラミングを習得するコツは自分が実際に使うものを作ること

プログラミングを学ぶために書籍を購入することからはじめる人が多いかもしれませんが、私はそれは非効率だと感じています。では何から始めればいいかというと、ちょっとしたものでもいいので自分が実際に使うものを作ってみることです。

本を読めば文法などは覚えられるかもしれませんが、未経験者が実践的な知識をつけるのは困難です。しかし、形にならないプログラミング知識など無駄以外のなにものでもありません。自分で使うものを作ることから入れば、単なる知識ではなく、実践的な技術を身につけられます。そして、作るうえで分からないことがあれば、その悩みを解決してくれそうな書籍を買えばいいのです。

これなら本を読んだけど結局よく分からなかったという事態を防げます。

では、実際に使うものとはなにかといえば、自身のビジネスや日常生活で使うWebサイトやECサイト、スマホアプリでしょう。iPhoneアプリなら、プログラミング未経験者が自分で実際に使うものをつくれます。

iPhoneアプリのプログラミングは必要な技術が限定されているので初心者にやさしい

実際に使うものを作るという話をしましたが、そうなると誰でも使えるWebサイトやパソコン用ソフト、スマホアプリなどになるでしょう。

まずWeb系の技術は初心者キラーだと私は思っています。Webというのは役割や機能ごとにソフトを分散して作るという思想のうえで成り立っています。そのため、Webサイト1つ作るのにも役割や機能ごとに様々な技術を習得する必要があるのです。

画面作りはHTML、デザインはCSS、クライアント側のプログラミングはJavascript、サーバー側のプログラミングはサーバー側の言語、サーバー上でプログラムを動かすためのミドルウェア、サービス提供のためのサーバーOSまわりの技術などなど。とにかく必要に応じて必要な技術を見極め、それぞれの作り方を習得する必要があるので、とても全体像を把握しづらく、形にするのが大変なのです。

パソコン用ソフトはその点もう少しシンプルですが、初心者にとっては開発負荷が少々高めなところがネックです。

スマホアプリの開発は必要な技術が限定されていて、開発負荷も低いので未経験者がプログラミングを習得するのに相性が良いのです。

AndroidアプリはJavaで作れるというメリットはあるものの、正直言って開発環境があまり整備されていないところがあります。その点、iPhoneアプリの開発はApple社によって技術的にも資料的にもとても整備されているので入りやすいでしょう。アプリ開発に必要なもののほとんどをApple社が監修しているので、混乱が少ないのです。

開発に必要なソフトも公式ガイドも、一流の水準で維持されていますし、サポートも手厚いです。また、有志による情報共有も活発で、ネットだけで充分な情報収集が可能です。iPhoneのOSであるiOSはユーザーが最新版にアップデートする割合が高いので、古いOSをサポートするための配慮があまりいらないのも、プログラミングをシンプルにしてくれています

アプリを広範に配布できるApp Storeの存在が大きい

プログラムを作ってみると、自分が作ったプログラムを人に使ってもらいたくなるでしょう。プログラムを人に使ってもらうことは、プログラムのクオリティを高めてくれますし、モチベーションアップにもつながります。

しかし、Webサイトやパソコン用ソフトはそれを広めるのがなかなかの手間です。ソフトをダウンロードしてもらうための統合されたプラットフォームがないため、ソフトを配布するために色々な工夫を自分でする必要がなります。

その点、iPhoneアプリなら誰もが使うApp Storeの存在があるため、作ったアプリを人に使ってもらうハードルが低いのです。もしかしたらアプリがあたって大きな収入源になる可能性だってあります。

アプリを使ってもらい、フィードバックをもらい、収入にもつながるこの仕組はプログラミングを続けるうえでパワフルな効果を発揮するでしょう。

iPhoneアプリ開発から入るデメリット

iPhoneアプリ開発からプログラミングを学ぶのは良い点ばかりではありません。もちろん懸念点もありますので紹介しておきましょう。

MacとiPhoneを持ってないと駄目

iPhoneアプリの開発にはiPhoneとMacが必要になります。そのため、どちら持っていないなら購入しなければなりません。

ただ、Macについて1つ補足しておきたいのは、UNIXベースであり、かつユーザービリティの高いMacは私は開発機としてとても優秀だと思っています。そのため、iPhoneアプリを作るかどうかは別としても、これからプログラミングを習得するためにMacを買うのは賢い選択だと考えています。

アプリの配布は有料

iPhoneアプリを自分のiPhoneにインストールして使う分には無料でもできるのですが、アプリを不特定多数の人に配布するためにはApple Developer Programに参加する必要があります。これに個人で参加するには年間1万円ちょっとのお金を払う必要があります。

アプリ配布の審査は厳しい

iPhoneアプリの配布にはApple Developer Programに参加したうえで、Apple社のアプリ審査を通さなければいけません。

これはiPhoneアプリの開発に特有なのですが、この審査が結構厳しいですし、審査を通すまでに短くても数週間くらいかかるのです。

もちろん審査を通すことでアプリのクオリティが高まるので必ずしも悪いことではないのですが、手続きや審査基準を学んだり、審査を通す諸々の対応が少々手間に感じるかもしれません。

言語はiOS専用のSwiftに縛られる

これからiPhoneアプリを開発するとなるとApple社が独自に開発した「Swift」という言語を習得することになります。

この言語はApple社独自の言語なため、CやJavaと比べると当然ながら汎用性は低いです。また、ちょっと癖があるのも確かです。

ただ、言語の作りや思想としてはそこまで逸脱したものではなく、他の言語に応用できる技術は充分に習得できると考えています。

iPhoneアプリの開発をはじめてみよう

プログラミングをはじめてみたいけど、なにから手をつけていいか分からないという悩みをよく聞きます。あなたもそのような悩みをお持ちならiPhoneアプリの開発を考えてみてください。

iPhoneアプリの開発は公式の文書もブログ記事も書籍も多様なものが出ているので、調べてみると良いでしょう。

▼ちなみに私はiPhoneアプリ開発の書籍を多数出版しているあきおさんの「アプリクリエイター道場」からiPhoneアプリの開発に入りました。初心者歓迎であり、3日程度で基礎を学べるのでご参考まで。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。