ブライアン・トレーシー著「フォーカル・ポイント」の言う通りに2年間やってみたら、本当に人生の変革が起こったという話

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私の愛しいアップルパイへ

私が人生の舵を切るとき、必ず思い出すのがフォーカル・ポイント」という書籍です。読んだのは2年前ですが、それ以来この本に書かれた原則は、私の行動を決める最重要の行動指針になっています。原則は非常にシンプルです。

「真に重要なことを見極め、そこにより多くの時間を費やせ!」

そうすれば、より短い時間でより大きな成果を得られるというわけです。この原則に徹底的に忠実になることは、私自身の人生に大きな変革をもたらしてくれました。今日は、我が人生に大きな転機を与えてくれたこの本を紹介しましょう。

もっとも大切なポイントを見極める能力を磨け!

本書の冒頭には、最も重要な原則が端的にまとめられています。

「もっとも大切なポイントを見きわめる能力」が、あなたが人生においてどれほどのことを達成できるかを決める。-という原則である。このポイントこそが、あなたが見つけなければいけない「フォーカル・ポイント」である。

P.16

それから、この原則を実行に移す方法も実にシンプルに説明されています。それは本質的には4つの方法しかないと述べられています。

1.重要なことを増やす
2.重要でないことを減らす
3.新しいことを始める
4.あることを完全に止める

一見すると当たり前のことのように思えますし、あらためて生活に取り入れるまでもないと思うかもしれません。しかし、この原則と実践方法を行動指針として実際に自分の生活に取り入れたら、大きな変革を体験しました。

「フォーカル・ポイント」に集中して人生に変革を起こした2年間の歩み

まず自分の「フォーカル・ポイント」を決める

私はまず本書に書かれている内容を参考に、自分のフォーカル・ポイントを定義しました。これが無ければ始まりません。ウンウンと何日も悩みながら、次の7つのポイントでしっくりと来ました。

1.意義ある人生に向かうこと
2.音楽へ貢献すること
3.他人の成功へ貢献すること
4.個人的な成長に取り組むこと
5.経済的に独立すること
6.健康の増進に取り組むこと
7.家庭生活の充実を図ること

「フォーカル・ポイント」の評価方法を決める

次にこの「フォーカル・ポイント」に集中できているかどうかを定期的に、定量的に計測する方法を考えました。「フォーカル・ポイント」に集中できているかどうかの客観的な指標がなければ、これらの原則を実際の生活に取り入れることはできないからです。

そこで私は、こんな指標を作ることにしました。「フォーカル・ポイント」に貢献した行動の実績時間を1分でも1秒でも増やす。

週ごとに自己評価して上昇気流に乗る

そして2年前のあの日、私は自分の行動を記録し始め、「フォーカル・ポイント」に貢献したかどうかを分類し、実績時間を週ごとに集計しはじめました

最初は涙が出るほど悲しくなりました。1週間のうち「フォーカル・ポイント」に貢献したと胸を張って言える行動はたったの10時間だけだったからです。割合で言えば6%にも届きません

そこで先に紹介した、原則を実行に移す4つの方法が適用できないかを検討し、改善策を練り始めました。

1.重要なことを増やす
2.重要でないことを減らす
3.新しいことを始める
4.あることを完全に止める

改善サイクルを作り、成功パターンを繰り返す

そのうち、自らの生活には無数の改善点があることに気づきました。

例えば、移動時間が無駄な時間として浪費されていること。テレビやネット、喫煙時間や飲み会などが、ほとんど「フォーカル・ポイント」に貢献していないこと。学んだ知識をブログにアウトプットする習慣を持つことで、生活リズムが整ってきたこと。新しい取り組みを始めることで生活に活力が生まれ、良いスパイラルが生まれたこと、などです。

そして、スコアは少しずつですが順調に伸び続けました。6%しかなかった「フォーカル・ポイント」は、なんと半年で28%まで上昇して安定しました。28%ということは約47時間です。これは想像以上の前進でした。しかも最高値ではなく平均値です。

成功パターンを維持し、限界を突破する

それからさらに1年間ほどこの28%の時間を維持し続けました。私はこの28%が限界値だと思っていましたが、更なる展開が待っていました。

28%の時間によって生み出された成果が実績として積み重なり、人脈が増え始め、新たな選択肢を持てるようになりました。私はいつしか当時務めていたの会社を退職することを決意し、自らの「フォーカル・ポイント」に直結する仕事を自分で選択しながら生活することにしたのです。

これによって28%の限界を突破し、それから半年ほど経った2年後の今では、40%まで上昇して安定しました。

私は本書に書かれていたたった1つのシンプルな原則を守り通しただけでしたが、本当に人生の変革が起こったのです。

「真に重要なことを見極め、そこにより多くの時間を費やせ!」

「フォーカル・ポイント」に意識的になれば人生の変革が訪れる

なぜこの当たり前のような原則が、これほどまでに強烈な結果を残したのか考えてみました。それまでの私はあまりにも反応的に生きていたのです。

他人(や会社)からの依頼を優先し、掃除や洗濯を始めとした雑多な作業に疲れ果て、怠惰な心に負けていたから、いつしか気づかぬうちに「フォーカル・ポイント」を完全に見失っていたのです。

もう一度「フォーカル・ポイント」に意識的になったことで、正しい方向へ向かって着実に歩きはじめることが出来ました。

大切なのはいつでも「今の自分にとって真に重要なことは何か?」と問いかけ続けることです。ここから始めることがまずもって重要であり、多くの場合これが成否を分けているのです。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。