GTDのInboxを最適化する3つの条件

success-600183_640

私の愛しいアップルパイへ

あちこちに情報が散在し、処理漏れやデータ消失が無いか内心いつもビクビクしている

そんなあなたには情報の受信箱(Inbox)が必要です。

あなたがあなたにとってのより良きInboxを得ようと欲するのならば、この記事をお読みなさい!

Inboxを活用して頭を整理する

Inbox

この何の変哲も無い、なんとも面白みに欠ける凡庸な響きを持った単語。しかしこれこそ私たちが効率的に情報をさばく為のキーとなる最重要のオブジェクトなのです。

GTDをご存知の方であれば馴染み深い単語でしょう。Inboxはその名の通り受信箱を示します。なんの受信箱かと言いますと、“あらゆる情報の”受信箱なのです。

TVで見た情報、新しいプロジェクトの情報、思いついたアイデアなどなど、あらゆる情報を一時的に保存する受け皿の役割を持ちます。

なぜInboxが必要なのか、それは情報は受け取ったその時すぐに処理できない場合がほとんどだからです。

Inboxが無いと、受け取った情報の処理が追いつかなくなり、新たな情報を受け取るのが億劫になってきます。そして新たな情報に対する拒絶反応が生まれ、そのストレスが結果的に生産性を大きく下げる要因になるのです。

だからこそ、受け取った情報に対して”それが何であるか”、”その後どうすべきか”なんて処理をする前に、何も考えずに情報を一旦置いておく受け皿を用意します。

これにより情報の「収集」と「処理」が別々のタイミングで実行できる為、情報は漏れなくInboxに保存し、時間が空いたら後からInboxの中をまとめて処理・整理するというストレスフリーな状態を作り出せるのです。

Inboxの役割を絞り込む

Inboxの役割をさらに深堀りしていきます。

Inboxは情報の一時的な保存場所であり、まだ未処理の情報が保存されているわけですから、中身を頻繁に処理し、速やかに整理し、なるべく空の状態を保つ必要があります。

しかし、”あらゆる情報の”受信箱という定義だけですと、今度は様々なInboxが乱立し、返って頭が混乱してきます。

RSS Reader、PCのメーラー、携帯メール、FaceBookのメッセージ、自宅の郵便ボックス、書類受け、、

これらはいずれもInboxになり得る存在ですが、全てをInboxだとしてしまうと結局情報が散在し、肥大化し、処理が追いつかなくなってしまいます。

Inboxは迅速で確実な処理が期待される保存場所ですから、ここが肥大化すると本当に処理すべき情報が埋もれ、効率が下がります。時には取り返しのつかない大失敗をするかもしれません。

つまり、様々な情報の保存場所の中から、本当に処理が必要な情報だけが入ったInboxを絞り込む必要があるのです。

さて、Inboxとは一体何なのでしょうか。

Inboxの役割を定義する

Inboxに対する私の定義はこうです。

以下の条件全てを満たす情報だけが保存されたものである

  • 1.自分が受け取った情報である
  • 2.自分が遂行中のプロジェクトと関係がある
  • 3.どんな意味を持つ情報なのか判断できていない

まずもって重要なのは、Inboxにはこの3つの条件を全て満たす情報“だけ”しか保存されていないという事です。この条件を満たさない情報もごちゃ混ぜでInboxに入っていると、情報処理のパフォーマンスは極端に落ちます。

それでは3つの条件をそれぞれ見ていきましょう。

1.自分が受け取った情報である

この条件は「自分が興味を持った情報である」と置き換えても良いかも知れません。なんの興味も無い情報、例えば迷惑メールなんぞがInboxに入ってると興ざめです。興味が無い情報をInboxに入れない様、常にスリム化を検討しましょう。

2.自分が遂行中のプロジェクトと関係がある

これは実に大切です。この条件を無視するとInboxはたちまち情報で溢れ返り、あなたはストレスの海へ一直線です。例えば無数のニュースを収集しているRSSリーダなどは特に注意が必要です。

興味があり受け取りたいと思った情報だからこそRSSリーダにそのサイトが登録されているわけですが、その時点では各ニュースが自分のプロジェクトと関係がある情報なのかどうかは分かりません。ですから、この無数のニュースの中から自分のプロジェクトと関係のあるニュースだけを抽出し、Inboxへ送る仕組みが必要になります。

情報量が膨大になる場合には、Inboxに入れる前にフィルタをかけ、情報をろ過する必要があるのです。

3.どんな意味を持つ情報なのか判断できていない

どんな意味を持つか判断する事こそ、情報の処理である為、この条件は言うまでも無い事かもしれません。

その情報が自分にとってどんな意味を持つ情報なのかが判断できたなら、その情報はすでに処理されたという事です。さっさとInboxから追い出してしまいましょう。

どんな意味を持つかというのは、それが行動なのか、備忘録なのか、いつかやりたい事なのか、プロジェクトの参考資料なのかという事です。その判断がついたなら、カレンダー、Evernote、タスク管理システム、書類のキャビネなど、適切な場所に移動させましょう。

尚、事前にその意味が判断できている情報をInboxに入れてしまうのも肥大化の原因です。

これはメールに多く見られます。例えばメールの受信トレイをInboxとして扱っている場合、定期的に届くメールなどはフィルタを定義して処理を自動化しましょう。これら定型のメールをいちいちInboxに入れない工夫が必要なのです。

処理するタイミングを決めよう

これであらゆる情報の受け皿としてのInboxが定義されました。情報を受け取るあらゆる場面でこのInboxの考え方を徹底し、よりスリムなInboxを目指しましょう。

また、Inboxに情報が溜まったままでは意味がありませんから、処理するタイミングも検討しましょう。

私はスキマ時間に随時整理する様にしていますが、それに加えて一日の最後にInboxを整理する時間を設け、なるべく毎日Inboxを空にするよう心がけています。

逆に言うと、毎日中身を空に出来る程度にInbox内の情報が収まっているかという事が、スリム化の重要な判断基準でもあるという事です。

▼続いてこちらの記事もどうぞ

▼Inboxを提唱するGTDのオススメ本はこちら。

▼2015年11月に全面改訂版が出版されたので、いまから買うならこちらのほうがいいかもしれません。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。