私の愛しいアップルパイへ
GTDしてますか?
明朗な心とともに最大限の効率を実現するGTDという方法論。
あなたが生産性の向上に興味がおありなら、1度は聞いた事があるかもしれません。
今回はGTD初心者の方の為に、GTDをより上手く実践する為のポイントをご紹介します。
GTDには落とし穴がある
我が生産活動を少しでも効率化する為に最初にすがりついたのがGTDでした。このシンプルで体系化された素晴らしい手法に感動し、見よう見まねで実践してみたものです。
GTDによって涙が出る程の生産性の向上を得ました。今でも我がタスク管理のベースはGTDです。しかし、いつだって完璧な手法など存在しないものです。それはGTDも例外ではありません。
GTDには分かりづらい部分もありますし、GTDだけでは対応できない部分もあります。
そこで、GTDという深淵を覗き込み、GTDを実践し始めたアップルパイが悩みそうな落とし穴をご紹介しようと思います。
なぜかって?それは私が信義を重んじる誠実な男だからです。
GTD初心者が陥る5つの落とし穴
GTD初心者が陥りそうな落とし穴を5つご紹介しましょう。
1.プロジェクトリストの考慮点
GTDを実践すると作成する事になるリストの中に、「プロジェクトリスト」があります。
これは自分のタスク全体の状況を一段上から俯瞰的に眺める為に役立つリストであり、定期的なチェックが推奨されます。しかし、牛の様にただボーっと眺めているだけでは意味がありません。このリストには、絶対に外してはいけないチェックポイントが1つあります。
それは「全てのプロジェクトに必ず1つ以上のタスクが存在しており、次に着手するタスクが明確かどうか」です。
このチェックを全てのプロジェクトに対して定期的に確認する必要があります。このチェックを怠ると、タスクの抜け漏れが発生し、プロジェクトが停滞します。この”停滞”が後からボディブローの様にじわじわと効いてきて、システムにひびが入る要因になるのです。
2.いつかやるリストの考慮点
「いつかやるリスト」も注意が必要なリストです。
はじめの内は”現時点ではできないが将来やる可能性があるもの”を「いつかやるリスト」に放り込む快感に酔いしれる事でしょう。忘れたくない事を記録する先がきちんと用意されている事に心底ホッとする事でしょう。しかし「いつかやるリスト」の運用を始め、リストの中に一定量以上のデータが溜まってきた時、ちょっとした不安が芽生え始めます。
「いつかやるリストに追記する事はなんら根本的な解決策になっていない」と。
この不安は少しずつ少しずつ溜まっていき、GTDが目指す”没頭できる事だけに没頭できる水の様に澄み渡った状態”を汚し始めます。
つまり「いつかやるリスト」に書かれた内容の1つ1つについて、“なにを””いつまでに””どのように”進めるかを決める運用が必要になるのです。
3.コンテキストの作り方
コンテキストの設定はGTDを実現するシステムの1つのキモになる部分です。具体的にどんなコンテキストを用意するかは個人の環境に左右される為、明言する事はできません。
ただし勘違いしてはならないのは、コンテキストはタスクを綺麗に整理する為に使用するものでは無いという事です。
コンテキストというのは、タスクをどの様な視点で検索したいかという視点で考えるべきであり、MECE的な考えにのっとる必要は無いのです。あなたがタスクを見返すとき、どの様な視点に立ってタスクを検索したいと思うかを考えましょう。
これは頭では分かっていても、思いのほか実践できないものです。
4.GTDだけで対応できないこと
GTDの対応範囲をよく理解しましょう。過剰に期待してはいけないという事です。GTDを実践する事で得られるのは精度の高いTodoリストです。あくまでTodoリストなのです。
つまり、それぞれのタスクをいつやるかは依然として未定のままです。
あなたがGTDを実践できたなら、今度は各タスクをどの様な方法でスケジューリングしていくか独自に考える必要があるでしょう。
5.週次レビューのゴール
私とあなたはきっと心が繋がっているに違いありません。なぜなら私にはあなたの悩みが手に取る様にわかるからです。あなたの主要な悩みの内の1つはきっとこれです。
「週次レビューはどの様にやれば良いのか?」
週次レビューのやり方は人それぞれです。最適な方法は自身で模索していくしかありません。この事は週次レビューのゴールを考えればよく分かります。
まずもって取り違えてはいけないのは、週次レビューというのは決してタスク情報を最新化し、情報を綺麗に整理する為にやっている訳では無いという事です。
週次レビューのゴール
それは、あなたがあなた自身の今の状態を完全に把握し、次の1週間を通してずっと”没頭すべき事だけに没頭できる状態”を作りだす事です。“あれかこれか”だとか”あれもこれも”といった漠然とした不安を払拭し、デヴィッド・アレン風に言えば”幸せバカ”状態を維持する為にやるのです。
これを実現できるなら、タスク全てに目を通す必要もありませんし、トリガリストを眺める必要もありません。
もっと言うと毎週やる必要すら無いのです。
強みと弱みを理解する
GTDは素晴らしい手法ですが、完璧な手法ではありません。
GTDという考え方が持つ強みと弱みをよく理解し、効率的な生産活動を行う為に何をすべきか、自律的に考えていきましょう。
貴下の従順なる下僕 松崎より