射精で世界を救う新井英樹作のトンデモヒーロー漫画Scatterが完結!これは名作!

私の愛しいアップルパイへ

高校生の頃に新井英樹氏の傑作「ザ・ワールド・イズ・マイン」に出会って以来、彼の虜になりました。あなたは以外で私のことを虜にしたのは彼が初めてです。

【ネタバレなし】世界一好きな漫画ザ・ワールド・イズ・マイン紹介

彼の作品は全て追っていますが、最新作の「Scatter」がついに完結しました。以下の記事でも本作を紹介したのですが、完結したところでもう一回オススメしたいです。

SCATTER あなたがここにいてほしいという最高に面白いおすすめヒーロー漫画

他ではあり得ない設定を取り入れた異色のヒーロー漫画

本作は大きな構図としては割とオーソドックスなヒーロー漫画です。人間社会に人間の姿形をした異星人が紛れ込んでおり、人間を影で支配しているという設定もよくあるものです。

高度な知性を持った異星人は政府と利害関係が一致するため、政府や富裕層も彼らを受け入れてしまっています。

ヒーローとなる主人公はなりゆきで異星人の存在に気がついてしまい、不本意ながらも彼らとの対決を余儀なくされます。社会に異星人が紛れ込んでいるなんて言っても誰も信じてくれず、異星人側は国家権力も取り込んでいるため、自分が立ち上がるしかなくなります。このあたりまでは映画「ゼイリブ」を彷彿とさせるよくある設定です。

この漫画が特殊なのはたった1点、その異星人の弱点が精子であるということです。

おっとまだ画面を閉じないでくださいよ。ただのエロ漫画の解説じゃありませんから。

どこまでも馬鹿げた設定にどこまでも大真面目に取り組んだScatterの魅力

Scatterがすごいのは、このような一見すると馬鹿げた設定にみえるストーリーに、どこまでも暑苦しくどこまでも大真面目に取り組んでいることです。

主人公の苦悩や異星人と孤独に戦い続けた師匠の覚悟(元AV男優)、異星人の弱点が精子である哲学的な説明などを持ち前の漫画力で書き出します。

ストーリーだけを読むと馬鹿馬鹿しくて鼻で笑ってしまうのに、中身を読んでみるとどんどんその世界観に引き込まれてしまいます

特に7巻〜8巻とクライマックスに近づくにつれて、その熱量がどんどん高まっていきます。ぜひこの暑苦しさを体感して欲しいものです。

最近では漫画というものには飽き飽きしていたのですが、本作にはやられました。全8巻です。必見です。

▼新井英樹氏の代表作であるワールドイズマインももちろんオススメです。

【ネタバレなし】世界一好きな漫画ザ・ワールド・イズ・マイン紹介

貴下の従順なる下僕 松崎より

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。