そろそろ溜まりに溜まったメッセージに返信しなければならない頃合いなので、そのあたりの葛藤について

私の愛しいアップルパイへ

私の身にいま起こっている悲劇については先日お話しした通りです。

好きなことを仕事にすべくフリーランスになったらうつ病になりかけた話

こうなってくると真っ先に滞留するのがメッセージへの返信の類でございまして、もう何日もメッセージボックスの類を開いておりません。メッセージのやり取りに必要なスマホアプリは何日も前に消してしまいました。

賢いあなたはこんな記事を書いているうちにメッセージボックスを開いて一通でも返信すればいいのにと言うでしょうし、その意見は至極真っ当だと思います。でもあと少し、蛇が皮を脱ぐ程度の時間を私にください。

そろそろ溜まりに溜まったメッセージに返信しなければならないことはよく分かっているのですが

私は今すぐにでもこの画面を閉じてメッセージボックスを開いてメッセージを確認するべきだということはよく分かっています。ええ、でももう少しだけ待ってください。この記事を書き切ったらすぐにでもやろうと思ってますから。

とにかく私が強調したいのは、なにも私が怠け心から返信を遅らせているってわけではないってことです。一刻も早く連絡した方がいいのは分かっていますし、返信が遅くなればさらに気まずくなることだって分かっています。いまさら「スマホの充電が切れてメッセージの確認が遅れました」とは返信できないでしょうし。

ですから、賢いあなたはこんな記事を書いているうちにメッセージボックスを開いて一通でも返信すればいいのにと言うでしょうし、その意見は至極真っ当だと思います。私ももう今すぐにでもGmailを別タブで開こうとしています。

あなたに知っておいて欲しいのは、このような状況になるとメッセージへの返信がひどく重荷に感じるってことなんです。第一に、返信が遅れた理由として先ほど掲載した記事のような内容を説明するのはあまりに内容が重すぎるってことです。

相手の要件が「ツインピークスの新シリーズがついにはじまったね」程度の内容だったらどうでしょうか?(個人的には大変なニュースですけど)。無闇に人を心配させたくもありませんし、「やぁジェイミー、今日は体調が悪いから今度にしてくれよ」なんてライトに返信して現実とは異なった解釈をされるのは嫌ではありませんか。

だからといって「詳細はこの記事に書いたんで読んでおいてください」だなんて、とても送る気にはなれません。もし「ああ、そこまでしてアクセスが欲しいのか」なんて思われたら二度と立ち直れないかもしれません。

分かってます。賢いあなたはこんな記事を書いているうちにメッセージボックスを開いて一通でも返信すればいいのにと言うでしょうし、その意見は至極真っ当だと思います。実際、もうGmailを別タブで開いていますし、そろそろそのタブをアクティブにしようという気分にはなってきました。

それから、もし友人から続々と怒りのメールが届いていたらどうしようって不安もあるのです。「返信が遅くすぎる!」とか「いったいなにやってんだ!」とか「あの件はどうなってるんですか?」とか「連絡しないなんて責任感がなさすぎる!」なんてメッセージが来ていたら、もうそれを読むだけで一日分の体力を使い果たしてしまいます。

それに、相手がこちらの事情を知らなかったとはいえ、私もついカッとなって「こちらの思いもしらずにズケズケと…!」なんて衝動的に返信してしまったら厄介ごとが増えてしまうでしょう。私はいま真っ当な判断ができる状態でないことはわかっていますから、そのようなことをしなさそうなときにメッセージを開きたいものです。いまは慎重さがものをいうときなんです。

じゃあせめて何通の未読メッセージがあるかだけでもチェックしようと思うのですが、最近ではメッセージの最初の数行が表示されるサービスも多く、そうなるとメッセージの本文が表示されている部分を極力見ないように努力しなければなりません。しかし、見るなと言われると見たくなる性分で、うまく自分をコントロールできるか不安なんです。

もし見てしまったら、その数行の後になにが書かれているか延々と想像してしまうんです。「Jさんお久し振りです…」の続きが「くたばれ骨なしチキン野郎!」って可能性だってあるわけですし、「Jさん例の件で連絡させていただのですが…」の続きが「もうお前には頼まねぇよクソジャップ!」って可能性だってあるわけです。

しかも、そんなことを考えてながら操作しているうちに意図せずメッセージを開いてしまって、気づかずに既読にしてしまったあげくそのまま重要なメッセージの返信が漏れてしまうなんてことになったら目も当てられません。

分かってますって。賢いあなたはこんな記事を書いているうちにメッセージボックスを開いて一通でも返信すればいいのにと言うでしょうし、その意見は至極真っ当だと思います。Gmailの他にFacebookとTwitterだって開いたところです。

メールだけでなくSNSのダイレクトメッセージもチャックしないといけないのですが、そちらにはまたさらに別の心理的な負荷があります。

SNSはメールより気軽に遅れる分、大量のメッセージが届いているかもしれません。個別の投稿に返信が来ているかも。メッセージではなくてあの忌まわしい「通知」などという機能もあります。誰かになにかしらの返信が必要なのかどうかが分かりづらくって、私のデリケートな脳がオーバーヒートしそうになるんです。通知が「You’ve Got Mail」だけの頃の方がずっと良かったと思います。

さらにSNSとやらはメッセージをチェックする前にみんなの投稿がずらずらと画面に敷き詰められているページに飛ばされるので、そこにイライラするコメントが並んでいたらとても困ります。

「ウォーキング・デッドおもしろーい」なんて投稿があったら「あの惰性で続いているだけのお子ちゃまドラマが好きなんですね」って心無いコメントを付けてしまうかもしれません。「チェスターの追悼としてメテオラ聴いてるよ」なんて投稿があったら「おいおいラップ・ロックとは名ばかりのスニッカーズみたいに甘ったるくて舌が溶けて腐り落ちそうになるポップスアルバムなんか聴いてるのか?」って悪態をついてしまうかもしれません。

万が一、私の評判に対する何かしらの投稿が表示されていたら最悪です。片っ端から「うるせーばか」ってコメントをつける機械へと変貌してしまうかも。とても刺激と反応の間のスペースを確保できる自信がないんです。

そう考えると無闇にダイレクトメッセージも開けなくなってきます。

賢いあなたはこんな記事を書いているうちにメッセージボックスを開いて一通でも返信すればいいのにと言うでしょうし、その意見は至極真っ当だと思います。ですから、そろそろ返信作業に入ろうと思います。

おや、なんということでしょう。今日はもう遅くなってしまいましたから、返信は明日にしたほうが良さそうです。このような時間にメッセージを送るのは失礼かもしれませんし。やっとやる気になったのにとても残念です。

そういうわけで、あなたの近くに私から返信がこないと腹を立てている人が居たら、今日あなたに説明したことを簡潔に伝えていただいたうえで、もう少し待ってみた方が良さそうだと伝えて欲しいものです。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。