大好きなことをして生活する上で大切な5つの教え~書評:水野敬也「夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神」~

20121226205628

私の愛しいアップルパイへ

「大好きなことをして生活する」

難しく考える必要はありませんし、恥じ入ることもありません。間違いなくそれは目指すべき場所であり、人間のあり方として最も効果的かつ効率的です。

壁はあるでしょうし、リスクがあるかも知れませんが、突破する方法を考えてみるだけの価値があります。

頭ごなしに否定されるものではありません。むしろ本当に恐ろしいのは刹那的な「目的なき労働」の方です。そうでしょう?

今日はそんな私たちにぴったりの本を紹介します。

本書の冒頭にはこんな一説があります。

このまま毎朝同じ電車に揺られ、同じ作業を繰り返して一生を過ごしていくのだろうか。僕の名前は誰にも知られず、何者にもなれないまま、この世界から消えていくのだろうか。

~中略~

会社に勤めてみて分かったことがある。それは、人間にとって一番怖いのは、将来が見えないことじゃなくて、将来が見えてしまうことなんだ。

P.11

「大好きなことをして生活する」ためのガネーシャの教え

本書は、5年前に発売されて以来200万部突破を記録したベストセラー「夢をかなえるゾウ」の待望の続編です。

物語は前作と同様に、夢破れそうな青年のもとに「ガネーシャ」というゾウの如き姿をした神様が現れるところから始まります。

副題に「貧乏神」とあるように、今回の主要テーマは「大好きなことをしてお金を稼ぐ方法」です。

夢を諦めきれずに会社を辞め、8年間も売れない芸人をやってきた貧乏芸人の主人公が「大好きなことをして生活する」ために最後の悪あがきを見せます。

この主人公が成長していく過程で、「大好きなことをして生活する」ために大切な教えが1つ1つ明かされていくのです。

今日は本書の中で特に私の胸を打った箇所をまとめましょう。

締め切りを設ける

「大好きなこと」というのは、多くの場合「いつかやりたいこと」になりがちです。

それは他の締切のある仕事や人からの依頼事項に埋もれ、最も先送りされやすいものでもあります。

ですから、まずは「大好きなこと」に締切を設けることが大切です。

締切のあるオーディションに応募してみたり、イベントを立ち上げて開催日を決めてしまうのも良いでしょう。「大好きなこと」を行動に移すための、小さな締切を1つ1つ積み重ねていくことが大切です。

人にレビューしてもらう

人の話を聞く耳を持ち、試行錯誤を重ねることが反対側へ突き抜ける突破口となります。人から「レビュー」を受けることは、”チャンピオンの朝食”や”昼食”と呼ばれているほどです。

確かに、人の意見を聞くのは勇気が要ります。その恐怖に押しつぶされてはいけません。そして何より気をつけねばならないのは、、、ガネーシャは言います。

もちろん他人の批判を恐れずに自分を貫くんも大事やで。でもほとんどの人が他人の意見を聞かへん本当の理由はな、『直すのが面倒だから』やねん

P.79

自分の欲しいものを伝える

無償の奉仕を続けていても「大好きなことをして生活する」ことは難しいでしょう。『いい人』で終わってしまいます。

ですから、自分は何が欲しいのか、何を受け取らなければならないかを明確に伝えることが求められるのです。

相手を欲求を満たしながら自分の欲求も同時に満たす、第3の案を追求し続けましょう。

苦行は決して無駄にならない

「大好きなこと」の道に一旦足を踏み入れると、外からは見えなかった数々の”苦行”を強いられることになるかも知れません。

華やかだと思われた世界の根底には”泥臭さ”が横たわっていて、綺麗ごとばかりは言ってられなくなるかも知れません。憧れが不安に変わるときです。

しかし、そこで諦めてはいけません。

「大好きなこと」に飛び込んで、思いもよらない経験をいくつもすることで人は成長します。諦めさえしなければ苦行は糧になるということです。

自分の知らへん場所は、思いもよらんかった色んな経験をさせてくれる。つまり、そこは自分が一番成長できる場所やねん。せやから、あこがれる場所に飛び込んで、ぎょうさん経験して成長した人間が、自分にとって一番向いてることを見つけたとき、自分にとっても、お客さんにとっても、最高の状態を生み出すことができんねんで

P.236

一番大切な”ある人”を喜ばせる

大好きなことをしてお金を稼ぐためには、人を喜ばせることが必要不可欠です。

しかし、最も重要なのはただ一人の”ある人”を喜ばせることです。それは、、、あなた自身のことです。

人を喜ばせることで、あなた自身が誰よりも喜べるなら、それこそがあなたの進む道だということです。

仕組みや損得勘定より大切なことがある

“他の人より社会の仕組みを知っていたり、損得勘定がうまいから「幸せ」や「成功」を掴める訳ではない”

臭い古雑巾をやめてもう一度このことを思い出したいなら、手に取って欲しい一冊です。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。