私の愛しいアップルパイへ
「タイムマネジメント」 「作業計画」 「スケジューリング」 「時間の見積もり」。まるで甘美な竪琴の様に心地良く耳に響く言葉である。
と言う事で、今回は前回の記事[問題編]に対する[解答編]です。
きっとあなたは解答を昨日から待ちわびている事でしょうから、七面倒くさい説明を省いてさらりと本編に入りましょう。
ちなみに前回の記事を呼んでいない方は是非こちらからお読み下さい。
作業時間にバッファを持たせるとスケジュールが破綻するという説[問題編]
[問題編]のおさらい
前回の記事では、作業時間の見積もりにおいて私達が陥りがちな罠を2つ紹介しました。
それが「学生症候群」と「パーキンソンの法則」です。
「学生症候群」とは、作業時間に余裕があると、ぎりぎりまで着手しなくなる問題。「パーキンソンの法則」は、見積もりより早くタスクが完了しても、前倒しで次のタスクに着手する事が無いという問題です。
これら2つの問題を解決する方法があるかって?ええ、そこで「クリティカルチェーンマネジメント」なる手法の考え方を流用します。
クリティカルチェーンマネジメントとはなんぞ?
そもそも「学生症候群」と「パーキンソンの法則」を引き起こす原因は、各タスクを見積もり時間通りに終わらせようという考え方にあります。
そこで、各タスクの不確実性を許容した上で、全てが順調に行った場合の最短時間で見積もる様にします。
そして、今までタスクごとにそれぞれ見積もっていたバッファを全てまとめて計画の最後に配置するのです。こうする事で、心理的、行動特性的なバッファの浪費を抑止する事ができます。
ここでは各タスクが予定通り完了したかは重要ではありません。全体として計画が予定通りに終わったかどうかを重要視する、全体最適の考え方にのっとっています。
あるタスクが想定外の事象によって遅延した場合にバッファを割り当てて行きます。割り当てるバッファが無くなった場合にはタスクの削除を検討します。
これによって、今の計画にあとどれだけ余裕があるかが管理しやすくなるというのもこの手法のメリットの一つです。つまり、バッファが後どれだけ残っているかで、今の計画の余裕がわかるのです。
どんな計画にも使える
この方法は「作業は最短時間で見積もる」と「計画の最後にバッファを取る」という二つのポイントを守れば良いので、どんなシーンでも柔軟に使えます。一ヶ月後にある資格試験の勉強でも、もっと長期的な一年後の計画でも、考え方は一緒です。
私の場合、一番身近な所だと毎日の作業計画で使用しています。一日の計画をたてる際、寝る前の一時間をその日のバッファとして空けておくのです。
あなたも機会があれば是非使って見て下さい。
ちなみに今回は個人の計画に焦点を当てたので紹介しませんでしたが、クリティカルチェーンマネジメントにはチームでプロジェクトを遂行する際に気をつけるべきポイントが他にも幾つか存在します。例えば、一人の担当者が参画するプロジェクトが複数重なった場合に、いかにリソース競合を回避するかなどについてです。
もしそれらに興味があるのであれば本格的に学んでみて下さい。
貴下の従順なる下僕 松崎より
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