1ヶ月毎日YouTube動画を投稿できて目標達成と習慣化のコツが見えてきた

私の愛しいアップルパイへ

2020年1月1日からYouTubeに毎日動画を投稿するとオリバー・ストーン版「JFK」のケヴィン・コスナーみたいに熱くあなたに語りかけたことは、今でも昨日のことみたいに思っています。

毎日1分の筋トレが続かないような私がこのような大それた目標を実現できるものかと不安に感じなかったわけではありません。

無論、動画制作はほとんど取り組んだことがなく、これまで続けてきた文章でのアウトプットとは全く異なる作業内容です。作業ボリュームが多いだけでなく心理的な障壁も高く、習慣化する対象としては偉く難しいものだという認識もありました。

しかし!あの日から1ヶ月が経ち、順調に毎日動画が投稿できています。 Cooooool!

jMatsuzaki YouTubeチャンネル 1

今日は1ヶ月毎日YouTube動画を投稿する中で見えてきた、自分なりの目標達成と習慣化のコツについてお話しできればと馬を走らせてきました。

1ヶ月毎日YouTube動画を投稿できて目標達成と習慣化のコツが見えてきた

自分にできないことを受け入れる

思えば、最初にYouTubeで動画を使ったアウトプットを始めてみようと考えたのは今から7年ほど前、2013年10月20日のことでした。ブロガーズ・フェスティバルというブロガーが集まる大規模イベントにオープニングアクトとして登壇した私は、当日イベントに来ていた有名YouTuberであるカズチャンネルのカズさんと会い、お話ししたのがきっかけでした。

▼ちなみに当時の様子はカズさんが動画にされています。わたくしjMatsuzakiめも一瞬登場しています。

そこでYouTubeの勢いやブロガーとYouTuberとの相性について話を聴き、なによりカズさん自身の人間的な魅力も相まって、「自分もチャレンジしてみよう!」と感じたわけです。しかし人生ってのはなんとも非情なものです。それから早速動画の制作に取り組みますが、なかなか形にならず、習慣化もできず、断念します。

その後2017年になってフリーランスからjMatsuzaki株式会社を創業するまで、度々YouTubeメディアの構築については検討してきました。2018年、1年前に会社が5名体制となったのをきっかけにYouTubeへの動画投稿を本格的に行うことを社内で決めたのですが、ここでも挫折します。

既存の仕事とのバランスを上手く取ることができず、どうしても優先度が下がってしまい、継続できなかったのです。その後も、今年こそはYouTubeの動画を増やそうと何度となく思うのですが、どうにも上手く続きません。

毎日のようにブログを書いたり、寄稿をしたり、週に一度ラジオを放送し、月に最低でも2回は登壇していることから考えて、動画コンテンツの制作はさして難しいようには思えませんでした。講演などを録画してYouTubeに出すだけでもある程度のコンテンツ化はできそうでしたし、できないはずがないと考えていたにも関わらずです。

駆け出しのYouTuberはカメラ1つで気軽に動画を毎日投稿している人も多く、それが自分にはできないとはとても思えませんでした。しかし、2018年の一年間では大した動画数を投稿することもできず、数字的な結果も出すことができず、挫折しました。

2019年になって、私はドン・キホーテのようにYouTubeに取り組むのをやめ、事実を真摯に受け入れることにしました。私は毎日のように動画を撮影したり、動画を編集したり、息を吸うように動画を投稿したりなどできないのだと。

無論、そういう人もいるでしょう。そういう人は息を吸うように動画を投稿して、気づいたらぶっ飛んだ結果を出しているに違いありません。他の膨大な仕事と両立したり、相乗効果を発揮している人もいるでしょう。

しかし、私にはそれはできないのだと受け入れることにしました。自分にとっては肩の力を抜いて自然に取り組んでしまうような類のものではないのだと。2013年の秋から6年が経ち、自らの会社を立ち上げ、当時とは比較にならないほどの選択肢を持っていながらも出来なかったのだから、もう今までのやり方は自分には向いてないのだと受け入れるしかありません。

そして、できないならできないなりに作戦を立て、努力しなければなるまいと心に決めました。ストックデールの逆説に基づいた発想の転換こそ、素晴らしい第一運動となりました。

目標を明確にするだけでなく絞り込む

我が愛すべき会社jMatsuzaki株式会社には数々のサービスがあり、私もその多くのプロジェクトを担当しています。そこに新しくプロジェクト、特にYouTubeのように既存のプロジェクトとは大きく異なるプロジェクトを追加して形にしようと思ったら、大きな割り切りが必要です。

これまでの失敗の一因には「できたらいいなぁ」という覚悟の甘さがありました。気が向いた時に自然に楽しみながら動画を定期的に投稿してみるという方針では上手くいかないことが6年(!)かけてようやく分かったのです。プロジェクトには大きく3つの取り組み方があります。「実行」「集中」「決意」です。

実行は手をつけて何かしら成果物が形になったらそれだけで価値があるレベル。集中はなるべく時間を割いて成果物をより多く作れたら良いというレベル。決意は目標を達成できなかったら挫折感を味わい、大きく自信を損なうリスクを受け入れるレベルです。

それまでYouTubeの活動は基本的に実行のレベルで、時期と気分によって時おり集中のレベルに移行するという取り組み方でした。しかし、これまでの経緯からYouTubeでの活動は決意のレベルに引き上げる必要性がよく分かりました。

プロジェクトを決意のレベルで取り組むには、相応の儀式が必要です。まずその第一歩として、明確な目標設定をすることに決めました。明確な目標設定とは、ある時点でその目標が達成できたのかできなかったのか客観的に0か1かで判断できるようにすることです。

YouTubeでの動画投稿を習慣化することと、結果を出すということを考えたときに、最低でも3ヶ月は必要だろうと想定しました。そこでプロジェクトの目標として「2020年1月1日から100日間(4月10日まで)、毎日動画を投稿し、チャンネル登録者を5万人にする」という目標を決めました。

後半のチェンネル登録者5万人という目標の立て方は普段なら自分はしないものなのですが(チャンネル登録するかしないかは自分の行動ではないため)、今回は実験の意味もかねて数値的な目標も入れてみました。

もちろんここで終わりではありません。これまでの挫折の経験から察するに、動画投稿が継続できないのは時間とともに動画制作が他のプロジェクトに埋もれて優先度が下がってしまうからです。そこで以下の2つのことについて取り組みました。

  • YouTubeでの活動が今の自分にとっていかに重要であるか明確にすること
  • 他のすべての重要なプロジェクトを眺め、目標を絞り込むこと

まず私はじっくりと内省の時間をとって、YouTubeでの活動が自分にとっていかに重要なプロジェクトであるかについて大理石像の如く冷徹に考え、ノートにまとめました。

それから、自分が今になっている役割をすべて洗い出して、そのなかでYouTubeでの活動を最優先することが本当にできるのかを自問し、できると思えるようになるまで最優先のプロジェクトを絞り込む必要がありました。この過程の中で、自分にとって間違いなく最優先だと考えて居たプロジェクトを少なくとも今後100日間においては優先度を下げるという決断をいくつもしました。

YouTubeでの活動にリソースを割く代わりにどんな代償を払う必要があるのか明確にしたのです。この3つのプロセスはプロジェクトを決意のレベルに引き上げるには必須の取り組みです。

  • 目標を達成可否が0か1で判断できるまで明確にする
  • 目標が本当に最優先事項にできるか、他のプロジェクトとバランスを取る
  • 目標を最優先事項にするにあたって支払うことになる代償を決める

この3ステップは今のところ素晴らしくパワフルに機能しています。

チームを組んで一緒に取り組む

ここまでで、以前とは比べ物にならないレベルで取り組めるようになるのですが、私は心配性なものですからさらにもう1つの大きなエッセンスを取り入れることにしました。それは個人の活動とするのではなく、本格的にチームの活動にすることです。

これまでYouTubeでの活動を個人プロジェクトとして取り組んでみてうまくいかなかったので、チームで取り組むことで決意のプロジェクトとしてさらなる強制力を持たせようと考えたためです。自分との約束にするだけでなく、他人との約束にすることは行動を推進する必殺技ですから。

かの愛すべき会社jMatsuzaki株式会社は今私を含めて5名が在籍しています。このプロジェクトは会社としての最優先プロジェクトとして位置づけることにしました。

これによって目標達成を推進するだけでなく、組織としてのエンパワーメントを強めたり、組織として第二領域(緊急ではないが重要なこと)を優先する練習としても最適と考えた次第であります。

その第一歩として上記で検討した明確な目標やプロジェクトの意義をチーム内に説明しました。その上で、チームで取り組むために以下を実施しました。

  • 5人それぞれが担っている役割を全て洗い出して1つの表にまとめる
  • YouTubeに限らず、自分の最優先事項と考えている役割を最大3つに絞り込む
  • YouTubeでの活動が会社として最優先にできるとみんなが納得できるまで役割をさらに調整する

これによって組織としてもYouTubeでの活動が最優先事項であると認識が合わせられたら、具体的な戦略を練るフェーズに入りました。

具体的には、2019年10月から3ヶ月間にわたって戦略会議と称するjMatsuzaki株式会社のメンバー5人で会議と事前準備を重ねました。3ヶ月間で計8回、合計15時間以上の会議を5人で行いました。また、事前準備と会議を合わせると5人で212時間もの作業を事前に行いました。

この中にはチャンネルの方向性を練ったり、プロジェクトとタスクの進捗を管理するための方法を練ったり、編集ガイドラインを作ったり、他のYouTuberを調査したりといった作業が含まれています。

この話し合いと準備のプロセスを経て、チームメンバー間でプロジェクトが最優先事項であるという行動指針が構築されていき、結果として動画を毎日投稿するルーチンを作ることができました。

我、次は50日を目指す!

2013年以来、実に6年もの時を経てYouTubeでの活動を本格化することができ、まずは第一目標として1ヶ月間毎日動画を投稿することができました。ナイス!

それにしても、このプロジェクトを遂行する中で、目標達成と習慣化に関する実に多くの体験と知見を得られたのは予想外の素晴らしい報酬でした。

次は100日の半分である50日間を目標としてこれからも毎日動画を投稿していくつもりです。

僭越ながら申し上げさせていただくなれば内容もなかなかCoooooolかつSweeeeeetなものに仕上がっておりますので、あなたにもご覧いただけたなら幸いです。そんなに多くの時間は取りません。蛇が皮を脱ぐ程度の時間で良いのです。

jMatsuzaki YouTubeチャンネル 2

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。