あえて一年の目標を作らずに週次計画だけたてる

私の愛しいアップルパイへ

口を開けば出てくるのは夢と希望と未来で、そんな私なら一年の目標くらい作っているのだろうと、あなたは考えているでしょうか?否、否、三たび否!

たしかに中期計画、長期計画など、長期にわたる目標や計画を立てていたことはありますが、現在は計画の類いのものは週次計画しかありません。

jMatsuzaki流「週次計画」の作り方

週次計画とはその名の通り、1週間の計画のことです。日曜日から土曜日まで、1週間の計画を毎週末に立てています。

やっていることは実にシンプルです。以下のようなGoogleスプレッドシートに週ごとの計画と実績を箇条書きで記入します。

シートは1ヶ月単位で作りますが、計画は今週分しか記入しません。

ちなみにこれは私が運営しているオンラインコミュニティライフエンジン」のメンバー全員で共有しあっています。人の計画を見るとインスピレーションが湧きますし、自分もやってやろうという決意が湧き上がってくるので仲の良い友人とやると良いでしょう。

一年の目標は視野を狭めかねない

おっと、「こんなもの『寝ていれば転ぶことはない』と言っているようなものじゃないか!」と思うことなかれ。

かつては私もありがたがって一年の目標という類のものを作っていました。この習慣を辞めて週次計画にフォーカスするようになった決定的な要因は以下の仕事は楽しいかね?という本に出会ったからでした。

本書はそれまで悶々と感じていた疑問に明確な答えを出してくれました。初っ端からこの調子です。

頭のいい人がする一番愚かな質問は、『あなたは五年後、どんな地位についていたいですか』というものだ

「仕事は楽しいかね?」 第4章

本書の主張するところは、将来を見通すために作る計画や目標が選択肢をひどく狭めているというのです。この世ってやつは私たちが思っているほど理路整然とはできていません。ですから、理屈っぽく考えるよりも遊び感覚で色々やってみることの方が近道なのです。

そういえば「夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神」にもこんな記述がありました。

人間にとって一番怖いのは、将来が見えないことじゃなくて、将来が見えてしまうことなんだ。

「夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神」 P.11

私自身、一年の目標というものがある種の現実逃避として機能しかねない面があることを実感し、数年前から一年の目標なるものを作ることを辞めたのでした。

昔は五カ年計画や年代ごとの計画(それも90代まで!?)を熱心に作っていたものですが、それらもスパッと辞めました。ここで明確に答えておきますが、現在、計画の類いのものは週次計画しか持ち合わせておりません

「いつかやりたい」という願望は、足りない現実や満たされない現実にフォーカスしてしまっており、むしろ実現力を低下させてしまうのではないでしょうか。これが長期の目標を立てることに関する最大の負の側面でしょう。

このことは「神様とのおしゃべり」にあるこんな記述を思い起こさせます。

神さま:「なんで○○になりたいの?」と自分自身に聞くとよい。「金持ちになりたいのは、金持ちじゃないからです」と言うじゃろうし、「幸せになりたいのは、幸せじゃないからです」と、その口が本音を語り出すじゃろう。

みつろう:ということは、幸せになりたい人は、幸せになれないってこと?

神さま:なれないよ、絶対に。当たり前じゃろ。

「神様とのおしゃべり」 2時限目 思い通りに現実を変える、12の方法

いつかやりたいことより、今からずっとやっていたいことにフォーカスする

「こんなことを続けていたら、これから何が起こるか分からない!?」という今週の計画を毎週その時々の状況に合わせて作っていくのが楽しいのです。

1年後、10年後、何が起こるか予測できるのなら、それほど退屈な人生もありません。ジェームス・スキナー氏は「100%」のなかでこう力強く言います。

目標を設定するとき、達成方法がわかれば、その目標は小さすぎる。

「100%」 第2部 愛と冒険への道

では戦略性もなしに、ただ"飛び回る"だけなのか?とおっしゃいましたか?そう、まさにその通りなのです。最初に紹介した仕事は楽しいかね?のメッセージとはそれなのです。ただ飛び回ることを甘く見るなよ、と。

ですから私たちは成功より機会を愛しましょう。目標より実験に取り組みましょう。「いつかやりたいこと」より「今からずっとやっていたいこと」にフォーカスしましょう。

私が思うに、多くの人は「成長」だとか「進化」だとか「進歩」にこだわり過ぎているんです。もっと「変化」にこそこだわるべきだとは思いませんか

そうだ。David Bowieだってこう歌ってました。

Changes
Turn and face the strange

Changes
Don’t want to be a richer man

Changes
Turn and face the strange

Changes
Just gonna have to be a different man

変化だ。奇妙なものに目を向けろ
変化だ。金持の男になりたがるな
変化だ。奇妙なものに目を向けろ
変化だ。彼は別の男になるべきだ

「Changes」 by David Bowie

そう考えれば、私が週次計画しか計画の類いのものを作らないよう努力していることについて、きっとあなたは理解してくれるって信じています。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。