私が出たとこ勝負で脱サラを決断した日

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photo credit: Jan Tik via photopin cc

私の愛しいアップルパイへ

最近よく読んでいるブログにこんな記事が上がっていました。力強い決断を下した人は大好きです。パワーを貰えますから。心から応援したくなります。

周りの人は大多数、これから私が墜落していくと予想するでしょう。考え直した方が良い、今でも十分幸せじゃないか、人生そんなに甘くない、職があるだけでも幸せなのに。。全て振り払って、自分の信じた道を進みます。ここが人生のターニングポイントです。

私は、この先今より経済的自由と時間的自由を、必ず手に入れられると信じています。私には必ず成し遂げたい夢があります。必ず、必ず成し遂げます。この夢は一生諦めないという絶対の自信があります。

会社辞めます。 | 涼の成長記録

会社辞めます。 – 涼の成長記録

かくいう私も1年半ほど前に当時勤めていた会社を辞める決断をしました。副収入は月1万円以下の状態でした。間違いなく見切り発車でしたし、何の策もない出たとこ勝負状態でした。

上記の記事に触発されたので、私が出たとこ勝負で脱サラを決断した日を思い出してみます。

「いつかは好きなことをしよう」の罠

勉強ができなかった私は「父より詳しかったから」という理由だけでシステム系の専門学校に進学し、その学校の推薦で就職先を決めました。哀れなるかな若かりしjMatsuzaki。私は重要な決断を他人にお任せしていたんです。

結局、6年間会社に勤めて理解したのは、小学生の頃に思い描いた音楽の道に進むという夢を諦めきれないことでした。

会社に勤めながらも頭の片隅では「いつかは好きなことをしよう」と思っていました。それが時が経つにつれ徐々に「かつては好きなことがあった」に変わりつつあったことに、焦りと怒りを感じていました。

「ああ、パイドロスよ。どうしても諦めきれない夢があるというのに。私はこのままでいいのだろうか?」。悩んだ末に「いつか」から脱却しようって決意しました。「いつか」なんて思っているうちは、夢を現実化することは絶対にできないって薄々感づいてはいたのです。

夢に期限を設ける

掻く前に逃げるシラミの如く狡猾になった結果、五年間の計画を作ることに決めました。今直ぐ生活を変えるのはあまりにリスキーですから、5年かけてじっくりと歩を進めることにしたんです。大きな一歩です。

現実的に実行に移せるよう、トランプで城を作るように丁寧に1年ごとの目標をたてていきました。そして5年後の目標にはこう書いたんです。「会社を辞める」。経済的な自立は行動と時間の自由を持続させ、好きなことに没頭する環境を作れると思ったからです。

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それまでの人生では作った計画は計画倒れになることがほとんどでしたから、念には念を入れることにしました。毎週、五カ年計画を振り返り、進捗を更新することにしたんです。

それから毎週この計画書を眺めることになりました。「五年後に会社を辞める」「五年後に会社を辞める」「五年後に会社を辞める」……。

計画をたてた頃は会社を辞めるなんて想像もできませんでした。一体どうやって生きていくんだろうって。それでも毎週のように飽きもせず計画書を眺めては、進捗を更新していったんです。「五年後に会社を辞める」「五年後に会社を辞める」「五年後に会社を辞める」……。

あまりに長すぎた五年間

最初は想像もできなかった目標は、決意として少しずつ私の頭の中に染み渡って行きました。想像できるでしょうか。この歯がゆい気持ちを。毎週のように目につくんです。「五年後に会社を辞める」「五年後に会社を辞める」「五年後に会社を辞める」……。

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やがて決意は完全に私と同化していきました。ブラックコーヒーに注いだミルクが、やがてコーヒー全体の色を変えてしまうようにです。

いつしか五年を三年に縮める方法を考えるようになりました。三年を二年に縮める方法を考えるようになりました。有効なアイデアはまったく思いつきませんでしたが、五年も待っていたらミイラになってしまう気がしてきました。

私が脱サラを決意したのは、明確にいつだったかは分かりません。とにかく、自分で作った五年の計画が、決意が、少しずつ少しずつ私を変えていったんです。最初はたったの五年で人生を変えられるなんて思いもしませんでしたが、いつの間にか五年も待つなんて馬鹿げていると思えてきました。

計画をたててから一年もしないうちに、居ても立ってもいられなくなってきました。失敗にビクついて五年も待つくらいなら!「こんなはずじゃなかった」って思いながら生きながらえるくらいなら!おあずけを食らってこのままゾンビみたいに五年も生き続けるくらいなら!出たとこ勝負で失敗した方がずっとマシだ!って決意が固まったんです。

結局、大したアイデアも思い浮かばないうちに、出たとこ勝負で会社を辞めることだけは決めました。

決意から始めればフルパワーを出せる

会社を辞めた後、最初の半年で見事に失敗したんですが、次の半年でどうにか持ち直しました。

脱サラして半年で貯金が0円になったときの話 | jMatsuzaki


もともと5年かける計画だったのを、ちょこっと失敗を味わうだけで1年に縮めたんですから丸儲けです。あのまま5年も待っていたらどうなっていたでしょう。間違いなく決意は鈍っていたでしょう。今頃ミイラになっていたかもしれません。

私はまだまだ夢半ばですが、これらの経験から実に良い教訓を得ました。

「人生なるようになる」

ではありません。真実はこうです。

「人生なろうと思ったものにしかなれない」

会社辞めます。 – 涼の成長記録

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。