諦めきれない夢を取り戻すために3年かけて作った6階層のピラミッド型タスク管理システム

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私の愛しいアップルパイへ

私には夢があります。ひとことで言えば「他人にとやかく言われることなく、自分の衝動を100%解放した最高にCoooooolな楽曲を、死ぬまでずっと作り続ける」という夢です。

幼い頃から他人の目にいちいちビクついて、人の顔色を伺いながら息苦しく生きてきた私にとって、この夢は人生の支えであり救いでした。この夢に比べれば音楽で他人から賞賛を得るとか、音楽で金を稼ぐなんて些細なことで二の次だと思えます。

今から約3年前、夢を安易に諦めてシステムエンジニアとして鬱屈とした毎日を送っていた私は、この諦めきれない夢へもう一度むかうことを決意しました。そのときにまずもって必要になったのが制約のある現状で最も効果的な時間の使い方をするためのタスク管理システムでした。

諦めきれない夢の前に最初に立ちはだかった時間の問題

いきなりレコーディングスタジオに入るとか、いきなりバンドメンバーを探すとかしなかった私は我ながら賢かったと思います。

時間をどう使うかってのは実に本質的な問題です。あらゆる仕事の根幹にあるものです。私が慢性的に抱えていたのは以下のような問題でした。

  • 日々の仕事に忙殺されて夢に向けての投資時間が後回しになってしまう
  • やりたいことが多すぎて何から手をつければいいか分からない
  • いざ休日になってみるとつい怠けてしまう
  • 計画時と実行時の自分にギャップがあり思ったようなパフォーマンスが発揮できない
  • 将来への不安が強まると、やりたいことに手をつけられなくなってしまう

これを解決するために3年間かけて整備し続けてきたのが以下のような6階層のピラミッド型タスク管理システムでした。

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以上です。、、、もっと詳しく知りたいですか?よろしい、続けましょう。

諦めきれない夢を取り戻すための6階層のピラミッド型タスク管理システム

このシステムは上にいけばいくほど未来の話となり、下にいけばいくほど今に近づいていくようになっています。上から順に1つ1つ見ていきましょう。

1階層目:ミッション

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一番上にはミッションがあります。これは夢そのものといってもいいでしょう。「7つの習慣」の第二の習慣で謳われているミッション・ステートメントを参考にしたので「ミッション」と呼んでいます。

言うまでもなくこの階層で方向性を誤れば、以下の階層すべてに悪影響を及ぼします。自分自身と根気強く対話する必要があるでしょう。

この階層のポイントは2つです。

  • 1.ここではすべてが思い通りになったとして本当にやりたいことを明確にします。当然、不本意ながら続けている仕事や、風呂掃除のような日常的な雑務などは考えません
  • 2.ここでは明確な時間軸は設けません。5年後までになにをやりたいとか、10年後までになにをやりたいといった考え方はせず、死ぬまでずっとやっていたいと思える最重要事項を明確にします。

2階層目:プラン

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2階層目のプランはその名の通り「計画」です。ミッションに時間軸はありませんでしたので、この階層でミッションを時間軸に落とし込んでいきます。私はプランをさらに長期(年代ごと)、中期(5年)、短期(今月)の3つに細分化しています。

この階層もポイントは2つです。

  • 1.ミッションに対していつまでにどんなチャレンジをしていくかを決めます。ミッション同様、本当にやりたいことだけについて考えます
  • 2.ミッションとの違いは時間軸を設けることです。特に重要なのは短期(今月)のプランを作ることです。これで夢に対する次の一手が決まります。

3階層目:アイデア/タスク/イベント

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3階層目はアイデアとタスクとイベントという3つの要素に分かれています。この3つを明確に分けて管理しなければ、なにから手をつけていいか分からない状況になってしまうので、きちんと分けて管理することが重要です。

それぞれの違いは以下のとおりです。

  • 1.アイデアは、やるかやらないかをまだ決断していないことです
  • 2.タスクは、やると決めたけど、いつやるかは柔軟に調整できることです
  • 3.イベントは、やると決めたことであり、かついつやるかも決まっていることです

ここより上の階層では「本当にやりたいこと」だけが対象でしたが、この階層からはそれだけでなく、不本意な仕事も日々の雑多な作業も含めてすべての行動を対象とします。これは大切なことです。やりたいことも、やらざるを得ないことも、すべてが洗い出されていることで初めて、いま本当に没頭すべきことに没頭できるようになるからです。

4階層目:アクション

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4階層目のアクションは分かりやすくいえば「今日やること」です。3階層目で洗い出したすべての行動の中から「今日やること」だけを抜き出したものです。

今日やることだけを明確にするのは、実行力をあげるうえでパワフルな効果を発揮します。次にやることを決めるときに、常にすべてのタスクを見ていたら大変です。タスクの多さに怖気づき、行動に移す気力が湧かなくなるでしょう。だから、休日になるとつい怠けてしまうといったことが起こるのです。

そうではなく、すべてのタスク(3階層目)の中から「今日やること」だけを抽出するようにしましょう。そして1日の中では常に「今日やること」だけを見ていれば良い状況を作りましょう。

5階層目:レコード

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5階層目のレコードは記録です。なんの記録かというと「行動記録」です。

4階層目で明確にした「今日やること」を実行していくとともに、それぞれのタスクを何時に開始して何時に終了したかという行動記録を残すのです。

ここをおろそかにしている人は多いですが、行動記録は以下3つの点でパワフルな効果を発揮します。

  • 1.記録を残す瞬間に自分がこれからやることに意識的になるので、いつの間にか無駄に時間を浪費していたという事態を防げます
  • 2.過去の自分の記録を眺めることで、思いもしなかったアイデアを思いつくきっかけが生まれます
  • 3.過去の行動記録を分析すれば、失敗パターンと成功パターンが整理できます。結果的に未来の行動を改善する策を練ることができて、いずれタスクに振り回されることがなくなります

6階層目:レビュー

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6階層目のレビューは「振り返り」です。1〜5階層目までの計画と実行を振り返って、タスク管理システムをチューニングします。

私は瞬時(タスク終了直後)、日次(1日の終わり)、週次(毎週日曜日)、月次(毎月第一日曜日)、年次(年始)のタイミングでレビューを行うようにしています。

このようにレビューのタイミングを小刻みにすることで、1回1回の振り返りの負荷を減らし、同時に振り返りの精度をあげることができます。

レビューによってシステムをチューニングしていけば、計画時と実行時の自分のギャップを減らし、自然に最高のパフォーマンスを発揮できるようになっていきます。

タスク管理で自信を取り戻し、夢に向けて着実に前進できる習慣ができた

このタスク管理システムを構築し、使いこなし、チューニングし続けることによって、私は想像していた以上の効果を得ました。

このシステムは、言わば「自分と約束ごとをして、それを確実に実行に移せるシステム」です。自分と約束をして、それを守る。この繰り返しが、当時夢を諦めかけて自信をなくしていた私にとって、とても効果的だったのです。

▼今日お話したそれぞれの階層ごとに、私が使っている具体的なツールや書式のテンプレートなどを以下のページで公開しています。こちらも御覧ください。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。