私の愛しいアップルパイへ
2013年1月25日、ライフハック心理学の佐々木正悟氏とシゴタノ!の大橋悦夫氏による共著「スマホ時代のタスク管理「超」入門」が発売されたと鼻息を荒くしてお伝えしたのを覚えているでしょうか。
【我が書評】→新入社員に教えたい!タスク管理入門の新定番~書評:「スマホ時代のタスク管理「超」入門」by佐々木正悟&大橋悦夫~
今日は本書を読んで私が実際に取り入れることにした7つのアイデアをご紹介することにします。上記の書評ではざっくりとした考え方だけを紹介しましたが、もっと具体的なポイントをお伝えせねばと感じたのです。それこそ私がこの日本という国に生まれた理由なのだと感じました。
タスク管理を高性能にする7つのアイデア
それではタスク管理を高性能にする7つのアイデアとして、以下項目について1つ1つ解説していきます。
1.「5分だけダッシュ」のタイマーを設定しておく
2.今日やるべきと思っていることを毎日書き出す
3.やらないことリストを作る
4.プロジェクト名を辞書登録する
5.何に脱線したくなったかを書いておく
6.NextActionを当日・翌日・今週に分ける
7.他人との約束タスクに印をつける
1.「5分だけダッシュ」のタイマーを設定しておく
先送りしようとしたタスクを先送りする前に”5分だけ”手をつけることによって仕事を先に進めるという手法があります。これ自体の効用は私も理解していますし、常に念頭に置いているつもりです。実際、1日のうち何回かは5分位はやっておこうという気分で手をつけるタスクもあります。
ただ、正直に告白すると、それをやらずに複数のタスクを丸ごと先送りしていたことがあるのも事実です。それも頻繁に。
このような事態を避けるためにも、あらかじめ5分リミットのタイマーを設定し、すぐ使えるようにしておけというアイデアが本書に書かれています。確かに今までは「5分だけ!」と考えてもタイマーを設定しなかったか、やったとしてもそのときに5分タイマーをセットしました。
ですから、さっそく本書にある通り「Due」というタイマーアプリに「5分だけダッシュ」というタイマーを作成しました。
2.今日やるべきと思っていることを毎日書き出す
大事なことは、どんなに仕事がたくさんあっても、やみくもにとりかかる前にまず「今日とりかかること」のリストの作成をしてしまうこと
P.86
本書には「タスクをトリアージ」すると表現しながら、一日のはじめに今日やることを明確にしましょうと書かれています。その目的は「本当に今日終わらせなければならないこと」をはっきりさせることと書かれています。
私は起きてすぐにタスク管理システムを眺めて、1日の計画をかなり細部まで組み立てるようにしています。
ただ、正直に告白すると、1日の計画をたてるときに1日で終わらない量のタスクが浮かび上がってきてうんざりすることもありました。計画をたてる気が起きなくなるほどに。
そこにはやった方が望ましいものも、絶対にやらないといけないことも同列に存在していたからです。そこで、1日の計画を細部まで検討する前に、本当に今日取り組まないといけないと感じていることが何かを考える時間を別枠で設けることにしました。
タスクリストを眺める前に、本当に今日終わらせなければならないと感じていることが何かに注意を向け、頭の中を整理しておくのです。
3.やらないことリストを作る
本書では「やらないことリスト」を作って、毎朝それを確認するというアイデアが紹介されています。「やらないことリスト」という考えは特に真新しいことでは無いかも知れません。私も以前やらないことリストを作ったことがあります。
ただ、正直に告白すると「やらないことリスト」の効用をいまいち実感できていなかったのも事実です。それはそうです。私の「やらないことリスト」に書かれていたのは”明らかにやらない方が良いこと”や”ついやってしまう憂さ晴らし”のようなものばかりだったからです。
これらはやらない方が望ましいので、普通にしていればリストを読み返す必要もなく、”やらない”のです。
本書に書かれている以下の「やらないことリスト」の定義を見て、なるほどと思いました。
これらのうち2つか3つは「絶対にやったほうがいい」とよくいわれています。たぶんそれだけの価値があるのでしょう。しかし一方でどれも時間のかかることです。つまりやらなければその分時間を節約できて、自分がやりたいことをやれるのです。
P.91
「絶対にやったほうがいい」といわれているような価値のあることを「やらないことリスト」に書くから効果があるわけです。
4.プロジェクト名を辞書登録する
些細なことかもしれませんが、非常にストレスになることのうちの一つに、プロジェクト名が統一されていないということがあります。Evernoteのタグにあるプロジェクト名と、DropBoxに存在するプロジェクト名のフォルダの名前が一致してないと、実に腹が立ちます。私はこう見えて繊細なのです。
ですから、プロジェクト名を使う時は統一するように細心の注意を払っています。
ただ、正直に告白すると、どのプロジェクト名が正しいか分からなくなって、そういったフォルダを作ったり、タグを作ったりするのを先送りしたことがあるのも事実です。いちいち正しいプロジェクト名を確認するのが面倒なのです。
それでは本末転倒なのは分かっています。そこで、本書に素晴らしい解決策が書かれていました。それがプロジェクト名を辞書登録するというものです。辞書がプロジェクト名なら呼び出しも簡単です。
5.何に脱線したくなったかを書いておく
作業の脱線がいかに作業効率を下げるかは誰もが知っているはずです。インターネットで調べものをしていたはずが、当初の目的とは関係のない全く別のページを見ていたということは少なくないでしょう。
この脱線を防ぐためにあらゆる手段を試してきました。デスクトップに無駄なファイルを置くのをやめたり、脱線できないように作業用のユーザーを別途作ってみたり。
ただ、正直に告白すると、脱線できないこの悶々とした気分の行き先がなく、ついスッキリしようとして脱線することがあるのも事実です。
そこで本書に書かれているのが、脱線したくなったらその内容をタスクとして登録するというアイデアです。これなら脱線できない悶々とした気持ちの行き場が出来ます。さらに、後で本当に脱線すべきかどうかの冷静な判断を下せるわけです。
6.NextActionを当日・翌日・今週に分ける
タスク管理の鉄則はシンプルです。次にやること(NextAction)を明確にすることです。私のモットーをご存知でしょうか。「世界は行動に報いる」です。ですから、私は人一倍次にすべき行動を明確にすることに心血を注いできました。
ただ、正直に告白すると、NextActionの印をつけたタスクの量が膨れ上がってしまい、今本当に手をつけるべきことが何かを判断するのに時間がかかる状況に陥ったのは1度や2度ではありません。
本書に書かれているアイデアを見て、これは使えると思ったのがタスクを実行日で管理するアイデアです。
確かにタスク登録時に締切日は設定していましたが、実行日は設定していませんでした。NextActionを実行日で「今日」「明日」「今週」などに分ければ、NextActionを小分けにできて、今本当に手をつけるべきことを判断するのが楽になります。
7.他人との約束タスクに印をつける
私は計画が完璧でないことを知っています。ですから、計画が大幅に変更となる可能性も常に意識しています。緊急事態が生じたらすぐに、やるべきことと諦めるべきことを判断し、計画を修正すれば良いのです。そうするだけの覚悟が私にはあります。
ただ、正直に告白すると、緊急事態が発生したときに当初の計画の中で決して捨ててはいけないものが何かを安易に判断できず、大きなストレスを感じたことが多々あるのも事実です。
特に気をつけなければならないのは、他人と約束した仕事を安易に先送りして信用を失ってしまうことです。このタスクを捨てることで自分以外の誰かに迷惑をかけることが無いかを判断しなければいけないことを考えると、計画の修正というのは大きなストレスがかかります。
そこで本書に書かれている他人との約束タスクに印をつけるというアイデアを見てハッとしました。このタスクを諦めると誰に迷惑をかけてしまうのかが明確になっていれば、計画をたてるときにも修正するときにも有効な判断基準になるでしょう。
上級者にもオススメの一冊
私はタスク管理を高度化するために今まで様々なアイデアを試してきたつもりです。お二人の著書だってブログだって穴があくほど読みました。実際ディスプレイにドット落ちが発生し、修理に出そうか悩んだくらいです。
それでも本書からは色々な新しいアイデアを受け取りました。タイトルには「超」入門と書かれていますが、タスク管理に自信のある人にも是非読んでほしい一冊です。
【我が書評】→新入社員に教えたい!タスク管理入門の新定番~書評:「スマホ時代のタスク管理「超」入門」by佐々木正悟&大橋悦夫~
貴下の従順なる下僕 松崎より