コスパが良く高速な外付けSSD製品の比較とおすすめ

コスパが良く高速な外付けSSD製品の比較とおすすめ

私の愛しいアップルパイへ

私が新しいMacBook Proを手に入れたことはあなたもすでにご存じのとおりですが、内蔵ディスクが1TBでは物足りなさを感じます。

私の場合は作曲データ、特にオーディオプラグインのライブラリーデータを保存する場所が必要なため、なるべく高速で容量の大きいSSDが必要となりました。

そういうわけで若いころのブライアン・フェリーみたいにイカした外付けSSDを探す旅が始まりました。外付けディスクはパフォーマンスのボトルネックになりがちですので、今回はその点を意識しつつグルメなあなたも満足できるコストパフォーマンスの高い外付けSSD製品を選びます。

以降、製品選びの基準と比較表を掲載していきますが、とにかくイチオシの製品を知りたいというあなたのために結論をお教えしておきます。私のイチオシで、実際私が購入したのはWestern Digital My Passport Portable」の2TBモデルです。

製品選びの基準について

容量は2TBを採用

実際の製品比較へ入る前に製品の選出基準を解説します。

まずSSDの容量についてですが、1TBでは懸念があったので2TBを採用することとしました。2TBを超える製品もありますが、価格が大幅に上がるためコストパフォーマンスの良いラインとして2TBの製品を選ぶことにしました。

1TBの製品だとさらに選択肢は広がりますが、基本的に今回ピックアップした製品の1TBモデルを選べば問題ないはずです。

自作の外付けSSDも含めて検討

今回は主に既成の製品を比較しましたが、念の為オプションとしてSSDエンクロージャを使用した自作外付けSSDも検討しました。

自作外付けSSDとは、マザーボードに直接接続する内蔵SSDを専用エンクロージャに入れることで外付け化する方法です。

こうすることでコストメリットがあるとともに、選択肢が広がるので既成の外付けSSDより高速になる場合もあります。

ただし、メーカーのサポートが十分に得られなかったり、相性不良などで思っていたようなパフォーマンスが出ないなどのリスクもあります。また、エンクロージャは既成の製品よりも落下や雨による故障、排熱が十分に設計・テストされていない場合があるので注意が必要です。

今回は参考までに外付けSSDについても検討しました。

SATAではなくNVMeを通信規格として採用

SSDの各規格ですが、SSDの接続方式はSATAではなくNVMeを絶対条件とします。

SATAは接続速度が最大でも500MB/s〜600MB/sです。これでは現在外付けSSDとPCを接続する標準的な規格であるUSB 3.2 Gen 2やThunderbolt 3以降の接続速度を大きく下回って、SATAがデータ読み書き速度のボトルネックとなってしまいます。

NVMeであれば最大で4GB/s以上の速度が出るため、今回はこちらを採用します。

PCとの通信方式はUSB 3.2 Gen 2を採用

パフォーマンスを検討する上でもう1つ注意しておくべき点として、PCと外付けSSDとの通信方式があります。現在外付けSSDとの接続にはUSBとThunderboltが主流となっていますが、 現状コスト対効果を考えるとほとんどUSB一択と言えるでしょう。

USB 3は命名規則が変わって非常に分かりづらいので注意が必要です。ここではUSB 3.2系の命名規則にもとづいて書きますが、一応旧名称も併記しておきます。

USB 3.2 Gen 1(旧名:USB 3.0、USB 3.1 Gen 1)は最高速度が625MB/s(5Gbps)ですので、これはボトルネックとなります。理想的には最新の規格であるUSB 3.2 Gen 2×2以降か、Thunderbolt 3以降が望ましいです。実際、最新(2021年モデル以降)のMacBook ProであればUSB portはUSB 4およびThunderbolt 4に対応しています。しかし、現時点ではこれらの規格に対応した外付けSSDはかなり高価です。

コストパフォーマンスを考えると現在主流で現実的な選択肢となる最も高速な規格はUSB 3.2 Gen 2(旧名:USB 3.1 Gen 2)です。

USB 3.2 Gen 2の最大通信速度は1.25GB/s(10Gbps)ですから、この速度に対応したNVMeが望ましいこととなります。

そういうわけで今回は1.25GB/s程度の速度が出るNVMeおよびUSB 3.2 Gen 2に対応した外付けSSDを選ぶこととしました。

外付けSSD製品の比較表

これらの条件に満たす外付けSSDの製品として現在(2022/01/07時点)お勧めできるのはSanDisk、Samsung、Western Digitalによる3製品です。実際に選んだモデルは次のとおりです。

なお、SanDisk Extreme Portable SSDは最新バージョンであるv2でなくv1を選んでいます。v2であればUSB 3.2 Gen 2×2に対応しており2GB/sの転送速度が出るものの、USB 3.2 Gen 2までしか対応していないデバイスに接続すると最大通信速度が1.25GB/sに制限されて性能を持て余すうえ、他の製品よりも割高になるためです。ただし、USB 3.2 Gen 2×2での接続が可能な環境で、金額が1.5倍ほど高くてもよりよいパフォーマンスが必要であれば有力なモデルとなるでしょう。

自作の外付けSSDとしては、規格の条件を満たしつつコストメリットの高い次の製品を選びました。

それぞれの価格について現時点(2022/01/07時点)でのAmazon.co.jpの価格を掲載しています。時期やショップによって価格は変動しますので、比較のための参考値としてください。

なお、Kingston NV1のリンク先はより安価であったNV1-Eにしていますが、どちらも同一仕様の製品です。販売ルートが異なるだけのようです。1

エンクロージャを使った内蔵SSDの外付け化については、各社の製品を比較してなるべく信頼できる製品を選んだつもりですが、当方では動作未検証ですのでご注意ください。

それではお待ちかね、それぞれの比較表を次に掲載します。

製品名SanDisk Extreme Portable SSD External Hard DriveSamsung T7 Portable SSDWestern Digital My Passport PortableKingston NV1 + FIDECO SSD Enclosure
製品画像SanDisk Extreme Portable SSDSamsung T7WD My Passport PortableFIDECO SSD Enclosure
メーカーSanDisk
(Western Digitalの子会社)
SamsungWestern DigitalKingston + FIDECO
タイプ既製品既製品既製品自作
SSD接続規格NVMeNVMeNVMeNVMe
パソコンとの通信方式USB 3.2 gen 2USB 3.2 gen 2USB 3.2 gen 2USB 3.2 gen 2
サイズ2TB2TB2TB2TB
価格35,800円41,000円33,800円27,079円(22,980円 + 4,099円)
商品リンクAmazon.co.jpAmazon.co.jpAmazon.co.jp
備考最新モデルとしてv2が存在する。ここではコストメリットを重視して従来のモデルを選択。

私はWestern Digital My Passport Portableを選択しました

比較結果として、コストパフォーマンスに優れるとともに、ディスク市場で信頼性の高いWestern Digitalによる2製品「SanDisk」「My Passport」が際立つ結果となりました。

自作の外付けSSDは5千円ほどのコストメリットがあるものの、パフォーマンス面でのメリットはなく、相性不良のリスクや耐振動や雨天などに対する信頼性を考えて選択から除外しました。

やはりSSDはデータを保存する場所ですから、Western Digitalの安心感は大きいです。

私はこの2製品のうちでも、Western Digital本体から販売されている「My Passport Portable」を選びました。ほとんど価格が変わらなかったのと、発売日が新しいモデルであったためです。

海外のテック系サイト「AnandTech」によるベンチマーク結果では、価格としては割高であるSanDiskの最新モデル「Extreme Portable v2」にも引けをとらない製品として性能テストの結果が掲載されています。2

ただし、「SanDisk Extreme Portable SSD v1」がセールなどで安価に入手できる場合には、こちらを選択するのも有りでしょう。

是非外付けSSDを購入する参考としてみてください。

貴下の従順なる下僕 松崎より

参考文献

  1. Nv1と nv1-eの違いはなんですか? | Amazon.co.jp: カスタマー Q&A
  2. SanDisk Extreme Portable SSD v2 and WD My Passport SSD (2020) Review | AnandTech
著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。