本当に好きなことが本当に好きだからという理由で着手できなくなる問題と3つの対策

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私の愛しいアップルパイへ

はっきり言いましょう。素晴らしい人生を送ろうと思ったら方法は1つしかありません。「自分の大好きなことに没頭すること」です。

なんとも単純な法則ですが、実践するのはそう簡単なことではありません。人には、自分の大好きなことが手につかないということがよくあるからです。しかも、大好きなことだからこそ手がつけられなくなるのですからふしぎです。私にも心当たりがいくつもあります。

いったい本当に好きなことが本当に好きだからという理由で着手できなくなるのは何故なのか。この問題とどう向き合っていけば良いのか。これがストレングス・ファインダーで有名な「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」で見事に整理されていたので紹介します。

本当に好きなことが本当に好きだからという理由で着手できなくなる問題と3つの対策

本書は、以下に引用した考えにのっとって、人間の持ちうる能力をまんべんなく伸ばしたり弱点を克服したりするよりも、自分本来の強みに集中して徹底的に伸ばすことによって成功できることを説いた本です。

1.人の才能は一人ひとり独自のものであり、永続的なものである 2.成長の可能性を最も多く秘めているのは、一人ひとりが一番の強みとして持っている分野である

P.12

そのなかで、自分の強みを築くことに積極的になれない人が大勢いるということにも触れています。これはまさに、私の言う本当に好きなことが本当に好きだからという理由で着手できなくなる問題そのものでした。

本書ではその根底にあるのは3つの恐怖だと説いています。

1.弱点に対する恐怖
2.失敗に対する恐怖
3.真の自分に対する恐怖

1.弱点に対する恐怖

まず覚えておいてほしいことがある。それは、弱点に厳しい眼を向け、それを克服しようと努力することもときには必要だが、結局のところ、失敗を回避する助けにしかならず、すぐれた成果を収める助けにはならないということだ。

P.186

自分の弱点を恐れ、自分の強みを発揮できる分野よりも、弱点を克服することに奔走してしまうのはよくあることです。

弱点を放っておいたらいつか痛い目に会うかもしれませんし、弱点の克服は自分にとって一番の”のびしろ”にも見えるからです。

しかし、自分の弱点にばかり目を向けていると、自分の強みに没頭する余地がなくなってしまうでしょう。いつしか自分の強みに自身が持てなくなり、強みを伸ばすことに手をつけられなくなるというわけです。

2.失敗に対する恐怖

そういった失敗の中で、いつまでも忘れられず、何よりダメージの大きいのが、得意分野で自ら志願し、全力を上げて取り組んだにもかかわらず、不首尾に終わった失敗だ。この種の失敗から受ける苦痛はきわめて大きい。

(中略)

こうした得意分野での失敗に対する恐怖には、ほかの恐怖にはない屈折した面がある。というのも、このような失敗には世間の最大級の嘲りが待っているからだ。

P.187-188

失敗する恐怖も我々の身近にある大きな脅威です。しかも、好きなことであればあるほど恐怖は増すのですからたちが悪いのです。その上、嘲笑されるリスクもあるとなったらたまったものじゃありません。

しかし、この恐怖にとらわれていては希望はありません。ご存知のとおり方法は1つです。失敗を恐れず、むしろ必要な経験と割りきって何度も足を前に踏み出すことです。

3.真の自分に対する恐怖

みなさんの中には、自分の強みを探る気が起こらない人もいるかもしれない。が、それは、自分の真の姿などなんらとりたてて言うほどのものではない、と思い込んでいるからだ。程度の差こそあれ、劣等感、虚言、自信のなさなど、それはだれにもなじみのあるものだ。

P.192

自分にとって大好きなこと、自分にとってことさら重要なことであることについて「現実を知りたくない」という矛盾にも似た葛藤が生まれることがあります。

自分にとって大好きなことが、実は世界的に見れば大した知識でも技術でもなかったら、アイデンティティーが崩壊するような恐怖を感じるでしょう。ですから「私だって時間さえあれば、、、私だってあんな環境だったら、、、」という可能性の中に逃げ込みたくなるわけです。

この恐怖を克服するためには、自分の大好きなことを自覚するとともに、今の自分を受け入れる勇気が必要になるでしょう。

恐怖を乗り越えて本当に好きなことに没頭せよ!

このように、本当に好きなことには様々な不安と恐怖がつきまといます。しかし、本当に好きなことに没頭できない人生ほど虚しいことはありません。

本書にもこんな記述があります。

人生における真の悲劇とは、傑出した強みを持たないことではなく、強みを活かせないこと、ということだ。かつてベンジャミン・フランクリンは言った。「日陰の日時計がいったいなんの役に立つのか」と。眠れる強みとは「日陰の日時計」にほかならない。

P.17

ちなみに、本書では自分の強みを診断してくれるストレングス・ファインダーのアクセスコードが入手できます。この診断も大変面白いのでオススメです。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。