好きなことをとことん追求する性格という違和感

medium_5290339912
photo credit: Numerius via photopin cc

私の愛しいアップルパイへ

私が強い違和感をもつ言葉の1つに「好きなことをとことん追求する性格」という言葉があります。大抵の場合、他人を褒めるときに使われることが多い言葉です。

さて、ここにお集まりの明朗な精神を持った皆さまならもうお気づきでしょう!この世に好きなことをとことん追求しない人など1人も居ないということを!!

人は生まれながらに好きなことならとことん追求するものだし、そうすべきだ

人は自分の好きなことならとことん追求したくなるものです。当然です。自分の嫌いなことをとことん追求したくなるなんて人は居ないでしょう。

もちろんやり方は人それぞれ違うかもしれません。自分の好きなことを様々な視点から分析するのが得意な人、自分の好きなことの関連情報を広くかき集めるのが得意な人、自分の好きなことの核となる部分を見極め集中するのが得意な人。

ただ、いずれも好きなことをとことん追求する性格なのは変わりありません。そもそも、この世の全ての人が生まれながらに好きなことをとことん追求する性格なはずです。そうすべきなのは太陽の光によって明らかなのですから。

ですから、好きなことをとことん追求する性格なんて言葉は本来存在する必要がないのです。

本質的な問題は人がそれを実現できない状況に陥ることがあり、その状況に甘んじてしまう空気感が存在することです。

「好きなことをとことん追求する性格」という言葉の裏には、「好きなことをとことん追求できない環境」に対する問題が根底にあるのです。

好きなことがとことん追求できない理由

勇気をもって言いますが、好きなことをとことん追求できるかどうかは性格の問題ではありません。

もし自分以外の誰かが「好きなことをとことん追求する性格」に見えるようなら、誰もが抱える人生における2つのタスクについての取り組みが欠けているということです。

  • 1.自分の好きなことがなんなのか、妥協なく真剣に向き合う忍耐強さ
  • 2.自分の好きなことを追求すると決意して行動に移す勇気


繰り返しますがこれは性格の問題ではなく、やるかやらないかの問題です。

ですから「好きなことをとことん追求する性格」なんて言葉を聞くと、私は何ともいえない気持ち悪さというか違和感を感じるのです。

▼好きなことになかなか着手できない理由については、以下の記事も参考にしてみてください。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。