つまらない人生にうんざりしたら読む記事 7: 世界の要求に応えるために、自分の力を活かそうとするな

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前回までのjMatsuzaki

世界からの要求に答えようとするがあまり、我慢の人生を選んだことが人生をつまらなくする要因だと説くjMatsuzaki。彼は、人生がつまらないのではなく、世界の要求に応え続けるために松崎少年は自ら「つまらない人生」を必要としたと雄弁に語った。

そしてついに、つまらない人生から脱却する方法について語りはじめるjMatsuzaki…

世界の要求に応えるために、自分の力を活かそうとするな

まだよくわかってないって顔だな。いいだろうゴルディアスの結び目を断ち切ったアレクサンドロス大王のごとく、あんたの問題を解決してやろう。

いいか、あんたの一番の勘違いはな、「世界の要求に応えるために、自分の力を活かそう」って思ってたことさ。

あんたは世界の要求に応えることで快感を得られると思ってた。意思疎通をすること。仲間を増やすこと。知識を増やすこと。仕事をすること。これらの快感は、世界の要求に応えた結果だと思った。だからいつの間にか犬みてぇに世界から要求がくるとヨダレが出るようになった。

実は違った。あんたが心から快感だったのは、自らの内に眠る潜在的なパワーを発揮したときだった。これが救いであり、出口さ。

言葉を覚えたときも、人と心を通じあえたときも、新しいことを理解したときも、なにかを創りだしたときも。あんたは自分の力を解放することが快感だったんだ。そして自らの内に眠る可能性にワクワクもした。だが、間髪入れずに世界が褒めてくれるもんだから、世界の要求に応えることこそが快感なんだと勘違いしちまった。

あんたは世界の要求に応えるために力を発揮しようとする必要なんてなかった。本当はな、自分の力を解放すること自体が快感だったからだ。それがエネルギーの源だった。むしろ、世界のために自分を削ぎ落としていくことで、わけもわからないうちに冷めちまった。

あんたはまるで地球と月みたいな人生を送ってきたんだ。あんたはまるで月だぜ。地球から見たら月ってのは常に同じ面を向いてる。地球のまわりを一周するのと同じ速度で自転してるからな。移動はするが、見せる面は変わらない。だから、地球からは月の裏側を見ることができない。まるで、世界に向けて常に同じ仮面をつけてるあんたの生き方みたいだ。

だが、月に見えない裏側があるみたいに、あんたにも見えない部分があった。あんたは自分の中に眠ってる月の裏側を誰かに見つけて欲しかったのさ。だが、世界はあんたを軽視するもんだからな。言っても無駄だと思うことにした。裏側なんて最初からないと思うことにした。

思い出せ。そもそも世界の要求に応えることが、あんたの価値だって勘違いが諸悪の根源なんだ。だから、世界にあんたの月の裏側を認めてもらう必要なんてなかったのさ。あんたにとっては、自分の力を解放すること自体が真の喜びだったんだ。だから、自分で自分の月の裏側を覗きこめばいいのさ。

そうしたら、人生のまったく違うもう1つの側面があらわれてくる。一言でいうなら「自由」さ。いままでのあんたの「我慢」の人生とまったく逆の側面だ。まるで月の裏側みたいにな。

あんたの意志はこの世で唯一の自由であり希望だ

で、月の裏側ってのはなんなのかって?まぁ、いろいろな言葉で表現するやつがいるな。俺は「意志」って呼んでる。衝動っていう奴もいれば、信念っていう奴もいる。願望っていう奴もいれば、欲求ってよんでる奴もいるがな。

「意志」なんてピンと来ないか?そうだろう。なんてったって、世界の要求に応えるために意志を働かせるんだってながらく勘違いしてたんだからなぁ。実は違う。先に意志があったのさ。意志は要求を完遂するための道具じゃなく目的自体だったなんて、いきなりはピンと来ないだろうよ。

だが、これは知れば知るほど奥深いもんだぜ。あんたの目の前を眺めてみろ。視界いっぱいに宇宙が広がってるだろ。それと同じくらいだだっ広い宇宙が、いや、それよりもずっと広い宇宙が、あんたの内側に広がってるんだ。それがあんたの「意志」さ。

意志ってのはとりとめがない。この世で唯一、根拠もないし、原因もないし、規則もないし、理由もないし、時間もないし、空間もない。しかも実感できるのはあんただけ。それでいて、少なくともあんたが知りうる限り、この世で唯一の自由だ。

さらにだ、その意志ってやつは、世界に現存するすべての偉大なる仕事の第一運動でもある。

あんたの大好きなものを言ってみろ。ハワイアン風のバーガーとジンジャエールか?そう、そのハワイアン風のバーガーとジンジャエールだって誰かの意志なしには生まれなかったんだ。驚いたか?

 

>> 次号: あんたの意志であんたの伝説を作りあげろ(12/4 19:00掲載予定)

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。