jMatsuzakiさんのブログをご覧のみなさま、こんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
音楽家でライターのhaLuna(ハルナ)です。
今回も、タスク管理についてのjMatsuzaki氏インタビュー記事をお届けします!
※今回は私haLuna自身のバックボーンと照らし合わせてかなり突っ込んだお話を伺ったため、内容もディープですが大ボリュームとなっております
今回は、時間管理マトリクスのうち第Ⅱ領域に深く関わってくる、ミッションステートメントについて語っていただきました。
ミッションステートメントについては、『7つの習慣(第二部 私的成功 – 第2の習慣 終わりを思い描くことから始める)』の中で語られています。
jさんのミッションステートメントについての記事はこちら↓↓
実は、私はミッションステートメントを作っていません。
それにはとても個人的な理由があります。それは、自分がキリスト教であるということなのですが、ライフエンジン(jさんの運営するオンラインコミュニティ)の中にも何人かクリスチャンが在籍しており、彼らとの間でミッションステートメントが書けないことについて話したことがありました。
(キリスト教には「御心のままに(人間の歩む道は人間が決めるものではない)」という価値観があります)
今回、超超個人的かつ微妙なトピックながら(政治と宗教と野球の話は揉め事のもとって言いますしね……)、思い切ってjさんに相談をしてみました。
すると、返ってきたのは意外ともいえる答えでした。
“柔軟性”と“一貫性”
そもそも、ミッションステートメントは作るべきものなのか? というところからお話を聞いてみました。
やはり、jさんはミッションステートメントについて、必要と考えていらっしゃるのでしょうか。
「ミッションステートメントが必要かどうかっていうところで一番重要なるのは、たぶん一貫性と柔軟性で。
ミッションステートメントを書くことによって柔軟性が失われて、一方で一貫性を得られるっていうこと」
たしかに、そこはトレードオフな部分もありますよね。
「人ってすごく流動的じゃないですか。非常に適応性と柔軟性に溢れる、変化に富んだ存在だと思うんですね。それってすごく自然で。
その中で一貫性を保つことは難しい。自分の中で大切なものがあるとしても、ふとした時にその軸から外れて、流動的な動きをしてしまうことは多々あるんですよね。いいか悪いかは別にしても。
自分は“これ”に基づいて生きたい。けども、まったくそれとは関係ないところで時間を使ってしまっている。
ってなった時に、“それ”をいかに思い出せるようにするか。
それこそ、寝起きとかミッションがどうの、なんて考えたくないと思うんですよね。頭ボーッとしてるから(笑)。
そういう時でも文章があることによって、少なくともボーッとしている頭とは別のところに明文化されたものがあるんで。そこに身を寄せることで、少なくとも、思い出せると。
なので、迷った時に効果を発揮するっていうのはありますよね」
寝起きのお話はすごくわかります……毎日生まれたてのような頭の働かなさなので、とてもじゃないけどミッションのことなんて考えられません……(大変、朝に弱いhaLunaです)
Noを言える人は大きなYesを持っている
では具体的に、ミッションステートメントを書くことにはどんなメリットがあるのでしょうか。
「たとえば日本人という括りで言うと、日本人は『No』を言うのが苦手だっていうことがよく語られると思うんですよね、一般的に。
じゃあ、『No』って言うのが苦手な人がどうやったら『No』と言えるようになるかっていうと、そこがまさにミッションステートメントの話で、Noと言える人は大きなYesを持っているっていう考え方があるんです。
『No』と言える人は別に人の気持ちに鈍感な人というわけではなくて、それをNoと言えるだけの大きいYesが自分の中にあるから、細かいことにNoと言える。ミッションステートメントの価値っていうのはそこにあると思うんですよね。
ミッションステートメントというのは、大きなYesを忘れないように持っておくということなんです」
なるほど、大切なYesをしっかり握っているためには、そこから離れないためのNoが必要なんですね。
それが、限られた時間のなかで第Ⅱ領域を増やしていくための鍵にもなっていそうです。
思い出すために、明文化されたものがあること
「ミッションステートメントがないと、結構、忘れてしまうんですよね。細かいディティールとか、決意とか、覚悟とか、信念というものをね。
そうすると、小さいことにNoと言えなくなってしまうので、振り回されちゃうと。
そういうところで、柔軟性を保ちつつも、本当に大切なところでミッションステートメントで一貫性を持っておくっていうのは、非常に効果的かなという」
たしかにおっしゃる通り、先ほどの寝起きの話もそうですが、人間いとも簡単に(それが心や環境の問題だけでなく、シンプルにフィジカルな問題によっても)忘れてしまう、瞬間的に抜けてしまうということを繰り返しているなと痛感します。
「歯がゆいところなのは、ミッションステートメントというのはおそらく一生正解にたどり着けないこと。絶対に完成しないんですよね。なので、一生ミッションステートメントを書き直していくというタスクが必ず発生するというのは、ありますね」
なるほど、人は(上でjさんが述べたような“流動的なゆらぎ”とは別に)成長も変化もするし、さまざまな気づきを経ながら軸そのものも強度や座標を微妙に変えていくものだから、常にアップデートしていく必要があるということなんですね。
それはタスクであると同時に、一生、自分自身と向き合っていくということでもありますよね。
「そうですね。うん」
次回予告:人生に深く関わる「ミッションステートメント」
ミッションステートメントとは、Noを言うためのYesを自分の中にしっかり持っておくためのものであり、迷った時に羅針盤となるようなことをはっきりとした形で示しておくものだということがわかりました。
次回はさらに、自分の人生と切っても切れないような信条や宗教観を持つような人にとってのミッションステートメントについて深掘りしていただきます。
日本人は無宗教、あるいは臨機応変に対象を変えながら信仰を持っている人(神社に初詣に行き仏式の葬儀に出ても、心を込めて手を合わせたりしますよね)が多数かとは思います。しかし、宗教観を絡めた話でありながらも最後はミッションステートメントの最も本質的な部分に迫るものとなっています。
(宗教もある意味、人の生き方の根幹に関わる部分のお話なので、そこに回帰していくのでしょうね)
どなたに読んでいただいても、興味深い内容となっておりますので、どうぞご期待ください。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!