作曲時に「この曲のこの場所!」を命名する

koko

  
私の愛しいアップルパイへ
 
作曲時、自分の曲の特定の場所を何て呼んでますか?
 
時間で呼んでますか。小節数で呼んでますか。
“Aメロ”とか”サビ”とかなんとなくその場で決めてませんか。
 
私も前は適当にその場で思いついた呼び名を付けていたんですが
最近かなり命名規則が固まってきたので、ここらで整理してみます。


 

◇「パーツに呼び名が無いと結構不便」
 

厳密な呼称が標準化されていないので、人にいきなり説明しようとしても不可能です。
普段自分が聴いた曲を人に伝えるたいだけであれば、曲の旋律を口ずさめば良いし
そもそもそんなに厳密に「ココッ!」を定義する必要性がありません。
 
ただ、共同作曲なんかする時は曲の場所を厳密に指定したくなるでしょう。一人で作る時でも呼称が無いと非常に不便です。
私は完全に一人で制作していますが、呼称が決まっていなくて一番不便だったのは思いついたアイデアをメモする時です。
 
私はアイデアはテキストファイルにリストアップしていますが、
新たに旋律を加えた方が良い箇所を思いついたり修正すべき旋律に気がついた時なんかは
「ココッ!」ってのが決まって無いとすごくモヤモヤします。
曖昧にメモすると後で見返した時なんの事か解らなくなって欠けがえの無いアイデアが失われたりするのです。
 
あとDTMをやっている方なんかは、DAWに曲を部分部分でマーキングする機能が
あると思います。
私はCubaseを使っているのでマーカーを作成する時に大変使い勝手が良くなります。
 
では私が実際に使っている命名規則を見てみましょう。
 

◇「全ては2小節の組み合わせ」

 
1.動機

まず楽曲の最小単位を決めましょう。私は2小節としています。
これは旋律に拍子と重心を持たせ、独立的な楽想を持たせる為に最低2小節必要だからですが、
難しい事は抜きにして決まりだと思って下さい。
 
そしてこの2小節を「動機」と呼びます。

 
2.小楽節

次に動機が2つ繋がって4小節になります。
これはまったく同じ動機でも、全然違う2つの動機を繋げても良いです。

この4小節を「小楽節」と呼びます。

 
 
3.大楽節

ここまではまだ単位だけです。
次に小楽節が2つ繋がって8小節になります。
 
この8小節を「大楽節」と呼びます。
 
この大楽節の単位で曲が大きく展開する場合が多いので、
私はこの大楽節の表記を「第Ⅰ楽節、第Ⅱ楽節、第Ⅲ楽節、、、」としています。
 
ただし、8小節でそこまで大きな変化が無く、直前の大楽節の楽想を引き継いだままちょっとだけ展開する場合があると思います。
その場合は楽節名の後に大文字のアルファベットを付与します。「第Ⅰ楽節 A、第Ⅰ楽節 B 、、、」みたいな感じです。
 

4.部
さらに大楽節が組み合わさって一つの大きなパートを構成するのがオーソドックスだと思います。
「A~B~サビ」「A~B~サビ」みたいな感じですね。
 
この大楽節の任意の数の組み合わせを「部」と呼んでいます
表記は「1部、2部、3部、、、」です。
 
ここまでを一度整理してみましょう。

楽節一覧

 
動機と小楽節は命名しなくてもあまり不便は無いので付けない事が多いです。
小楽節はあえて付ける必要がある場合のみ、大楽節名の後ろに小文字のアルファベットで表記してます。
「第Ⅰ楽節 a」みたいな感じです。


5.その他
さて、これで曲の骨組みはほぼほぼ命名できるはずです。
後は、それ以外にも命名しておくと色々便利な部分を幾つか紹介しておきましょう。
 
・導入部
これはそのままですね。楽曲の本編が始まる前にワンクッション置いて、
感情を昂ぶらせて「来るぞ来るぞっ!」って気分にさせるのは良く使うと思います。私はこれを「導入部」と呼称しています。小節数は自由です。
 
・小結尾、結尾句
これは導入部の逆です。部または大楽節の切り替わりのタイミングでワンクッション置いて
曲を一度終始させる時は「小結尾」と呼んでいます。本当に終わる場合は「結尾句」と呼んでいます。こちらも小節数は自由です。
 
・経過句
大楽節と大楽節の間に曲を盛り上げる為に1~2小節程度のクッションをはさむ事があると思います。
いわゆる「サビ」の前なんかですね。これは「経過句」と呼んでいます。小節数は自由ですが、楽節間の繋ぎなので1~2小節と短めなものが多いでしょう。



◇「これは命名ではない!構造化だ!!」

 
さて、なんでこんなめんどくさい名前で呼ばないといけないのかと疑問に思うかもしれません。
そうです、単に名前をつけるだけであれば時間や小節番号で呼べば良いだけです。
作曲中は曲が出来ていくにつれて時間や小節番号が変動するとは言え、上記みたいに命名するよりは楽でしょう。
 
ただし、実はこれは単なる命名が目的では無いのです!
 
単なる命名よりもさらにその上を行って、楽曲を構造化しているわけです。
こんな感じで曲を構造化してみると新しい視点で新しい発想が産まれてくるので、ちょっとめんどくさくてもやってみる事を強くお勧めします。自分なりの構造化を試みて下さい。構成美の追求です。
 
音楽には和音の響きの美しさや旋律の美しさとは別に「構成美」があるんですね。
「ソナタ形式」「変奏形式」「ロンド形式」なんかがその最たる例ですね。
 
では、最後に参考として私の曲「Ernest」の構成を記して置きましょう。

Ernest 楽節構成

 
これは1部~3部のかなりシンプルな3部構成なのがわかりますね。
1部は「主題提示部」の様な役割を持っていて2部~3部にかけて徐々に展開していっているという感じです。
構成を考えるのも非常に奥が深くて楽しいですよ。
 
貴下の従順なる下僕 松崎より


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▼ご参考-----------------------------

4276104009 楽式論
石桁真礼生
音楽之友社 2011-02-01by G-Tools
 

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著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。