私の愛しいアップルパイへ
どう効果的に読書するかというのは、私たちのような夢見るリアリストにとって重要な課題です。
読書中に新たな気付きがあれば線を引いたり、メモをとったり、うっとりする一文との出会いを神に感謝したりしますが、それらをどう整理するかはあなたも試行錯誤を続けているのではないでしょうか。
Notionとの出会いによって、ようやく読書中のメモをまとめたノート、つまり読書ノートを納得できる形でまとめられるようになりました。
「どうやって?」ですか。
すばらしい質問です。
「どうやって?」はこの世で最もすばらしい質問のうちの1つです。
それでは、私がNotionで読書ノートをどのようにまとめているか、お話しましょう。今回は読書ノートの書き方だけでなく、読みたい本の管理方法や読書ノートをその後どのように生かすかの流れもお話します。
それではさっそく本題に入っていきましょう。
リッスン!
(静かになる)
気になった書籍はその時点でNotionに登録する
Notionに読書ノート用データベースを作成しておき、あとで読もうと思った書籍があったらその時点で保存します。
実際には書籍だけでなく、論文や動画など他のメディアも登録しているのですが、ここではイメージしやすいように書籍をベースに解説することとします。
登録時には著者名や出版社、出版日、URLなどの各種書籍情報を埋めておきます。
書籍情報を埋めるのは少々面倒ですが、あとで書籍を紹介するときなどいちいち検索しなくて済むようになるので便利です。次に読む本を選ぶときにも、こうったデータベースがあると読みたかった本を思い出せるので便利です。
また、年代や出版社などでフィルタリングできるようになるため、データが増えてくると役に立ちます。
ちなみに、カバー画像に書影を設定しておくと、このようにギャラリー表示で見栄えが良くなるのでオススメです。Cooooool!
書籍情報を手動で埋めるのが面倒であれば、Chrome拡張機能であるSave to Notionなど使い、基本的なメタデータを自動で読み込むこともできます。
Amazon以外にもこういったNotionへのインポートが多くあるのであれば、より柔軟にサービス関連携を自動化できるBardeenやZapierなどを用いるのがオススメです。
ちなみに私は書籍情報のインポートにはAmazonの書籍ページをBardeenで読み取ってNotionへ保存しています。
ネクストッ!
読み始めたらステータスを更新する
対象の書籍を読み始めたら、ステータスを「IN PROGRESS」(読書中)に変えておきます。
こうすることで読書中の書籍が何かが分かりやすくなるし、あらかじめ読書中の本だけを表示するビューを作っておけば、読書ノートを書くページを探しやすくなります。
ちなみに、ステータスは次のように使い分けています。
ステータス | 意味 |
---|---|
OPEN | 未読 |
PENDING | 次に読む予定 |
IN PROGRESS | 読書中 |
IN REVIEW | 読了後、読書メモまとめ中 |
ON HOLD | 読書中断 |
CLOSED | 読書メモのまとめ完了 |
ネクストッ!
読書中はNotionのノートへメモを書き残す
読書中は気になったことや、新しく発見したことがあれば、読書メモをNotionの該当書籍ページへ都度追記していきます。
読み終わった後にメモを書くのではなく、読みながら適宜メモを追記していくのがポイントです。
なお、読書ノートの書き方はZettelkasten(ツェッテルカステン)というノート・テイキング・メソッドに準拠しているため、ご興味あればZettelkastenで使うノートの種類と構成まとめもご覧ください。
この方法では、重要な箇所へ線を引く代わりに、気付いたこと・理解したことを自分の言葉で説明し直すこととなります。自分の言葉にしてはじめて理解が進むからです。
線を引いたり、アプリケーション上でハイライトするだけでは、分かった気になって終わりがちです。このことはビジネスブログ、ライフハックブログを10年以上、2,000記事以上書いてきて嫌というほど痛感しました。
本文の引用も本当に必要な時だけにします。自分の言葉で説明し直すのが一番のポイントです。この大切さについては次の記事でもまとめていますので、こちらもご覧ください。
» ナレッジノートは自分の言葉で説明し直すこと(情報コレクターにならないために)
読書ノートにメモを書くときには、参考にした箇所のページ数も書いておきます。こうすることで、あとで読み返したときに本文内のどの箇所について言及しているか正確にたどれるようにするためです。
もちろん読書中に線を引いたり、ハイライトするのが悪いわけではありません。本の内容を情報から知識に変換するためには、線を引いた箇所を後で整理して文章化するプロセスが欠かせないということです。
そして、あとでまとめて文章化するのは面倒な作業で、つい線を引いて終わりになりがちですから、それならその都度文章化してしまおうというのがZettelkastenの発想です。
ネクストッ!
読書ノートのメモを読み返しながら考えをアップデートする
読後には読書ノートへ一とおりの読書メモを書き終えていることになります。そこで終わらず、続いて自分の考えをまとめるフェーズに入ります。
ここでNotion上のステータスを「IN REVIEW」に変えます。
読書と読書メモによる文章化は情報を理解するフェーズです。次は既存の知識と読書ノートをつないで、自分の思考をアップデートするフェーズとなります。
賢いあなたならお分かりのとおり、読書というのは書籍の内容をただ理解するための行為ではないでしょう。新たにインプットした内容を、既存の知識と組み合わせて、自分の考えを変えることにあるのです。これがこのフェーズの目的です。
具体的には、PCのローカルフォルダに自分の思考をアウトプットしたMarkdownファイル群があるので、読書ノートを読み返してそれらのMarkdownファイルに追記します。
もし、追記できる関連ノートがなければ新しくMarkdownファイルを作ります。
ちなみにZettelkastenではこれらのノートをPermanent Notes(永久に使えるノートの意)と読んでおり、知識を整理する核となるノートとして機能します。
NotionではMarkdownに挿入するための引用タグを自動生成しているため、Markdownファイルの該当箇所に忘れず引用タグを付与しておきます。
こうして本から得た情報(読書ノート)が知識(Markdownファイル)に組み込まれて思考がアップデートされていきます。
ネクストッ!
あとで内容を再確認したくなった時のフロー
最後に、あとで本の内容を思い出したくなったときのフローについて解説します。これによって、読んだ内容がどのように後で活用できるか分かりやくなるからです。
ここまでのステップを簡単にまとめると次のようになります。
- 本を読む
- 重要なところは必要に応じて線を引いておく
- 新しい発見をNotionの読書ノートへ文章化する
- 読書ノートを思考をアウトプットしたMarkdownファイル群へ組み込む
あとで読んだ本の内容を思い出したいときにはどこを参照するかというと、上記のステップを逆からたどることとなります。
つまり、まずMarkdownファイルのノート群を確認します。該当箇所には引用タグが記載されているため、全文検索すれば該当の本について書かれた箇所を引き出すのは簡単です。
これらのMarkdownファイルには、読んだ本が既存の知識とどう接続されたかが示されているため、本の内容を思い出すときも関連知識とともに容易に思い出せます。大抵の場合はこれでこと足ります。
とはいえ、書籍に書かれていたことを再確認したいこともあります。当時読んだ時とは別の視点で本の内容を再確認したいときや、本の全体像を改めて理解したいときなどです。
この場合は、Notionの読書ノートを確認します。引用タグにはNotionの読書ノートへのリンクを記載しているので、ワンクリックでジャンプできます。
Notionの読書ノートは書籍の内容から重要な発見を自分の言葉で説明し直した文書ですから、書籍の内容を再確認するには最も効率的です。
読書ノートを読んでいて、もっと詳しく本の内容を再確認したければ、読書ノートにページ数が併記されているので原文を探すのも容易です。
こうしてMarkdownファイルと読書ノートを用いればほとんどのニーズは満たせます。つまり本の内容を思い出すために原著を再読する必要性がなくなります。これは日常のワークフローを大きく効率化してくれます。
原著にあたる必要があるのは、書籍内の文章を正確に参照したい時です。これは書籍の文章をそのまま引用したいときや、書籍のメッセージをもう一度理解し直したいときなどです。
書籍に引いた線やハイライトがあれば、このときに役立ちます。ハイライトの一覧があれば、大体どの位置に目的の文章が書かれているか分かるからです。
それでも足りない場合や、完全に書籍をインプットし直したい場合には、本を再読することになります。
この場合、最初に読んだときにはなかった発見があれば、2以降のステップを実行することとなります。
ネクストッ!
NotionとZettelkastenで読書ノートを効果的に管理!
今回は私の読書方法を頭のてっぺんからつま先まで紹介しました。Notionが登場したことで、読書ノートの整理がようやく納得いくものになったと感じています。Woooooo!
今回紹介したNotionの読書ノートはテンプレートも公開しています。私の読書ノートと同じものがNotion上で複製して使えるので、是非使ってみてください。
» Literature Notes | jMatsuzaki’s Notion Template
また、これらの読書ノートはZettelkasten(ツェッテルカステン)と呼ばれるノートシステムの一部として運用しています。このナレッジマネジメントの手法と出会ってから、読書ノートを含む思考プロセスが大きくアップデートされました。
こちらもあなたのようなエレガントなお方にはピッタリでしょうから、ご興味あればご覧ください。このところ第二の脳と呼ばれるツールやメソッドが増えましたが、本気で第二の脳を作れると思えたのはこのメソッドだけです。
» ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが研究と執筆の相棒にしたアナログのカード型ノートシステムZettelkasten(ツェッテルカステン)とは?
まだまだあなたとお話ししたいのですけれど、そろそろ書くスペースが限界みたいですから、今日はこのくらいにしておきましょう。
貴下の従順なる下僕 松崎より