photo credit: NYCandre via photopin cc
私の愛しいアップルパイへ
実家への引越しはお金がなかったので、友人に頼んで自分達でやりました。この時点で貯金は10万円を切っていました。脱サラして5ヶ月が経った頃でした。
今回はいよいよ貯金が0円になったときの話に入ります。この回が不吉の4を冠する記事となったのも、きっと偶然ではないでしょう。
▼バックナンバー
脱サラして半年で貯金が0円になったときの話
脱サラして半年で貯金が0円になったときの話(2)~実家に帰る苦渋の決断をした日~
脱サラして半年で貯金が0円になったときの話(3)~ガラとの出会い~
脱サラして半年で貯金が0円になったときの話(4)~実家に戻って再起を図る~ ← Just Now!
脱サラして半年で貯金が0円になったときの話(終)~さらに半年後の今の生活~ ←Next!!
実家に戻って再起を図る
実家に帰ってからしばらくは抜け殻のようになってしまい、敗北感から自分の部屋にこもるようになり、ダンボールも開けられず、食事をとる以外は西部劇のDVDを朝から晩まで見続ける毎日を送ったと思いますか?私が?とんでもない!
翌日はパソコンデスクを真っ先にセットアップし、自分に対する怒りに燃えて仕事のやり方を根底から見直し始めました。
最初に発見したのは、脱サラする前の思考に致命的な欠陥があったことでした。私は「目の前の仕事に全力で取り組んで、実績が積み重なれば、収入は自然に増える」と漠然と思っていました。ですから、脱サラするまでに築いてきた活動基盤の延長線上の仕事に集中していたのですが、これが大きな誤りでした。
この前提はサラリーマン時代に染みついた、もはや使い物にならない古い思考でした。なぜなら「実績を増やすこと」と「収入を増やすこと」の間にはもはや思っていたほどの因果関係は無かったからです。なぜ、ただ目の前の仕事に取り組んでいれば収入につながるのが自然だと思い込んでいたのか、今では男性に乳首があることと同じくらい不思議に思います。
仕事をゼロから再構築する日々
ですから、まず2つのことに手をつけました。収入に繋がっていない活動を、活動内容はそのままに収益化すること。収益化の難しい共同プロジェクトを減らすこと。
幸いなことに、貯金は0に近くとも今まで培ってきたコンテンツや人脈などの活動基盤は0ではありませんでした。そして1つ1つの提供方法を見直すことで、仕事の全体量を減らしなら徐々に収入を増やせる道が見えてきました。
まず、今までやって来なかったブログの広告収入による収益化を推し進めました。それとは別に、ブログに書き綴ってきた600以上の記事を体型的に見直し、再構築し、出版できるよう調整し始めました。
また、ブログを分析してみると関東圏の読者が最も多かったのですが、合算すれば関東圏以外からのアクセスの方が多いことに気がつきました。特に名古屋や関西、福岡などに多くの読者が居ることに気がつきました。そういった関東のセミナーやイベントに容易に来れない方向けに、有料のコンテンツやサービスを提供するため、自分専用のECサイトを作ってオンラインで完結できる仕組み作りを始めました。
加えて、個人の方向けの仕事だけにこだわらず、法人とのつながりも積極的に作るよう注力し始めました。自分ひとりでやるより自由度は下がりますが、確実に収入につながります。
それから、実家暮らしとは言え日々の生活費は必要ですから、貯金が完全に尽きる前に急いで一ヶ月後に単独セミナーを2つ企画しました。
脱サラして半年で貯金が0円になったときの話
脱サラして半年で貯金が0円になったときの話をします。
実家に帰ってから2つのセミナー開催までの一ヶ月間は、初めてテキサスチェーンソーを観たときよりスリリングでした。日々の生活費に加え、セミナーを開催するための諸々の経費が最後の貯金を食いつぶしつつあったからです。
貯金が完全に0円になったのはセミナーを開催する3〜5日前でした。セミナー2本分の会場費が致命傷になりました。セミナーの講演費がイベント終了後に支払われる決済システムを使っていたのも迂闊でした。
交通費が無いのでセミナーは中止です、とはもちろん口が裂けても言えません。とは言え、家族や友人に「貯金が無いからお金を貸してくれ」と頭を下げるのも格好が悪いではありませんか。この愉快なjMatsuzakiがたかだか交通費すら出せないなんて!
私が偉かったのはここで決して動揺することなく、冒険野郎マクガイバーの如くクレバーな対応に徹したことです。私は親しい友人達との飲み会を企画しました。そして、当日の精算は私がまとめてクレジットカードで支払い、友人達からは飲み代を現金で徴収したのです。
どうにか自分のセミナーに参加できそうという不思議な状況の中で、その日は随分ほっとしたのを覚えています。
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貴下の従順なる下僕 松崎より